mimi's world * HOPE and DESIRE

_______ BE-lie-VE * be-LIE ve * believe...the SHAMs for heart healing * mimi's world-7 _______

Another side of A New Day * the rumor FOREVER 

From far away beyond beautiful ... SEVEN SEAs
the one of the sea people called " the sea of illusion "

the RUMOR of Mermaid's A New Day

美しい海の彼方より 人魚の噂 the RUMOR 5



。・。・。・。・。・。・。・。FOREVER・。・。・。・。・。・。・。・。・。





二人がこの国の皇子殿下と后妃殿下と呼ばれる様に成ってからの出来事


舞泳会で、その姿を見ることなく国を離れて行ったカナエは

秀人王子の国・・・


星の国に嫁いでいた


あれから直ぐにお腹の大きなカナエが離宮に遊びにやってくるようになった

星の国に嫁いだカナエ・・・

そこは、永遠の夜・・・極夜の世界

まぁ、いつも夜だしな・・・とは、男だから思う事なのか・・・

そんな夜が一日中続く国に行ったカナエは、キョーコとは昔のままであった


_____ いやぁ~、もー、キョーコ止めてよ。

_____ モー子さんこそっ・・・わはははっ~~~

二人が友達として過ごす、大きな笑い声が離宮の回廊に響いていた時

少し離れていた王宮にもその声は届いていて、玉座で執務をしながら国王と顔を見合わせて笑い出してしまう・・・

でもそれに国王は嬉しそうに自分を見つめた

キョーコが子供の頃、国王に差し出した小さな手・・・
その横にいた自分もキョーコが伸ばした手に、腕を伸ばしていたと言われて

その姿を忘れないと、おっしゃっていた


_____ あれから、お前の望みは叶ったのだな・・・


その様に微笑まれると、自分が婚礼の儀の前に伸ばされた両腕の中に自分から飛び込んでいった事を思い返す

自分に向けられていた眼差しと、その両腕・・・


小さなキョーコが一人、離宮に迷い込んで来た時を自分も忘れない

あれは彼女が愛を求めた人に向けた眼差しであったと・・・

あの時、国王に向けた瞳は幼い子が父の愛を求める眼差しだった


婚礼の前に自分に向けられた眼差しは、対の配偶者としての、愛・・・

その眼差しだけで、自分にはもう・・・

何も他に必要ないほど、彼女の心からの愛が向けられていると感じた

だから、舞泳会の姿絵が誰であったかなんて、知る必要は無いと思っていた



回廊の笑い声がいつの間にか消えていて、ふと窓の方に振り向いた時

_____ 蓮、そろそろ行きなさい・・・

国王に促されると立ち上がり、立ち上がると周りの家臣は自分の通り道に跪き、その頭を下げて道を作っている

その中を声を掛けながら通り過ぎる・・・

王宮を出ると、キョーコと乳母がそこにいて
乳母が頭を下げて、いってらっしゃいまし・・・と、目を瞑った隙に、

キョーコの唇にちゅっとキスを残して、行ってきます。と口元で言う

門を社と共に出て、考えながら泳いでいた


今日は地上に視察に行くのだけれど・・・

この地上への公務

いつか、キョーコと二人で地上に視察に向う時もあるだろうと思っていた

その時は、キョーコの中で綺麗な思い出となっている河原での出来事

森の妖精だと自分の事を思っているキョーコ
一緒に向かった時にはその姿に自分がなってしまうのだから、どうにもこうにも隠し様が無い

そのままあの河原でもう一度、今度は森の妖精としての告白をしなければならないかも・・・
と、そのもう一つの秘密をいつ明かそうか・・・悩みあぐねていた

でもいつかは必ず訪れるその日


あれから毎朝、一緒に目が覚めて・・・

横に成ったまま髪を撫でて、おはよう・・・ってキスをすると

唇を重ねたまま二人ともが、思う事


・・・今日もこの幸せに包まれて居ますように


そう感じるのは、きっとお互いに・・・

目を開けるタイミングが、毎朝、同じだから . . . . _________





そして時が経ち・・・



「 行ってらっしゃいませ・・・」

家臣たちの言葉の中を潜り抜ける

でも今日は、自分の後ろに社はついて来ない



自分の横にキョーコと並んで、離宮の中を泳いでいた

_____ 行ってらっしゃいませ・・・皇子殿下さま、后妃殿下さま

二人の後ろに控えていた乳母が、頭を下げて二人を送り出してくれる


今日は、初めて二人揃っての視察・・・と、言う名目の二人だけのデートだった


二人で顔を見合わせて、門を出ると手を繋いで上に向って泳ぎ出した

Ms. Woodsのところに向かい、二人揃って手を繋いだまま・・・


気が付くと、入り江にいた




起き上がってその姿を海に映して見ていると

いつの間にか、後ろからそっと手を握られた


握られた手を握り返し、足に押し寄せる海の波を感じていた

遠く向こうの水平線と呼ばれる彼方を見詰めて、海の方から吹いてくる風が運んでくる
海の香り・・・

自分の国の香りは

この地上で空気の中に漂うと云う事を、海の中にいたら分からない

目を瞑って大きく息を吸い、握られた手を見ると小さな子供の手


反対の手にずっと大事に握っていた物

毎朝、君の髪を撫でて・・・

でも君は、お気に入りの桜貝の髪飾りを無くしてしまったと
微笑みの中に打ち明けてくれたのは、君が正室として王家に入った日

君にとってその新しい日の朝は

髪に・・・海の宝と地上の宝を輝かせていた


その桜貝の髪飾りは、今・・・


握られた小さな手を上に向けて開くと、君の手の中に持ってきた物を入れて

両手で包み・・・

