mimi's world * HOPE and DESIRE

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To be my Grace - OTHER WORLD. VI 

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コン、コン・・・



_____ はいどうぞ・・・



中から監督の声を聞いて、二人で顔を見合わせた。

いい?と微笑んで、彼女が頷いたのを確認してからドアを開けた。


「 おはようございます。 」


二人で挨拶をしてから、いつもは言える・・・言葉に詰まってしまった。


「 おはよう。敦賀君、京子さん。 今日も宜しくね。 」


監督に言われて、はい。とも、宜しくお願いしますとも・・・言えなかった。

どうしました?と聞かれ、あの・・・と、話し出した彼女の頭をポンポンと撫でてから、自分だけ監督の前に歩いて行き、頭を下げた。


「 申し訳ありません。京子は・・・
  ・・・引退を考えています。 」


なので・・・と話し出した自分の言葉を遮る様に、どうして、突然?と言葉が返ってきたので頭を上げ、実は・・・と言いながら振り返った。


「 敦賀君、京子さん。・・・もしかして、お二人。
  お付き合いしていますか? 」


二人揃って、素直に、ハイと頷いた。


「 やっぱりそうですよね。なんとなくそうかな?と思いましたよ。
  それで、京子さんは・・・
  ・・・いえ、お二人に・・・赤ちゃんでも出来たんでしょうか? 」


「 無責任な事をしたと思っています。 」





そう・・・

・・・彼女は妊娠していた。






「 やっぱりそうですか・・・。」


そう言ったまま近衛監督は背を向けて、タブレット画面を見詰めていた。何枚か画面をスライドしながら口を開いた。


「 敦賀君。京子さん。あなた方・・・
 ・・・台本、読みましたよね?」


秘密厳守の丸秘である台本を読んでしまったのだから、どう処置しようか考えていると思っていた。
はい。と2人で返事をした後、彼女はそのまま続けて監督に言った。


「 お返しするだけでは・・・
 それに私は口外しませんとお約・・束・・・」


「 じゃぁ、いいじゃないですか。 」


言葉を遮る様に監督が被せて言った時、監督はこちらに振り返って微笑んだ。



「 だって、台本読まれたのでしょう? 
 だったら続けて問題ありませんよ。 」


京子さん、これ・・・

そう言って差し出したタブレット画面は、この映画のCG画像案だった。



「 敦賀君、京子さん。この映画・・・PTOLEMY CONSOLE
 プトレミー・コンソール もう、どんな映画なのか分ってますよね。 」


はい、歴史も読んでいます。と二人で言い出した事・・・

プトレマイオス朝末期の物語。この映画は、戦いの神と呼ばれたローマ皇帝、ジュリアス・シーザーとアレキサンドリア・エジプト最後のプトレマイオス朝・・・クレオパトラ7世の恋物語。

近親結婚を続けてその血を濃く守ってきたプトレマイオス朝。
それを嫌うクレオパトラが初めて恋に落ちた人・・・ローマ皇帝のシーザー。

この二人が国の境無く、恋に落ちて・・・

アレキサンドリア滞在中のシーザーとクレオパトラ間に、シーザリオンと云う息子が出来て
シーザーにとって初めての世継ぎになる。


近衛監督が見せてくれた映像は・・・


アレキサンドリアの海の神殿や、エジプトのギザへ新婚旅行に向かうナイルの光景や、
クレオパトラが追っ手から逃げるサハラ砂漠のその影像

ロケではなく・・・


全てCG 近未来の建物の様に、遺跡建造物を抽象的に変えて・・・


床の無い・・・


全てが、降る様な満天の星月夜の空に浮いている画像だった。




「 Console 癒し・・・プトレマイオスを癒すという意味で付けました。

 七夕の織姫と彦星の様に、永遠の愛がその場に残る伝説のようなイメージです。

 ナイルは天の河のイメージですね。

 永遠に二人の愛がその場に、起源前330年からのプトレマイオス朝1世から12世の後、
 三女クレオパトラ7世だけが、アレキサンドリアを守ろうとした・・・ローマの力を借りて。

