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A New Day - SEVENTEEN  *  舞泳会へ 

『 噂の人魚フェア 』 by Sei 様

美しい海の彼方より    
- A New Day -


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_________ コン・コン・・・


「 おはよう・・・キョーコ 」

ドアの向こうから声を掛けると、彼女のメイドがドアを開けた


ドアが大きく開かれて、その向かい側に立っている彼女を見てドキッとした


今までに見た事が無い・・・

髪にたくさんの色に光るパールが編み込まれて、大きな瞳はもっと大きく見えるようにメイクもされていて、姿全体が光に覆われる様に輝いていた

目を一度だけ瞬きをした彼女のゆっくりとした動作に・・・

その後 真っ直ぐに、自分を見つめる顔に・・・

いつもの優しい微笑みは無くても、真っ直ぐ見詰める真剣な眼差しが心の中に刺さる様だった



「 どうですか・・・・蓮さま? 」

彼女の乳母がキョーコの横で、微笑みながら自分に言葉を向けているのだけれど
聞こえているのに・・・

・・・返事が出来なかった


すっと彼女の前に泳いで行って、手を差し出すと手を上から乗せる姫君・・・

その手の上に反対の手を乗せて両手で彼女の手を包み、自分の胸に引き寄せて目を瞑った


もしも、これが婚礼の日であったなら・・・

そう思うと、自分との その日を胸に・・・想いを込めて、抱き寄せた手をぎゅっと握っていた

目を瞑っていると彼女の乳母が自分の横で、お気に召しませんでしたか?と小声で耳打ちしてきた


確かに・・・

気に入らないと言えば、気に入らない


他の国の王子に見初められでもしたら、どうする。と言ってもみたいが、彼女の乳母は・・・

彼女を誰よりも耀いて見える様にと、何日も前から考えていたに違いない

そんなずっと彼女の事だけを考えて仕えてくれた、年老いてきた乳母に何も言えない


乳母だけは・・・

疵付けるわけに行かない


彼女の親代わりとしてずっと赤ん坊の頃から、彼女の為だけに仕えてくれた
とても、彼女にとって大切な存在だと云う事は、重々承知であった

彼女の乳母は・・・

自分とキョーコの関係を唯一知る、大事な存在

この王室でそれを知る、古くから仕えてくれている古参者の一人であり
それに・・・


自分とキョーコが、従兄弟ではないと知るただ一人の人魚だった


キョーコは・・・

実は血のつながりの無い子だった



_______ それは ・・・・

・・・キョーコが稚魚のまだ何も知らない小さなうちの事だった ________



離宮の前に漂ってきた稚魚人魚

まだ自分も幼かった頃の事
門の近くで国王のお出ましを待っていたら、門番が抱きかかえて連れてきた

クラゲが近くを漂って居て、そのクラゲに指を指して門番の腕の中で もがいていた


「 だめだめ、あの種のクラゲに手を出したら・・・」

そう言いながら、言ってもまだ全然分からないと思われる赤ちゃんの人魚に言っていた事を覚えている

国王が門の傍に来た時に、どうした?その子は・・・
と、抱きかかえて あやし始めたら国王の腕の中で大人しく寄り添っていた


「 父様・・・」

「 王と呼びなさい。蓮・・・」


その言葉を聞いていた国王の腕の中の彼女は・・・


「 お・う・と・さ・ま・・・」

国王の事を、父様とも、王様とも聞こえる声で呼んでいた

姫が欲しかった国王は、その幼い高い声に微笑んでぎゅーっと抱きしめていた

「 この娘の母は、いずこへ?・・・」

門番に聞いている国王だったけれど、門番も彼女一人がクラゲを追いかけて触ろうとしていることに気が付いただけで、死んでしまうほどの電気と猛毒を持っているクラゲに驚いて急いで助けたと言う