その瞳を見詰めて微笑んだ. . ._________



「 キョーコちゃん・・・このピンクのペンダント、この前・・・」





________ この二人がこの後、どうなったのか・・・


森の妖精と、小さな女の子の・・・

蒼い石のお守りと、ピンクのペンダントと・・・

河原で振り返った光の中の人の・・・



この二人が河を登って歩いて向ったのは、何の為なのでしょう


それは、人魚である二人・・・



魚としての、産卵期を迎えた対のものだったのか・・・

それとも人として、無くした髪飾りをどう渡してあげようか考えた、夫のサプライズなのか・・・

それとも二人の中で、大切な思い出の場所に行きたかったからなのか・・・

それとも・・・

手を取り合って、河原に歩いて行った先に・・・・・





________ 入り江で、水平線を見詰めていた自分の夫


人の姿の彼を初めて見た・・・

その姿に見覚えがある



光の中に海からの風で、その金色の髪を輝かせている後姿

自分が心に秘めたまま、正室に入った事を彼には伝えていなかった

自分にとってそれは、夢であったのか・・・

気が付いた時には、舞泳会のパンフレットを胸に抱いて自分の部屋で起きた


ただの夢・・・


そう思って今まで過ごしてきたけれど、自分の心には

河原で出会った妖精の王子さまが微笑む姿を鮮明に残していた

あの時感じた、花の香りも森の香りも・・・

フワフワ舞い飛ぶ、たくさんの蝶も・・・

木漏れ日の中に光る、水の飛沫も・・・

自分の住む海の上にうねる、波の様子・・・

自分が歩いていると感じた足の感覚も、手の中に滲んだ汗の感触も・・・

その全てが鮮明に色濃く思い出せていた


洞窟はもう通れなくなっていた

それを見て、自分がここから抜け出て行ったのかどうかすら定かではない夢の事だと諦めて、ただ・・・

地上で出会った妖精の事を夢だと思い込む事にした



でも、桜貝の髪飾りが何処にも見当たらなかった

乳母もメイドも探してくれたのだけれど、誰も見つけられない


それが、夢ではなかったと思える、たった一つの事. . . _________



その髪飾りが自分の心の中に、思い出に変った・・・魔法の様な出来事

夫と成った蓮になくした事を打ち明けたのは、もう貝殻の髪飾りを付ける事をきっと、彼に必要ないと言われると思っていたから

でも自分にとって とても大切なものだった


おはよう・・・と、髪を撫でて幸せに包んでくれたその手が触れていたもの


胸にピンクの地上の物として光らせて、森の妖精が髪飾りの代わりに挿してくれた花
花が流れて海に辿り着いていたそれを見て・・・

目を閉じた妖精から姿を消した自分のその夢・・・で・・・

森の妖精が蓮の様だと思っていた自分

海の中では、蓮が時々・・・森の王子様に似ていると自分の心に秘めていた

だから、きっとその夢を、妖精が掛けてくれた魔法だと思う事にしていた



それに、蓮が大好きでずっと苦しんだ心の内に掛かった靄を、彼が晴らしてくれたのだから・・・

何も自分に断る理由も気持ちも無かった



ただ自分の中にただの魔法の様な出来事として・・・

大事なものを失って

それと同じぐらい大切な新しいものを

引き換えにしただけと思って. . . __________




水平線を見詰め、海からの風に金色の髪を輝かせている人

その姿を見てその手を握ったのは、あの時感じた感触と同じか試してみたかったから


握った手に握り返してくれた感触

手の平を上に向かされて、その手の中に乗せられた

中身を見る事無く両手で包まれて・・・

その手に口付けをした瞳を見詰めていた



夢じゃなかった

ただ・・・彼が掛けてくれた・・・魔法 Illusion に見せられただけ


ただ嬉しくて、心から・・・


微笑んでいた


二人の間に涙は・・・この魔法に吸い取られて・・・






この二人が、その後・・・

毎日を幸せに過ごした生涯

その遠い記憶が呼び寄せて、もう一度二人をこの河原で出会わせた物語


人魚の彼らの噂は、人間界には伝わらなかったけれど・・・

今、人間界では・・・


生まれ変わったこの人魚達の物語

それは漫画と成って、今現在もそのまま・・・

この二人の未来を、たくさんの読者が見守り続けている



歩くのもおぼつかなかった初めての人間の姿の時

でも二人で訪れた二度目の光の国

二人ともが心に抱えていた秘密は、何も言い合わなくても

この光の溢れる地上の空の様に晴れて・・・

手を繋いでその河原を歩いている内に、キョーコは・・・ 

スキップが、出来るようになりましたとさ



・・・おしまい




二人の物語はまだまだ続いて欲しいと私は望んでいます。



美しい海の彼方から 人魚の噂 Rumor 5

A New Day FOREVER 永遠の新しい日

FROM sea of ILLUSION 魔法の海より・・・






_____ そうそう ・ ・ ・ 


Illusion その魔法の幻術(まやかし)の様に・・・

今までに貴方も、突然、何かを失ったことはありませんか

そこに置いてあったものなのに、ふっとこの世から消えてしまった様に



でもその時、新しく何か大切なものを見つけて居たとしたら

それが魔法に掛けられた瞬間だったと、私は思うようにしています。


_____ 毎日がどうか幸せに包まれています様に・・・


そう願い日々を暮らして行く中に、魔法 Illusionだと思える心を大切にしたいと

それは、私にとって失ったものが変り、心に新しく生まれた大切なものだと思っています。



美しい海の彼・方より
mimi’s world * HOPE and DESIRE 希望と望みの世界から
The RUMOR of illusion 魔法の噂 ☆* FOREVER FROM ILLUSION RUMOR