 この僕の設定、2330年その未来になっても・・・
 この土地に溢れる富には、二人の愛が残っていると表したいのですよ。いいですか・・・」



近衛監督がすりゃっとスライドした映像は、クレオパトラ7世

シーザーの子を宿した時の姿。


「 そう、お腹だけね。こうやって・・・」


人差し指で、クレオパトラのお腹を伸ばしたり へこませたりさせながら・・・
京子さんを撮影後に段々と処理して行く筈の・・・妊娠された姿です。と言い、画面を変えて衣装デザインを見せてくれた。


「 では、このCG案。そして・・・
 京子さんの衣装デザインを、変えましょうか。 」


 じゃぁ、それで・・・いいですね? それでは、京子さんのお腹が大きく成る前に
 撮影したいシーンを先に、シーザリオンが誕生した後なども、撮りましょう。
 それと、CMも、放送はまだまだ映画公開前ですけれどね・・・今、撮って置きましょうか。

 ならば・・・ブルータス役の貴島秀人さんと、シーザリオン役の上杉飛鷹君にも・・・
 スケジュールの確認を、先に撮りますと言わなくては成らないのでね・・・ふふっ・・・・

 では敦賀君。・・・京子さんをサポート。共演者としてもですね。 

 それで・・・ スケジュールは、早めますが・・・



微笑みながら早口でスケジュール変更を言ってくれている監督が、パンと俺の腕を叩いて敦賀君も京子さんもおめでとう。そう言われて画面を横で見ていた彼女の手を握った。


「 で、ご結婚は・・・・」


言いかけた監督の言葉を遮った。


「 結婚は、まだ・・・できませんので・・・」


そう言葉を遮りながら彼女を繋いでいる手を、指を絡めて握り直した時、監督が言葉をさらに被せる様に言って来た。


「 いえ・・・
 お二人がご結婚発表をされるのであれば
  ・・・こちらには条件があります。 」


その条件は・・・

監督が話し始めた条件を俯いて聞いていたけれど、そのまま顔に笑みが浮かんできて、感謝の心を一杯に感じていた。

監督から、サッ、がんばりましょう。それでいいですね。と温かい言葉を受け、肩にポンと手を乗せられた。


「 あぁ、付けたし。京子さん・・・」


はい?っと俯いていた京子が顔を上げたら、監督は厳しい顔で言った。


「 京子さんのこの映画での演技に期待しています。
 期待に答えてくれる演技、頼みますよ。

 それで・・・
 もし自分が気に居る演技が出来るようなら、

 僕はこれからも、貴方をリクエストしますから。 」


だから、辞める必要ないです。さっ、がんばってください。と、監督は優しい笑みで手を差し伸べた。

彼女が握手を躊躇うと、監督の方から彼女の手をとり自分で握手をし、その手の上にもう片方の手を重ねて両手で握手した。







_________  それで・・・今日はそのCM撮影の日だった。




「 ごめんね・・・プロポーズの方が、後に成って・・・ 」


社長の承諾を得てからでないと、ダメだった~。とは・・・はっきり言って言い辛い。
社長に言いに行く気に成ったのも、監督が京子をそのまま使うと言ってくれた事が、自分の背中を押してくれた。

それに監督が出してきた条件も、社長に伝えて・・・

すっきりしたまま、さて! それじゃぁ・・・これから・・・
パキッ、パキッと両手を鳴らし、エレベーターのボタンを押して、ウキウキドキドキもしながら、彼女にどうやってプロポーズしようかと、Love letterの CMなんかを思い出しつつ考えながら降りてきたところだった。


( もぉ~・・・どうして社さん言っちゃったんだ~ぁ~~)

