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Myth. BLUE BELL - IN THE PRACTICE for Act.9 








In the Practice for Act. 9



IN THE PRACTICE for Act.9 Moon Night color falling leaves continued from ...Myth. BLUE BELL - Act.8 Back Stage.Red falling leaves ©™From far away beyond beautiful sea.








気軽な服装に、2人っきり・・・・



( いや、社さんは居るけど・・・)


村雨との夕焼けの撮影がサクッと終わり、最上さんと2人、撮影隊待ちに成った。
鈴音の撮影は、月の出間近のリハーサルから。

貴島くんとの撮影は纏めての為、村雨待ちと言ったほうがいいかもしれない。

暗くなるまで戻らない事を知っているシナリオの中身。
赤い情景を撮りたいのだから、急いでスタコラ去って行った撮影隊に監督に村雨。
工房のあんちゃん役のエキストラの皆さんも、長い休憩時間に思い思い散らばって行った。

2人ともが、上から見たいね。と誰も居ない灯台に向かって歩いていた。


「 今なら、階段も上れますよ~。 」


ウキウキしている最上さんに、おいで。と手を差し出すと手を繋いでくれるのは、お昼の時に躊躇ったのと違う。
こちらもウキウキして、手を繋いで歩き出した。

ぎゅっと繋いでいた手を握り締めると、ぎゅっと握り返してくれて

軽く解いて指を絡めると、指の間にぴったり感じて

親指が内側が繋ぎ辛かったから、親指を外側に1本ずつ指をずらせば・・・


「 小指が冷たい・・・」


ピュ――・・と吹いている秋の海風。
確かにちょっと肌寒いかもな。と思いつつ、小指を温めてあげようと、小指も外側に包んで手を繋いでいた。


「 そうだな、手袋してたよね。 」


うんうん、そうです。と頷く最上さん。

俺達の後ろには社さんしかいないから、気兼ねなくカインとセツで居た時も話せるし。

・・・・と、思って後ろをそっと振り返ったら、社さんが居なかった。


「 あれ? 社さん? 」


2人で立ち止まり 来た方向をキョロキョロすると、社さんは遥か彼方の森の中。
鈴ちゃんを抱っこして、トレーナーさんとお話をしているのが、微かにゴマ粒の様に見えた。


「 そうそう、社さんの自宅ってね・・・」


社さんがバレンタインの時に、犬のぬいぐるみをたくさん貰った時、実家は代々続くほどの猫好きファミリーだと言ってた事を話してあげる。


「 へぇ~、そうだったんですか。 」


だから、鈴ちゃんのトレーナーさんとも話が合うんですね~・・と最上さんが言うのは、実際ペットを飼った事が無い俺達。
最上さんの育った不破の実家は老舗旅館だし、俺は鶏のブライアンしか飼った事が無い。
というよりも、庭に放し飼いの為イマイチそちらは・・・結局マウイオムライスを連鎖で思い出す。

ビーグルの躾で悩んでいたのは、人間だったし・・・


どうでもいいストーカーのヤツまで思い出す、この森の撮影。

思い出したいのは、不破やビーグール ビジュアル歌手ではなく、子供の頃の京都の森。

何だかムッとしながら歩いていけば・・・


「 どうした?兄さん?
 ずいぶんご機嫌斜めね・・・」


もしかして鈴が懐いている社さんに、やきもち?と聞かれれば、そうではない。と言いたくも無言で、ふ~・・っと息を吐いた。

自分のせいなんだけど、自分の頭の中にビジュアル歌手が居座って、違う事を考えたら・・・

ブライアンを鈴が追う図が思い浮かぶ。

頭の中を変えたくて、ずんずん灯台に歩いて行った。


「 あれ? 鍵が掛けられている。 」


背の高い俺だから、コンクリート台座の上も背伸びをしたら、灯台ドアに南京錠が掛けられているのが見えた。
誰も居ない間は、スタッフが鍵を掛ける様に言われているのかな?と思い、じゃぁ、昼間行けなかった所に行く?どうする?と、一応灯台裏に回ると・・・

海が見えなくても、朱色に染まった雲を浮かばせた綺麗な空が大きく広がっていた。


遮るものも何も無く ものすごく広い赤い空間が広がっていて、東京では見る事が出来ない広がりに、二人で声を上げていた。


「 うわ~っ・・・綺麗・・・」


最上さんの夕日に向かっているその横顔は、グアムのテラスで見た様で・・・



自分が今、久遠だったら・・・

そう考えて彼女とキスをした時を思い返して、微笑んだ。



走り出しそうな勢いの彼女に、繋いだままの手を握り締めて、真っ直ぐ行きたい先を見詰めていた瞳を自分に向けさせた。



「 一緒に行こう・・・」



久遠で居た時は言いたくても言えなかった・・・

別々に行かなくては成らなかった自分。

あの時全てを打ち明けていたら、君はどうしたのだろう


でも自分の気持ちはあれから、前向きに君へ・・・心を向けられる様に成った事だけでも、囚われていた闇から引き上げられたその後に、自分から出る事が出来たと感じている。

もっと前向きに自分と向き合える様に成った自分を、変わった自分をもっと君に見ていて欲しいから・・・


・・・一緒に、時を歩いて欲しい ________ . . . .




