mimi's world * HOPE and DESIRE

_______ BE-lie-VE * be-LIE ve * believe...the SHAMs for heart healing * mimi's world-7 _______

To be my Grace - XXV * One More LOVE . II 






エジプトに着いたら、アレキサンドリアの海を見るのはもちろん。

そして、撮影シーンにはあったけれど、映画プレビューで使われなかった、場面。

ナイルの河を登り、起源の変わる数百年前の彼らにとっても2000年前という時が経った遺跡である、ギザのピラミッドを見に行くという、クレオパトラとシーザーの新婚旅行。


「 それしたい。 」
「 それしたい。 」


との意見は、声が揃うほど二人の中で決まっていた。



社長が用意してくれたのは、豪華エジプト旅行。

その内容に、なんですか?と尋ねつつ、こんな事を社長に相談すると・・・


_____ お~~!いいぞ。手配してやる。


・・・と、直ぐに乗り気で何やら考え出した社長。


飛行機の中の個室。ベッドの上でグッスリ寝ている子供を間に挟んでキョーコと並んで座っていた。


「 ね、キョーコ。そういえばナイル川の撮影あったじゃん? 」

「 あ~、あれですね。私何度かしましたよ・・・どれ? 」


なにがしか、キョーコがいきなり Dear.敦賀さんへ。の敬語モドキに成っていた。
きっと自分が、耳抜き課題。と言ったあの時の自分の顔が、先輩風味だったに違いないと思っていた。


( それじゃぁ、久しぶりにそのまま・・・)

なんとなくそのままで居たくなって、そのまま言葉を続けていた。


「 そうだな、最上さんは琴南さんと逃げるシーンとかもあったからか・・・」


自分のその言葉にふっと我に返ったのか、俺が2人の間で、ぐ~ぴ~・・・と寝息を立てている淡いピンク色のスべスベほっぺを撫でながら言ったからなのか


「 私もう、最上じゃないんだよね。 」


その言葉に微笑んで・・・

間に寝ている子供の頭をそっと撫で、キョーコに無言で唇を重ねた。







「 夫です。 」






唇を離して掛けた言葉に、もう一度唇をそっと重ねられて、2人で目を瞑ったまま静かに間の子供の頭と頬を撫で、お互いの唇から伝わる心の感情を感じていた。



どのぐらいそうしたままでいたのか、自分でも分からない


けれど何もする事の無いこの時間が、忙しい毎日には感じること無かったこの時間が、今の自分に今の彼女に心優しい時間となっていた。

子供が生まれてから帰宅してももっと忙しくなって、自分が育てられたようにベビーシッターを頼んでも、夜の2人の時間を過ごすのに自分が育ったLAの家と違うマンションの広さでは、他の人に居て欲しくなくて夜は家族だけの時間だった。


そう・・・家族・・・


家族だけの時間は2人だけだった時と違って、パパとしてママとして自分の都合で時間が作れなくなった事。

でもそれがとても幸せだと、毎日家でも忙しくなったのにも感じていた。




家族として1人増える瞬間の話___________


キョーコに言われたのは、カインドーのCMの話だった。

しかもテレビを偶々見ていた時、大きくなったお腹を撫でながら2人で、じーーっと凝視して見入ってしまった・・・
これも偶々流れた、自分のCM。




_____ きっとそれは、自分の中にある・・・

I SEE. . . TREES OF GREEN RED ROSES TOO
I SEETHEM BLOOM FOR ME AND YOU


キンコーン・・・

コツ・・・コツ・・・コツ・・コツ・コツ コツコツ


_____ AND THINK TO MYSELF. . .

WHAT A WONDERFUL WORLD. . . 