そんな風に、駄々をこねてバタバタしたかったけれど・・・


まぁいい。これから、きちんとプロポーズはしようと気を取り直し

結婚は先に・・・成ってしまうけれど・・・

婚約だったら、それまでには出来るとも思う。


それにもう・・・


_____ そうだね・・・


・・・って、俺と結婚する事への返事は貰ったから ____________




彼女の左手に自分の左手を重ねてぎゅっと握ると・・・


「 ありがとう 」


・・・って返ってきて、もうそれだけで・・・幸せだった。



なんで今日、絶対社長に言うぞ!と意気込んだのにも、訳が合った。

きっと、久々に会う・・・貴島がうるさいだろうから。

近衛監督が見せてくれた京子のクレオパトラのイメージ・・・


京子の選材写真として事務所のタレントプロフィールにも載せている
Dark Moon の打ち上げパーティの写真。

それに・・・新開監督が記念に撮ってくれた、Rindohの蝶子。



この二つ。黒髪で・・・こんな風な~・・・と、監督がイメージ画像を出してきたメイク後の京子は、合成大好きな監督が創った、その正に二つのイメージをくっつけた・・・

オリエンタルな女神様

それで輝く王妃様、そのものだったから。



貴島が変えた様な京子に、毎回会わせるのは、嫌だった。

その前にきちんと、俺の彼女。いや、婚約者。と言える様にしておきたかった。



そして、普段着はコレ。



・・・全くの色気なしの服装。


それに、まだまだ、全くへこんだままのお腹なのは分っていたけれど・・・

締め付けないで欲しいと思ったのと、薄着で風邪を引かないで欲しいのと
そんな事をいろいろ考えたら・・・

ラブミー・ツナギって、妊婦服にぴったり!

って思いついた。それに、事務所に居る分には、ヘタな違うツナギやら、ずどっとした服を着させたら・・・

あれ?ピンクじゃないの?と、逆に事務所内では聞かれるんじゃないかと思っていた。


家に居る分には自分の服でもいいけれど、外に出かけたら明らさまにバレバレだよなと・・・。


「 ん~、なんか他に無いの? 」


・・・と、彼女の部屋で聞いても、あるわけ無い、思いっきり妊婦服前の妊婦が着る服。
買いに行く様な暇も無い。


「 ジャージとかは? 」


そう聞くと、あるのは・・LME養成所マーク入りのジャージだった。


とりあえず着れそうなのは、両方ともプロダクションの名前入り。
まぁ、京子を辞めなくてもいいし、LME所属だからいいだろうと、意外に業界に居て誤魔化せるのはそんなものの方がいいんじゃないかと思った。


「 んじゃ、色気無いけど・・・ジャージとツナギに決定ね。 」


ええ~~~・・・って項垂れたけど、う~ん仕方ない。とも言っている。
キャストやスタッフにそれとなく伝えるまでだよ。と納得させた。


「 う~~~ん・・・わかったぁ~~」


・・・ったぁ~~っで、大きなあくびをしながら両腕を上に伸び上げていた。
ネムネムモードに入る彼女を見ると、このお腹には・・・

本当に俺の子が居るんだな・・・と実感することが増えて来ていた。



___________ ブーン・ブーン・・・


ポケットの中で携帯が震え取り出してみたら、社さん。


なんとも、ピッタリ10分だった。


はい、もしもしと話し出したら、セバスチャンが送ってくれると云う事で、セバスチャンが送ってくれるって。と伝えると、ブンブンっと頭を横に振っている。



「 大丈夫じゃ・・・ない? 多分・・・」


また、多分~なのぉ・・・っと言っている。

それには、まぁな、とも思うけれど、きっと今の彼女には・・・


「 大丈夫、死ぬ時は一緒だし。 」


そっ、落ちたら一緒だからね~、今度は~。とは、一緒に死んでもいいよ との自分の本心からの言葉。
肩を抱いて頭にちゅっとしたら、頬を寄せて思う。


大好きって・・・




「 それにさ、地上より、空の方が気分が悪く成らないと思うよ。 」


と、これから撮影映画のCMが、ブルーバックだけれど、イメージさせたい・・・



天に浮かぶイメージ



その演技の為にはいいかと、思っていた。





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To be my Grace - OTHER WORLD. VII
CM: --
TB: --
mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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