「 はい。 」


セツの言葉では無い君の返事も、その自然ないつもの微笑みも嬉しくて、反対の腕で胸に抱きしめた。


「 ごめん、少しこうさせて・・・」


夕日を見ているとどうしても思い出して、自分の人生の切欠を作り続けてくれている君が、自分にはどうしても必要で・・・

好きとか、愛しているとか、それだけでは治まらない心の中の新しい感情をも、自分の中に生み出してくれて・・・

もう離れられないし、離れて欲しくない・・・



_____ 大切な存在・・・・


好きとかの恋愛感情よりも、その言葉が自分の心に一番素直に響く、この感情を

この胸に今感じている事を、抱きしめた腕の中で感じてくれたらいいと、そんな欲求は・・・

自分のわがまま なのだろうか・・・・・



「 ごめん・・・」


何も言わない君が、俺の胸をポンポンと優しく叩いてくれた。



「 あなたさまのここが・・・
 お知りに成られてますよ・・・」



( ん?あれ?・・・台詞? )

それは、乳母だろう。と思うも、これからその月夜の撮影。

いきなり、フッと元に戻された。
どうも、カイン風味に居た事が、クオン・・いや、ネオ・リアル久遠に囚われていた様だった。

そいつはイカンと自分を戒めて、蓮、蓮、俺は敦賀蓮。と呪文の様に言い聞かせた。


「 どうしました?
 役に入ってしまいました? 」


うん・・まぁ・・・としか言いようが無い。

役に入ったのではなく、リアルの俺に戻されて、ただ今敦賀蓮さんの役に、スポッと入ってまいりました。
・・・なんて、言えるわけが無いだろう。

腕の中でへっちゃらの最上さんが、俺と手を繋ぐ事も抱き寄せる事も、なんにも感じないで普通にしていると言ったら いいのか悪いのか。
なんだか、久遠と違い敦賀さんは、異性として見られていない感が溢れていた。


「 そうだ、どうする? やっぱり行く? 」


薄暗くなった行きは良くても、帰りもしも暗くなって、岩場で足をグネったら・・・

これから、その“ 正座 ”撮影が待っている。

暗くなって星座が綺麗に見えるだろうとは思うものの、その頃スタッフや、あんちゃんエキストラの皆さんも、バイクでここにやって来る。


「 うふふ。 明日にしましょうか? 」


( だよね。 )

楽しみは取っておいたほうがいいかもしれないけれど、灯台の中に入れない事は誤算だった俺だった。

早朝にでも散歩に来ても、誰も居ない灯台は、きっとまた鍵が掛けられている。
朝ならば岩場に行ってもいいけれど、朝日が昇るのは森の方角から。

森の中を抜けて下りるとホテルに続く公道に出るけれど、最上さんが骨折して行き倒れていた場所は、彼女にとってトラウマだろう。
彼女が朝、自分でそこを登って妖精との戯れ妄想thenパワーチャージ散歩に来るかと言ったら・・・



ま・・・

・・・ロケは長し


もう少し先に偶然の出会いの方が、運命をまた感じるかもしれないと思っていた。


「 あぁ、そうそう 敦賀さん? 」


ん?何?と思って彼女の瞳を覗き込むと、その瞳に夕日の色を映して、真っ直ぐ海の方を見ている。
指をさした朱色の夕日。その空の色は、先程の紅葉の舞い散る撮影でも綺麗だと感じていた。


「 あの夕日みたいな色、日本の赤ってですね・・・
 国旗の赤は日本だけの色で、赤の色を主に分けている国ですよ。 」


その言葉にドキッとしたのは、俺が久遠で星条旗の国の人だと判っているのかと思った事だった。
けれど・・・

・・・違ったので、ほっとする。


「 和としての赤は、朱色に紅色、錆とかの銅(あか)
 それに、淦や赤と分けてまして・・・
 茶道に使う袱紗というものは、朱色の一色と決まっています。 
 これは、小習いという初歩の時は、なに色でも模様入りでもいいんですが
 四ヶ伝という中級以上は、必ず、あの色・・・ 」