辺りをきょろきょろ探しに、他の使いを回らせた国王

国王はそのまま使いを連れて、光の国への視察に出かけていった

せめて星の国であったなら、人魚の迷子は居ないかと星の国の王に相談も出来たはず

国王が離宮に戻って来た時・・・

自分は彼女の今の乳母と一緒に庭の珊瑚の上で、貝の動くのを見ていた

乳母は自分に王子としての教育係りとしても、古い伝説や言い伝えなど、離宮に関しての一切の歴史を遊びながら教えてくれていた


蓮さま、これはですね・・・
この貝はですね・・・
そして、此処にあるこの石すらも・・・

この国の全ての命の誰かが、必ず必要としているのですよ

ですから、勝手に動かしたり・・・
勝手に捨ててしまったり・・・

全ては、国民の誰かの為にあるのですよ

自然と海の中に・・・
その自然が創る形や・・・
自然が動かした・・・

自然という海の神様が動かされたものは、海の中にとても重要な事

ですからですね・・・

海の神が、その誰かの為に創って動かしたものですよ・・・


優しい口調で、全てのものは全ての命の為にあると・・・
彼女を腕に抱きながら教えてくれていた、その時に国王が傍に寄って来て

「 蓮・・・」

後ろから声を掛けられて、頭を優しくなでてくれた国王に振り返ると
乳母が跪いて国王のご帰宅を迎え入れると同時に、乳母の腕の中の彼女は、

「 おうとさま・・・」

そう言って国王に腕を伸ばしていた


小さな手が、一生懸命両腕を伸ばして国王に抱っこされるのを待っているその真っ直ぐに見詰める瞳・・・

自分はその時・・・

可愛いこの子に、両腕を伸ばして自分に抱っこされる事を願って、真っ直ぐ見詰めて欲しいと思っていた


いつか自分にもその瞳が真っ直ぐに向けられて欲しいと思った事は・・・

この子に出会ったこの時からもう・・・恋に心が焦がれていたのだと思う

彼女の親が見つかるまで、離宮にて預かり中の身となった彼女・・・そうして・・・

・・・何年の時が経ったのだろう


彼女の親は、他の国からやってきた放浪モノの獰猛な、サメやエイ、鯨やシャチなどの餌食となって帰らぬ人と成っていたのかもしれないと思ったのは・・・

乳母が自分の枕元で聞かせてくれた、海の世界の仕組みと云う話

それは可哀そうで心が折れる話だった
でも、それを理解してその弱肉強食の世界にも、必ず命の繋がりがある事だからどうにもできない  
けれど、国民を守ることはできますよ・・・と、言い終ろうとした時に腕の中で何かを思い出したかの様に強張っている彼女の顔を見た

そのまま目を瞑って眠っていたけれど、乳母の腕を握り締めた両手が・・・

誰かに助けを求めたかった、今までの様で・・・
小さな稚魚が、誰かの温もりが欲しくて彷徨っているうちに辿り着いてきたのかと思っていた

誰も離宮に迷子の届けもないまま・・・こうして・・・

キョーコと言う名前を授けられて、自分の従兄弟として育てられていた

乳母に懐いていた事もあり、乳母があの日キョーコを胸に抱いて庭で教えてくれた時からずっと、キョーコは乳母の腕の中で育って行った


国王に、真っ直ぐ見詰めたあの時のその眼差しは変る事無く・・・


その視線は、今・・・


このドアを開けた瞬間に、自分に向けられていた


この子が、誰かに両手を差し伸べて・・・

その真っ直ぐに見詰める真剣な、眼差しを向けるのならば、それは・・・

自分であって欲しいと思っている

毎日の幸せに満ちた笑顔ではなく、この真剣に見詰める眼差しこそ・・・

自分の未来に必要としている瞬間の、命と命の共存を求める瞳だと思うから



両手を伸ばして行ったのは自分

この手に手を乗せてくれて、真っ直ぐに見詰める瞳が言っている



_____ どうか、蓮 ・・・


そう頭の中に聞こえた声に、目を開けて真っ直ぐに見詰めた彼女の瞳は・・・

真剣に・・・自分を見つめてくれる眼差しだった




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mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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