_ FIN

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mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

A New Day - TWENTY THREE * a new day FOREVER 

『 噂の人魚フェア 』 by sei様主催

美しい海の彼・方より  

A New Day ...
from far away beyond beautiful sea FOREVER


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「 おはよう・・・妃殿下 」


ドアの外から声を掛けると、今日という日をどんなに待っていた事かと心から思っていた


「 おはようございます、蓮皇太子さま・・・」

彼女のメイドが声を掛けて開けてくれたそのドアの先に

窓の外を見て後ろ向きの彼女が佇んでいた



振り返って自分を見た時のその表情は、一(いつ)の日に国王の姿を見て望むままの同じ真剣な眼差し・・・
笑顔を見せてくれること無く、振り返ったその顔に・・・

そっと両腕を自分の方に伸ばしてくれた


「 おはようございます・・・我が皇太子様 」

跪こうと屈み頭を下げようとしたから、その差し出された両腕の中に入って抱きしめた



今の二人には、きっと・・・

何の言葉も必要ではないと心から感じていた


舞泳会の朝見た時よりも、もっと耀いている君

その髪に・・・我が国の宝を煌かせて・・・
この海の宝石も、地上の宝石も、自国の象徴として飾られたその姿

でも、それだけではないと思える

二人の心は・・・

今はもう


無色透明に透き通るように、心の全てが二人の間でお互いに見えている


あれから、君に打ち明けた君の出生の秘密に君は・・・
驚きの中に、何かずっと感じて過ごし育って来たと打ち明けてくれた事も


霞んで心が靄の中に隠れたままだった、舞泳会の帰り

でも、もう二人の間にそんな靄は晴れて・・・



そして、今日・・・晴れて君は


自分の后に、正式にこの王国の正室と成る時が来た


この新しい A New Day 一日の始まり・・・


それは、これから永遠に続く幸せへの一日目の新しい日




差し伸べられた両腕には、国王を求めた君が今・・・自分を求めてくれている


「 んふっ・・・お・う・と・さ・ま・・・
 
  ・・・私の・・・おうじさま・・・」


君は、他の国の王子の元に嫁いで行きたかったのか・・・自然に開かれたあの姿絵のページに載っていた人は、永遠に知らなくてもいい

今、君は自分の事を・・・

私の王子さまと呼んでくれた事だけで、もう十分だから

乳母だけの秘密は、乳母も生涯・・・

その心に潜めたまま誰にも語らないのだろう

もし、それが自分だったとしても
血の繋がりがある者同士に心を寄せていたと、キョーコが他に噂でもされぬ様にと


あの日の朝、乳母はどんな気持ちでいたのだろう

自分の気持ちも、キョーコの気持ちも知っていながら
舞泳会に二人が出かけて行き、そして霞の中に消えて行ったのを待ちながら

二人で戻って来たときに・・・

向けてくれた笑顔を、生涯忘れる事無く胸に刻み

乳母が手塩にかけて、この国の皇后妃殿下としての躾と、そして皇子殿下の自分に教えてくれた事の二つは・・・

いつの日も必ず繋がりが在った

自分が公務に訪れる国の事を、キョーコもいつか訪れるであろうと教えをこっそりしたのは
自分との事の為であった

自分が離宮に戻ってきて晩餐の時に、もしその国の話をしても
キョーコには、素早く理解してもらう為であったと

自分が疲れて帰ってきて、キョーコが理解にたくさんの質問をしない様にとの心遣い

キョーコの為に理解し易いように・・・

自分の為に疲れを増やさぬように・・・


二人の間に・・・一方は理解できず、一方はさらに疲れを倍増して

二人の心の中が離れてしまわぬ様にと・・・


二人が幸せな時を過ごし、その幸せなまま床に付き、また目覚めた朝に

新しい幸せが訪れる様にと・・・


この乳母に、感謝と・・・そして乳母が望み教え続けてくれたまま

この国の繁栄を、これから二人で・・・・




その気持ちが溢れて、真剣な眼差しに優しい微笑みが浮かんでいて・・・

毎朝、続けてきた口付けを


君の抱き寄せてくれる腕の中で、両手で髪を撫でて

自分の写る瞳を見詰めたまま

両手で頬を包み込んで、お互いに目を瞑り・・・

・・・唇を重ねた. . .