『 はぁ、はぁ・・・ふぅ・・・』 __________





「 ねぇ、久遠・・・」

「 キョーコ。どうした?・・・ 」


2人の会話はそこで止まっていて、そのまま見続けていた30秒の世界。

黒崎監督が撮ったこのCMは、自分にとってこの時は全く何にも予想もすることも無ければ、彼女とは肌を重ねる関係だったけれど、こんな瞬間を想像もする事が無いで居た。




_____ Are also on the face of people . . . . . . and sayin’

・・・・・ HOW DO YOU DO _____________


『 I LOVE YOU ・・・』

『 初めまして・・・』


_____ この大切な、初めましての瞬間が深く、胸を焦がす、今・・・






「 もしかして、出産の時・・・」

「 ん・・・どうして欲しい?
 このCMの様に、バラをたくさん持って駆けつけようか?」

「 ん、まぁ、似合ってるけどさ・・・」


彼女が返したこの言葉は、産声が聞こえるまで外で待っていたいか?という質問だと思っていた。


「 キョーコがどうして欲しいか? 言って欲しい。
 そうだよね・・・
 その希望を、叶えてあげられるなら聞いてあげたいけど・・・」


自分のその言葉には、仕事で忙しい俺が出産に立ち会う時間が取れるかという事は不可能だと思っていて、駆けつける事は急用とさえ言えば、どんな仕事をほったらかしにしても2時間ぐらいなら抜けてくると思って掛けた言葉。

キョーコの頭を撫で、その頭を引き寄せて抱きしめていた自分。



でも出産には・・・


・・・・・立ち会えた。




この直後、急に『お腹があれ?あぁ~~痛いかも・・・。』と言い出したキョーコ。
真夜中ももう直ぐの仕事が終わってご飯の片付けもしてテレビを見ていた時だったから、じゅ~ぶん朝まで時間がタップリあった。

しかも、次の日はそんなに早くない10時集合。


真夜中に病院に電話して今から行く旨をつたえる事も、ドキドキ何だか訳の分からぬまま、何を言っていたのかさえもよく覚えていない言葉を言っていたと思う。


キョーコを抱き上げて、用意していた入院用のバック何処だ何処だ?とウロウロもし・・・
自分の抱きかかえた腕の中で、少し弱まった陣痛に・・・

『ちょっと待って。』と言われて、『どうした?』と聞きつつウロウロしていた。

『シャワー浴びてから行きたい。』と言う彼女に、えっ!と驚きもし、出産後は確かに直ぐシャワーにも入れない事は知っていたけど、『じゃあ早く。』とバスルームに直行し、『洗ってあげようか?』と言えば、『1人でできます。』と言われて、バスルームの前で自分は着替えるのも忘れじーーっと5分ぐらい立っていた。


( あっ!着替え!)

急にキョーコの着替えが必要だと思い立ち、どーしよ、どーしよ。と廊下をウロウロしていると、バスルームから彼女が出てきて、『久遠抱っこ。』と腕を伸ばされて・・・


キョーコは自分できちんと用意していた服に着替え、しっかり入院用のバックも整えていて、急いで玄関を出る時には・・・


『 携帯と免許証。ちゃんと持ってる? 』


と、自分の事を確認され、持ってない・・・。とくるっと踵を返していると、顔をじーっと見られていて・・・


『 コンタクト、忘れないように。それとせめてサングラスと帽子。 』


その言葉にも、はっ!とそうだった翠のままだ。と思い出しベッドにキョーコを下ろしてからは、どうやってコンタクトを入れたのかすら覚えていないほどで、言われたままにサングラスと携帯と免許の入った財布をキャップの中に放り込みキョーコに持たせ、彼女を抱っこして飛び出していた。


車の中でも、『安全運転よろしく。』と言われて、『はいっっ!』と返事をしていた。

キョーコが膝に置いたままの俺の帽子の中から、波のある陣痛が治まりかけた頃 携帯を取り上げて、『明日何時に仕事?アラーム掛けておくから。』とにも言われたままに、『10時入り。』とただの仕事スケジュールを言うだけで、何時に社さんが来るかとも言えてなかった。

『じゃぁ、9時ね。ちょっと電話このまま使っていい?』と聞かれても、『どうぞ。』と答えただけの俺。信号がもどかしくてどうしようと赤で待っていても、『大丈夫。きちんと止まりなさい。』とジワジワ出つつあった俺に言って、『もしもし社さん、私京子です。今から蓮に・・・』と、しっかり場所と明日の迎えをそちらにお願いします。と伝え俺のスケジュール確認もしていた。