「 Highness、 your Highness まだ、ですよ・・・

  Her Royal Highness of the princess of the beautiful sea Kyoko・・・

  His Imperial Highness of the crown Prince of the beautiful sea Ren・・・

  ・・・どうか、お待ちに・・・」



乳母の言葉に、でも、乳母の絶え間なく溢れる笑顔には・・・
二人のこれからの正式なこの国での名前を呼びながら、その瞳に涙を浮かべてくれていた

乳母が二人の気持ちを何年も感じ取り自分達に今までしてくれた事も、教育係として二人を育ててくれた・・・

その全ての事に

そして、これからも二人の為に影となり教え続けて欲しい

この国の繁栄と幸せの為に自分は、いや・・・


自分達は・・・


・・・これから・・・・




「 国王には、秘密に・・・」

そう言ってまた、唇を重ねた . . .


婚礼の儀まで、すぐなのにもう待てない

もう何年も君がこの離宮に迷い込んできてから・・幾年幾月・・・

毎朝、自分の手からの口付けと微笑みだけで、この時を待ち焦がれていた事だろう


このキスに・・・


_____ どうか、今日一日が幸せなものであります様に・・・

  ・・・どうか、これからの二人での未来が、幸せなものであります様に・・・


新しい日が・・・

永遠に・・・幸せでありますように


・・・この二人に

そして・・・

・・・我が二人の国が、永遠に・・・・



そう心に思い・・・


この心が澄んだまま君に伝わっていて欲しいと願って. . . _____________








A New Day FOREVER ☆* 永遠の新しい日


_____ FIN


噂の人魚 * 美しい海の彼方より




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A New Day - TWENTY TWO * 舞泳会より 

From far away beyond beautiful sea. . .



たくさんの王子も姫君も、自分達に視線を送っているのを感じていても
もう、彼女を離すなんてしたくなかった


踊りの輪の中でも、ただ立ち止まって

彼女を自分の胸に抱き寄せたまま、その手で頭を撫でて・・・



そう・・・

こうして・・・


自分達が子供の頃から毎朝、君の頭を撫でて・・・おはよう・・・って・・・

何度言ってきた事だろう


_____ 今日という日が、幸せであります様に・・・


そう・・・この心に何度、言ってきた事だろう

国王に、乳母に、抱かれて育っていった君の姿は、今こうして・・・

凛と美しく、育って

その姿をいつか・・・二人できっと訪れる地上では・・・

其処に甘い香りを風に乗せて・・・

大輪の花が咲く様な、凛と美しいクイーン

自分だけのクイーンに、これから成って欲しいと心から思う



この胸の内を、この胸の中に抱き寄せている間に・・・

感じてくれたら嬉しいと、心から思う



乳母が教えてくれた事・・・


今朝の彼女は、心が忙しなく たくさんの感情が混ざっている様だったと

自分もそれは、感じていた

だからこそ思う・・・



ベッドサイドに閉じた姿絵が、ふわっと広がって自然に開いたのならば

そのページが誰であったのかは問題ではない


自分にとって、一番大切な事は・・・


その姿絵の中に、君が載っていない事

君はきっと・・・自分が育って来たこの王室の子では無いと心に引っ掛かって
その姿絵を見続けていたのだろう

どうしてなのだろうと、きっと・・・思っていたと思う



だから、今から・・・

  ・・・成ればいい・・・




自分の妻に成って・・・



正室として、堂々と・・・自分がクイーンだと・・・

君の、その心の咎を消し去ってあげたいから


この心に痞えている心配はもう・・・ 

永遠に・・・無くなって・・・



こうして毎朝同じ様に、髪を撫でて・・・

今日の一日を、どうか幸せに過ごして欲しいと・・・

自分からの口付けに、その瞳を閉じて. . .