それから、携帯の時間を確かめいて・・・


病院に着いた時、用意された車椅子が見えていたから、そちらに向かい車を停めた。
ちょっと待ってと言われて自分が降り様とドアを開ける前、キョーコが手にしていた携帯。


『 Hello May I speak with Mr. Hizuri ? 』

_____Yes, Speaking…


『 もしもし先生、朝早くすみません・・・』

_____キョーコか?



話し出したキョーコが言っていた・・・



『 父さん・・・俺。パパになるから。 』


電話越しのクーの声が聞こえてきて・・・


_____ ・・そうか。クオン・・・

    がんばれるよな。無限の可能性を持ってるもんな。


『 はい。
・・いまキョーコに代わるからね。 』



キョーコはそのまま続けていた。


『 今息子さんとお話しした通り、
 今から貴方の息子さんがお父さんに成ります。

 どうぞ宜しくお願いします。

 これから先生を・・・
 おじいちゃんと呼ばせてもいいのでしょうか? 』



そのままクーの返答も待たずに、ハイ。と携帯と帽子とサングラスを手渡され、
がちゃっと自分でドアを開け、『すみません。』と車椅子をもって駆け寄ってきてくれる看護婦さん達に手を伸ばしていた。

看護婦さんに、閉めますよ~。と車のドアを閉められる前には・・・


『 電話終わったら、きちんと車停めて来てね。 』


自分に言い残して看護婦さん達と先に院内に入って行った。

ドアが閉められて、電話の向こうから・・・


_____ キョーコ、キョーコ、もしもし・・・


クーの声が聞こえていて



『 ・・・もしもし  It’s me  ・・・

I should say hi to Dad, now instead. . .

I’d ‘ve to sayin’ “ HOW DO YOU DO “ to be Gran Pa. 』



_____ 久遠・・・キョーコは・・・


『 先に・・・』


_____ そっか。院内で電話できないから先に掛けて寄こしたんだな。

    じゃぁ、行け。いいから早く・・・・

おめでとうは、まだ後だ。だからまた電話しろ。いいな。


『 Alright Sweet . . . 』



________ ツー・ツー・ツー・ツー・・・・



切れた電話をポイっと助手席に置いて、駐車場に停めてからも・・・

帽子もサングラスも手に持ったまま急いで走って行って・・・

病室を教えられながら帽子とサングラスをして行くと、う~ん。と唸っているキョーコから、『バッグと携帯持ってきた?』の手ぶらの俺を見て・・・『無いです。』で、また戻った。

助手席に・・・とかって、もたもたして戻ると、病室には先生が居て・・・


『 早いですよ。もう行きますか? 』


との言葉に、えっ!と成ったまま、無痛は・・・と自分が言いかけそうでも、
『どうします?立ち会って欲しいですか?』とキョーコの方に声を掛けていた。


『 ふー・ふー・・どちらでも。 』


痛いのだろうけれど微笑みながら俺を見ていて、彼女の言葉に皆が俺に注目し始めて・・・


『 はい・・・』


そう答えたら、『じゃぁ行きましょうか。』と看護婦さん達に囲まれて、『何度か練習したこと覚えてますか?』との言葉にも、普段は台詞も立ち回りも演出も全て直ぐに覚えているから大丈夫。なんて落ち着いて仕事ができるにもかかわらず、『えっと~・・・』と急に今まで撮影でもファッションショーでも緊張なんてしたこと無いのに、ドキドキしていた。

急いで部屋を出てから、手に持ったままだった携帯に看護婦さんが気付いて・・・


『 急いで戻ります。 』


そういや、鞄も肩に掛けてた。と思いながらも、ベッドじゃないとこ~・・・と必要以上にキョロキョロしつつ、どこでもいいのか分からずに病室の中を鞄を担いだままウロウロしていて、やっと椅子の上に置いても、ここでいいのか?と頭を捻って、意味も無く隣の椅子に置き直したりした。

そんなこんなで産室の横の準備部屋に戻ってくると、『はいじゃぁ、これとこれと着て、それで髪は全部被せて入れる様に・・・そうしたらきちんと手を洗いに行きますよ。いいですね。』と・・・