「 ねぇ、キョーコ・・・」

自分の呼びかけに ゆっくり頭を動かして、見詰めてくれたその瞳は・・・

真剣な眼差しで、その瞳の中に残る涙に見える・・・君の不安な心

だから・・・



「 どうか・・・」

瞳をずっと見詰めて握ったままの手を離さずに跪き、微笑む事が出来ないほど
自分の心が苦しかった

大きく息を吸って自分を落ち着かせようとしても、今までの様に・・・

君に微笑みを向ける事が、出来なかった


「 自分と共に、これからも・・・」


声が震えるほどで・・・

握っていた手を強く握り締めて、こんなにも心から愛している事を
どう伝えたらいいのか分からずにただ、その瞳をずっと見詰めていた


跪いた目の前の君の姿は、耀いて凛と美しいままで・・・


「 自分は・・・ここに・・・

   ・・・后を探しに来た・・・」


だから・・・どうか・・・



でも・・・と、小さく返事が聞こえたような気がして

握っていた手の上にもう片方の手を被せると、不安そうな瞳にまだ蟠りが見えたから


「 心配は何も無い、これから・・・」


被せていた手を毎朝と同じ様に彼女の唇に指を当てて、真剣な顔で首を横にゆっくり振った


今まで出来ていたのに、本当に心を開いて本音を伝えようとすると、自分の心臓が驚くほど早く波打つ様に忙しなく動いているのを感じていた


君が姿絵に載せられていない事を・・・


気付きそれを噂する者たち

自分との噂をばら撒く様な者たち



そうじゃない・・・


自分にとって一番大切な真実は、今ここに・・・

自分の心の中にだけ、存在する



もう一度大きく息を吸って、目を閉じた・・・

自分の心をそのまま、感じて欲しいと思って


「 ねぇ、キョーコ・・・」

一言だけ言い始めてからは、頭の中に浮かぶ子供の頃からの想いを
そして、この心に浮かぶままに伝えたいと自分の意識を研ぎ澄ませていた



_____ 今ね・・・

   たくさんの姫君の中に、見つけた・・・

   自分の将来のお后様で、自分の国の次期、皇后妃殿下



目を開けて、その瞳を見詰めると自分に向けられていた眼差しは・・・

君が一(いつ)だったかの日に、国王に両手を伸ばして見詰めていたままの

だから・・・


_____ キョーコ・・・

   君が、成ってくれますか・・・

   これからも、自分と共に朝を幸せに、迎えてくださいますか・・・

   
もし・・・
   自分の心を感じ取ってくれて居るのならば

   もう、君は立派な・・・王族の一員だよ. . . ________



そう、もう人魚の姿のままの君ではない

自分が見えた君だけが、霞の中に姿を隠す事が出来なかった
王族ではない人魚だけ・・・

自分には、その様に写っていたから

今、自分の目の前には君の姿が靄の中に霞んでいて・・・

でも、それは・・・この瞳の中に溢れつつある涙のせいなのか・・・


心の中から溢れ出した君への想いと、波打ち続ける心臓の早鐘と、
懐かしさの中にずっと燻ぶっていた自分に向けて欲しかったその真剣な眼差しを求めていた

その全ての自分を・・・

  ・・・どうか、受け入れて下さい



その想いが溢れさせた涙の中に、君の姿は今・・・

王族の一員と同じ様に霞んで見えなくなっていた



「 大丈夫、これから・・・

  その・・・これからには、何も心配は必要ない 」


だから、これからの毎日の新しい朝に、今までと同じ様に・・・
自分にも幸せを、そして・・・君にも幸せを、二人で分かち合って行きたいと願っている




・・・自分が握っていた手の上に、君が もう片方の手を乗せて包んでくれて


「 はい・・・」


その一言と、真剣に見詰めてくれたまま

瞬き一つしないで、溢れた涙・・・


その涙がぽたっと、二人の手の上に落ちて


自分の瞳からも同じ様に瞬き一つしないで、頬を伝う感覚はそのまま自分の胸の中心を伝った

でも・・・
目が霞んで、君の姿が人魚ではない様に見えたのは

自分の目に溜まった、涙のせいだけではなかったと・・・



自分の手の上に重ねてくれたその手に、目を閉じて

君の肌にそっと唇を付けた


二人で重ねあった手の中で、握り合った手をお互いに指を絡めて握り合った


_____ 何も、心配しないで・・・ただ・・・

   自分を信じて傍に居て欲しい、今までとなんら ・・・変わりなく



   王室の者として・・・



自分の胸に握っていた手を引き寄せて目を開けると、もう・・・

君の姿は靄の中に・・・自分と同じ様に霞んで・・・


その霞の中に