きっといつも、まごまごウロウロどぎまぎギクシャクじたばたしている夫達に慣れていると思われる看護婦さん達。


うろうろしない。ジタバタしない。急ぎなさい。と怒られつつ・・・
背が高くて頭に被せられないから、自分で被りなさい。とお年の召した婦長にも怒られ・・・
貴方が産むのではないのだからジタバタしない。とまた怒られつつ・・・
社長が指定し秘密厳守の出産チームだったから、誰もが俺の事には・・・

・・・ただのまごついた、出産前のドキドキしている旦那。

だったに違いないと思う。




『 も~、敦賀さん。 』


落ち着かせる為なのか、ゆっくりと話される婦長の呼びかけに、はい?と答えると・・・


『 CMみたいなの、想像していましたよ。 』


そうニッコリ微笑まれて言われて、確かに自分もそのつもり・・・なんて言い返す暇も無ければ心に余裕も無かった。

手をゴシゴシと手術前のドクター役の様に婦長に洗われて、そーだった。そーだった。なんて思い出しつつも、『オペじゃないから手袋は被せません。』と婦長の前に両手を差し出した俺に言う。

んだな。と思う暇も無く・・・


『 もうすごく早くて、ご自分でがんばってますから。 』


との言付けを伝えにきた看護婦さんに、ここで待て。と言われて・・・

婦長もさっと消えていった。



えっ!



なんて思っているだけで、じーっと立ちぼうけのまま・・・

どうかキョーコも赤ちゃんも無事で居て。と突然膝を突いて神に祈ってみたり、部屋の中を行ったり来たりウロウロしたり、ドキドキしすぎて息を切らしていたり、ドアの前に仁王立ちに成ってみても勝手に入るなと怒られそうで居ても立ってもいられなくて・・・


とにかく・・・


( 落ち着け~~~、自分。)

そう自分に言い聞かせていた。ウロウロウロウロ部屋を行ったり来たりしながら
ちょ~ど、一番産室から離れた部屋の隅のところで壁に頭をゴンゴンつけていたら・・・


『 生まれましたよ。 』


との言葉に振り返り・・・

( 産声がドア越しに聞こえなかった・・・・。)

とは、自分が想像して演じたCMと、全く違っていた。


『抱っこしたいですか?』との言葉にも、『はい』と腕を組んだまま答えたら、『じゃぁ、また手を洗い直し。』と婦長が寄って来て、ゴシゴシされた後に今度は・・・


『 手を出してください。 』


婦長が微笑みながら手袋を用意していて・・・されるがままに手袋を今度はされて・・・執刀医の様に両手を上に向けて入っていった。

ガーと開いたドアのところで・・・


『 おめでとうございます。 』

そう言ってくれる看護婦さん達も、産科の先生達の言葉も聞こえていても何も返せなくて・・・

自分はキョーコをずっと見ていて・・・




“ ありがとう ”

も・・・


“ 初めまして ” 

も・・・



何も言葉を言えなくて・・・



ただ・・・

もう綺麗に包まれた子供が、キョーコの胸の上で泣いているのを見ただけで・・・

自分も自然に涙が溢れて・・・



『 おめでとうございます。パパ・・・』


とびきりの笑顔でキョーコが言って・・・

両手に乗るぐらいの小さな我が子を渡されて・・・

自分の涙がボロボロ赤ちゃんに落ちない様にだけ気遣って・・・

目を瞑ったらもっと涙が落ちるから、上を向いて子供を胸に抱きしめた。



『 さぁ、敦賀さん。ママはお疲れですよ。 』


婦長のその言葉に、はっと気付くまで、どのぐらい経っていたのかも分からずに居た。
赤ちゃんをそっと自分の手の中から取り上げられてからは・・・

ただキョーコがゴロゴロ押されている移動用の簡易ベッドの脇で、キョーコの手を握って居ただけだった。

涙がとにかく溢れてくるから、彼女の手を握ったまま自分の頬を拭ったら・・・

キョーコに・・・



『 ありがとう。 』



・・・って・・・言われて・・・

自分の頬をキョーコが拭ってくれながら・・・



『 そんなに喜んでもらえて、ありがとう。 』



・・・って・・・・その言葉にまた涙が・・・

自分でも分からないまま溢れていた ____________. . .




To be my Grace - One More LOVE. III
CM: --
TB: --
mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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