朝見たと同じ様に耀きを煌かせて佇む姿が見えた. . . __________




そして・・・・・




その姿を瞼の後ろに残したまま、瞬きをしたら・・・





そこは、波の影響も、海流の影響も無く

浅くも無く、深くも無く・・・

光が届くかと言ったら、届かない

でもいつも・・・舞い落ちるプランクトンが輝いて降り積もる

仄かな明かりに包まれて、色とりどりの魚達が泳いでいる

珊瑚礁に揺れる海草も小さな気泡を出し続け、その泡を天に向かう様に揺らめかせている



目の前に、自分のお付の社と、彼女の乳母が立っていた


自分の国・・・

自分の離宮の前に居た



「 蓮さま・・・」

社と乳母は頭を下げて


_____ お帰りなさいませ   ・・・と言ってくれた


「 キョーコさま・・・」

乳母は、頭を下げたまま


_____ ようこそ、いらっしゃいました・・・妃殿下



「 キョーコさま、貴方様は・・・今まで・・・」

そう言う乳母の言葉に、キョーコの頭を抱きしめて彼女の耳を塞いだ


「 その必要は無い・・自分から伝える 」


出過ぎた真似を、年寄りの戯言と思ってくださいまし・・・と、返す乳母に

いつもと同じ様に微笑みを向けた



指を絡めていた手を繋いだまま、二人並んで目と鼻の先の離宮に向った

横に並んで・・・楚々と泳いでくれる彼女
その後ろに社が付いて、今までと違う並びの中、心に思う・・・

・・・この時を待っていたと

今まで何も言ってくれなかったキョーコ
振り返って乳母に尋ねた事、それは自分も感じていた違和感だった


「 あの・・・カナエは?・・・」

乳母は、ふふっと笑いながら社と顔を見合わせていた


「 カナエさまは先ほどお先に、お現われに成られ・・・
  王子様と手を取り合って、もうそちらのお国に行かれました 」

  キョーコさま、蓮さま・・・

  お二人と同じ様に・・・

「 カナエさまは私ども御付をその後ろに、乳母様もそちらに行かれました 」



「 さぁ、どうぞ・・・」

社が先にすっと泳ぎ、門番と共に離宮の門を開いて


離宮の門が開いた先に

自分達の今までと同じ家臣たちがずらっと並んでいて、皆その頭を下げていた


_____ お帰りなさいませ、蓮さま・・・

   そして・・・

   ようこそいらっしゃいました・・・・キョーコ后妃殿下



「 我が国の姫君、これからは妃殿下として、どうかこの国を・・・」

覗き込んで見詰めた君の瞳の中に、この我が離宮が写っていて
自分が出かける前に見た・・・

君の瞳の中に写った自分、離宮を後ろに自分の国をその瞳に映してくれていた

同じ・・・

その今、君の瞳に写っている自分を見て、いつもと同じ様に微笑んでいた

握っていたままの君の手に、口付けをして・・・



_____  これからの、二人の新しい日々が

  ・・・どうか幸せであります様に



その手を唇からそっと離すと、いつもの朝と変らない優しい笑みを返してくれた

だから、一歩も動かない君を胸に抱き寄せて

一振り・・・すっと門を入ると・・・


手を繋いだまま二人で一緒に、離宮の庭を抜け回廊を抜けて

一緒に横に並んで、離宮の城の中に入って行った



CM: --
TB: --

A New Day - TWENTY ONE * 舞泳会で 

From far away beyond beautiful sea. . .


差し伸べられた二つの手に・・・

私の前に跪く様に腰を屈めた、二人の王子



私は・・・


   これから・・・




 ・・・さよならをする為に. . . _________





強く握られた大きな手


毎朝、私の髪を撫でて、自分の唇にそっと当てて

私の唇に優しく口付けを授けてくれて・・・

一日の幸せを必ず祈り、目を瞑る

祈ると必ず・・・優しい眼差しの微笑みを向け続けてくれていた . . . この・・・

大きな幸福に包み込んでくれる様な、その大きく包み込んでくれる手



私は・・・


目の前に跪いてくれている王子様方と・・・

この手を離して、行かなければならないのか

と・・・


・・・心の中で・・・ひっそり涙を流していた


自分を見つめてくれる二人の王子様は、とてもお優しく・・・

私が乗せた手を、そっと下から握ってくれている



自分から離した大きな手の温もりが残ったまま、両手に添えられた二つの手

この二人の王子様とは、これから・・・

私を望んでくれるので在らば、どちらかに嫁いで行き
今までの様に、大きな幸せに包み込込んでくれる方を選びたいと思う . . .



さようなら・・・


   大好きな、蓮



目を瞑って二つの手に引かれるまま、歩を進め

軽やかに流れる音楽の中に、早く・・・溶け込んで・・・

自分の心を、早く・・・隠したいと思っていた



「 キョーコ姫・・・ですね?・・・」


二人の王子が揃ってお声を掛けてくれるその自分の名前に、ただ頷いて
顔を上げると同時に、精一杯の微笑みの中に目を開けた


二人ともが私に向けてくれる眼差しは、お優しくて・・・微笑みなさる その瞳の奥に
見える・・・

二つの国の光景


黒い漆黒の艶の中に、小さな瞬きがたくさん輝く・・・

秀人王子の瞳

明るく輝き続け、ふわっと柔らかな雰囲気に包まれた・・・

尚王子の瞳


この二人の瞳で、彼らの統治する国の全貌が映し出されている様に見えた


自分を求める、王子様

自分を必要としてくれている国が或るので在らば、私は・・・

精一杯の微笑みを、どちらかの国民に向けて仕えますと、思っていた



「 どうか・・・」

その言葉と共に二人は手を離し、もう一度私の前に跪いて両手を胸に当てている

両手ごと差し伸べられた二人の手に戸惑って、自分の両手を握っていた



「 直ぐに、選ばなければ成りませぬか・・・まずは・・・」

私達人魚、魚達は・・・求婚の為に踊り、気に入った踊りの相手を対に選ぶのだと
そのダンスをして頂けてから、選ぶのだと思っている

「 違いますか・・・王子様 」



「 左様でございます、姫君・・・」


その言葉に安心して、胸の前に握り締めていた自分の両手を緩めて口元に当てた


その時自分の視線の先に写る・・・

たくさんの姫君に囲まれた蓮の姿を見ていた


蓮は・・・

たくさんの姫君の中にその姿を隠されていて、背の高い彼の肩から上しか見えなかった


でも、何か・・・・・


一度瞬きをして、蓮を見た


霞の靄の中に包まれて消えそうな、蓮の姿

それは、もしかしたら・・・自分の涙の溜まった目のせいなのかもしれないと思う

そして、蓮はお優しい微笑みを姫君達に向けて、自分の視線とは合わないでいた



______  蓮、さようなら ・・・


彼の微笑みは、彼が国民に与える笑顔を思い出させ

その微笑を、これからも・・・

国民の為に与え続けなければならない義務を背負っている王子

彼が一国を担う立場であると思えて、そのお国を背負う心も私は子供の頃から知っている

彼の心の拠り所となる お后様をお傍に、これから・・・

彼は今 此処に、姫君達に向けている微笑みを、国民達に向け続けてその生涯を過ごすのだと

だからその彼の姿を見たこの今・・・

私は、この二人の王子様が同じ立場の者であると同時に思えて

私を必要としてくれているので在らば、私は王子様の為に微笑みを、その心に溶け込ませて上げられる方と・・・

・・・そう思えていた



______ 蓮、ありがとう・・ございました・・・・



口元に重ね合わせていた両手の中にキスを隠して・・・


大きく息を吸い込み・・・


両手を差し出して・・・




お二人のお顔を、そのお国の見える瞳を交互にゆっくりと見詰めた




回りではもう、踊られている方々もいる

一人の王子に手を取られたままに、そのダンスの輪の中に入って行った

並んだ様に踊り、もう一人の王子とも手を出されれば交代し、また変り・・・

気が付くと二人の王子の他にも、自分の手を取る王子様がいた

その様方達の、お顔を見るのは・・・

手を差し伸べられて乗せ、私の手を握られたお方だけだった



それぞれの王子様方

それぞれのお国を、その瞳に映されていると私は心より感じて・・・

微笑みながら見詰める瞳に写る自分が、その国に合うのかどうかと不安になって

自分の笑みが消えても、それでも・・・

手を握ってくれたお方の下(もと)に仕えたいと思っていた



そして・・・


俯いたまま、次に差し伸べられた手に手を乗せて・・・

強くぎゅっと握られたから、顔を向けた






「 蓮・・・」




瞬きをしていたら、腰に腕を回されて・・・


「 さぁ、いい・・・? 」

その言葉と共に、自分に向けてくれた大きな優しい微笑み

その微笑みは、先ほど姫君達に向けていた・・・国民に与える眼差しではないと

自分にだけいつも向けてくれる優しい微笑みで

それに・・・

蓮の瞳の中に写る自分が、自分が今まで住んだ離宮の海を思い返して

彼の瞳に映る自分は・・・それでも、不安げで・・・


「 どうして・・・ダンスは、求婚の為では・・・」

蓮に促されるまま踊り、彼が何を考えているか分からなかったけれど・・・

自分の心が素直に、嬉しい・・・と、・・言っている


「 うん、そうだね・・・

   ・・・求婚・・

      ・・・かな?・・・」


そう言って握られままの手を蓮は自分の胸に引き寄せて、私の腰に回していた腕が
背中をそっと登ってきて、彼の胸の中に抱き寄せられた

私は蓮の肩に置いていた手を彼の背中から腰に下げて、自分の身を彼の腕の中に委ねていた


「 ねぇ、キョーコ・・・あのね・・・」

何かを言い出そうとする蓮の言葉は、耳に入っているのに何も考えていなかった

ただ、目を見詰めていたら・・・

その蓮の瞳の中の自分が、霞んで見えなくなりそうで・・・

涙が溢れてしまって見えないのだと、瞬きをしたら・・・

胸に頭を抱き寄せられて、蓮の胸の中で涙を落とした


「 どうか、何もおっしゃらないで・・・」

ふっと、小さく笑う蓮の声に・・・うん、じゃぁ後で・・・と耳元で小さな声が聞こえて


「 はい・・・」

とだけ、彼の胸の中で言葉を返した. . .


蓮の胸の中に握られたままの二人の手が目の前にあって、自分の手を動かして涙を拭こうとしたら・・・

蓮の手が私の手を握ったまま、頬を撫でて涙を拭ってくれた


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A New Day - TWENTY * 舞泳会で 

From far away beyond beautiful sea. . .



舞泳会の会場となる その場所に出向いて・・・



________ そこは、初めて行った場所・・・


波の影響も、海流の影響も無く

浅くも無く、深くも無く・・・

光が届くかと言ったら、届かない

真っ暗かと言ったら、暗くない・・・

プランクトンや星の砂が降っているかといったら、何も降っていない

珊瑚礁に海草や藻が揺れているかといったら、何も無い・・・



無色透明の透き通った・・・

何も無い海の世界



ただ、一つ・・・

己たちの国の海と違うのは



人魚以外が入る事を許されない・・・と、いう事


他の魚や貝たちたくさんの種の生命が、それぞれの国民がいる己の国と違い

人魚しか生存できない、その海の場所は・・・


舞泳会と云う催しが行われている唯その時 意外は・・・

人魚であっても、その場所を見つけることは出来ない場所



招待を受けた人魚だけが、その場所を見つける事ができる ・・・と云う ________




「 さぁ・・・お手をどうぞ、姫君 」


左手を差し出すと、カナエが、右手を差し出すと、キョーコが・・・

それぞれが、自分の手に手を乗せて楚々とその場所へ行った


自分は、真っ直ぐ前を見ていた


カナエもキョーコも、その・・・
離宮から程近い所処にあったその場所を、今まで見つける事も無く

今日の今にだけ、そっと自分達の目の前に現れた空間に・・・

それぞれが、自分の目を疑っていた


誰も、何も言葉を発する事も無く・・・

ただその ぽっかりと浮いている様に現れた城に驚いていた


自分の国のはず・・・

その程近い場所

きっと、ここに集まる人魚達は、皆そう思うのだろう



その場所に近づきながら・・・

ふっと、他の国の王子や姫が突然目の前に現れて

そちらも自分たちが突然 目の前に現れたかの様に驚いている


でも、声を掛け合うでも無い

それぞれの人魚達は皆・・・

その場所に吸い込まれる様に、真っ直ぐにその場所だけを見詰めていた



_____ それでは・・・



突然、声が響く様に聞こえてきた

それぞれ、真っ直ぐ前を見ていたその光景

立ち止まると、また声が響いてきた



_____ この先、お付の者は此処へ・・・



キョーコの手の指が ぴくっと動いた時、また響いてきた声



_____ この場所が見える者だけ・・・



キョーコの左手をぎゅっと握り締めて

キョーコの右手が自分の手をぎゅっと握り返してきて


カナエと共に、3人で一緒に一振り・・・

前にすっとそれぞれ、自然と体が動いていた


振り返ると・・・

靄の中に、キョーコとカナエの乳母たちに社が、霞んでいた

彼らにはもしかして
この・・・目の前に広がる無色透明の海に浮かぶ城が見えていないのか・・・

余計な事を吹き込まない様に・・・
それぞれの家臣達は その靄の中に取り残されて、先には誰一人として進んで来なかった

それぞれの国の王子と姫だけが、その場所に真っ直ぐ向かう光景

一人ひとり、きっと・・・

この無色透明な何も無い此処と同じ様に、自分の心を透き通らせて感じたままに

対になる伴侶には、その心が透明に透き通って見え

そうでない者には、霞が掛かった様に その心が見えないと・・・


それは・・・

誰から教えられるでもなく、何処からか聞こえた訳でもなく、ただその様に

・・・自分の頭に勝手に浮かんだ



_____ よろしい・・・ では、その様に・・・

        さぁ・・・

          ・・・まばたきを・・・・ 





その声が聞こえると目の前に一瞬の靄、霞んだ自分の視界

自分の目を瞑った、ほんの一瞬の瞬きに・・・目の前に広がった違う光景

それは、突然の様に・・・

目に鮮やかに、色とりどりに溢れた華やかな世界が広がっていた


・・・耳に届く、軽やかな音色が何処からか流れている


言葉も無いまま、でも立ち止まるでもなく、自分たちはその中に泳ぎを進めていた

カナエはふっと一方向を見て、その音色に誘われ視線の先に惹きつけられる様に、すっと・・・ただ乗せていただけの手を離し、泳ぎを止める事無く離れていった


「 モー子さん・・・何処にいくの? 」

キョーコが追いかけ様とそちらに向いたけれど、繋いでいた手を離さなかった

二人の腕が伸びただけのこの距離に・・・

彼女の姿が全て見えていた



「 こんにちは・・・王子さま・・・」

「 こんにちは・・・お姫さま・・・」


そんな声が聞こえてきて二人で振り返ると、そこには、他の国の王子と姫が居る

けれど・・・


もう一度、自分の目をぱちくりと瞬きをしていた
何度・・・瞬きを繰り返しても、自分には全く同じ その光景だった


「 姫・・・・」

キョーコの前に現われた二人の王子・・・

その二人は、目を瞑り片手を胸に当てて、彼女に頭を下げている
自分が地上に行った時を思い返される

それは、足と云う二本のものを使って歩くという進み方
地上に広がる、空気と云う世界の中に息をして、重力と云う世界に足を付けて
浮かぶ事無い、流れる事無い・・・

ただ、自分の意志を持って・・・歩くと云う行為をしなければ成らない世界


その、世界の中に視察に訪れる自分


一歩、一歩・・・歩を進める

膝を曲げて足を前に出して、それでも立ち止まると膝を曲げて、下に座ったりもできる
ゆっくりと自分の周りを見ながら、歩を進める事もできる
急いで前だけを見詰めて、障害物に気をとられながら、走り出す事もできる

その時、自分の心の場所は・・・

ドキドキと早鐘を鳴らす様に、大きな波のうねりが全身に行き渡るかの様に
自分の命と成るその血を全身に廻らせて

そして、また・・・心の場所に帰ってくると感じた




その時の様に




彼女の目の前に・・・

膝を折って、跪いている様な高さの二人の王子


「 お手をどうぞ・・・」

目を開けて彼女を見詰める二人の王子は、手を差し伸べて
彼女が手を伸ばしてくれるのを待っている


でも自分にはその光景が・・・

どう云う事なのか分からずに、もう一度 瞬きをしたら
目を瞑った瞬間に、彼女の手が・・・すっと抜け、二人の王子にそれぞれの手を乗せて
彼女達は、自分の傍から離れて行った


「 蓮王子さま・・・どうか・・・」

自分の周りにいつの間にか、たくさんの・・・その女の人・・魚・・・・

・・・なのか分からない、光景に・・・

ずっと自分の見えているものに理解できないでいた



たくさんの手が腕が、自分の周りを囲むように差し伸べられて

自分の手から離れて行った、キョーコの手の温もりを残したまま、自分の手を握りしめた



彼女が二人の王子と、自分の元を離れた姿を・・・

見詰めていた、その三人の人・・魚・・・・



・・・人魚?・・なのか・・・・・



自分の目に写ったこの光景は、下半分が靄の中に隠れていて
自分には見える此処にいる全ての人・・魚・・・が、地上に訪れる時の姿の様に
その靄の中に消えた魚の部分

上半身だけがそのままの、下半分が靄の中に消えている それは・・・

足を使って歩を進めている様に想像させられる・・・人の姿


キョーコの手を取っている、二人の王子

星の国の、秀人王子
光の国の、尚王子

彼らは、靄の中にその姿を隠して、人の様に進んでいる

でも・・・

自分には・・・



その間に挟まれて佇むキョーコだけ・・・




朝見たままの、耀きをそのままに・・・

全ての姿が見える、人魚のままだった. . .___________





自分の周りの姫たちも

・・・靄の中に浮かぶ. . . ・・・様に・・・・



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