朱色の空・・・その夕日を指していて、あの色を忘れないで下さいと付け足され・・・

はい。 って思わず素直に、最上先生に返事をしていた。
日本の赤は綺麗だと、アメリカ映画に無い色使いを思い出す。映画の世界では、スクリーンにその赤を色濃く映すのは、とても大変なカメラ技術と監督の対比演出イメージの才能などが必要な事も、十分俳優をしていて承知である。


( そうか、日本の伝統文化は、赤の種類がそれぞれ決まっているかも。 )

いろいろ考えると、自分には無い感覚。生まれてからきっと日本の中で赤の違いは、日本人はそれとなく、神社や祝い事などに習って行くものなのかも知れないと、一言で丸っとまとめて、Red という表現でしか区別が付かないアメリカ人に、感激を与えてしまう色であり感覚の違いだと気付いた。


フムフム・・・

確かに後半の中に、ふっと朱色を見て元に戻る。と台本にあったな・・・と、夕日の色を心に刻み込んで、グアムの夕日の色だと自分に暗示を掛けた。


( それなら、鈴音の暗示に引き込まれても、フッと戻ってこれそう・・・)

うんうん、よし。そのイメージで。きっと照明さんが上手く見せてくれるのだろう。と、くら~い月食中の照明ワークを信じようと思う。

日本人は赤に関して何気ない感覚があって、日本人でも知らないまま たくさんの赤を使い分けていると、道のそれぞれの世界に細かく決められていますよ。とは・・・

お客は、“ やや ” や、 “ ほぼ ” で・・・

もてなす側は、1ミリたりともずれてはいけない。の・・・

道文化のルールはスポーツよりも以外に難しい、その辺の感覚が必要だと考えていた。



「 そうだ。 灯台の台座にベンチがあるから・・・」


そっちに行こう。とグイッと肩を抱いてスタコラ進んで行った。
村雨達のたむろう撮影用に、いろんなセットは置きっぱなしに成っている為、座れる場所があるのは、お昼に灯台の中に入る時に見ていた。


そう、それで・・・

ぎゅい~んと連れて行く間にも話し続ける最上先生はなんだか、お茶の世界に頭が行ってしまったみたいなので、前半も撮影前だけどもしかしたら、続けっぞ~。と監督が言い出したら、うぃ~す。とスタッフと同じ様に快く返事をしなければ成らない。


・・・ま、俺次第かもな。

何にも知らない俺がNG出さずに撮影ができるかと言ったら、夕べ教えてもらった事をどれだけ覚えているかと云う事かもしれないと、なんだっけ?と急に止まらない様にしたいと思う。

以外にドキドキしている初歩中の初歩の一歩手前の俺。

演技の威圧だけではどうにも成らない基礎的な事は、ドキドキだった。


「 最上さん、台詞入ってる? 」


「 私は大丈夫ですよ。基本ですので。 」


なるほどな。台本を見た時、自分の台詞より鈴音の台詞に訳が分からないと思っていた俺だった。
この点前の基本道具セットをドラマ様に、金を銀にアレンジされただけだと言っている。


「 あぁそうそう、それじゃ・・・
 今夜の撮影にも関係あるものですけど 」


そう言って話し始めたのは、お茶を点てる人はお客と話す時、炉という畳の中に釜が掛けられている場合の事。
冬の為の炉なので暖房器具が炭火だけの時代、お湯が冷めない様に釜の蓋を開けたり閉めたり、以外に忙しいらしい。


「 なので、窯の蓋を開けたら、もしくは閉めたら。
 このへんが何かの切欠として、言葉を掛けます。 」


いいですか?台詞のタイミングだと思ってください。と付け足されて、蓋ね。OK。と覚えておく。

用があるから開けるのであって、この時は喋ってはいけません。と云う事と、閉めたら、ハイ今。と、私語厳禁、余計な会話はしてはいけない濃茶のタイミングで、お客もすかさず声を掛けるものらしい。

ここがNG出される一番のポイントかもしれないかも。と蓮、台詞!と止められない様にしたいと思う。


「 あとは・・・そうそう・・・
 台詞の稽古も、いいですか? 」


と言われると、それは入っているからいいかな?と思うも・・・一つだけ気に成る事があった。


「 茶杓を調べると、名前は作者によって付けられるか、
 名の無い作者のものだと、季節の言葉を付けるとあったけど・・・
 なんで、これは、季節に関係ない “ 幾千代 ”っていうの? 」


「 このお点前だけ、茶杓を決められています。
 他にも、元節という竹の節が手元にある茶杓や象牙の茶杓など、
 中級以上のお道具はありまして・・・
 和巾は、中節のいわゆる良く見る竹の節が中心辺りにあるものですが、
 この、幾千代というお茶杓しか使ってはいけないんです。 」


そうそう、敦賀さんの台詞の中に、幾千の時を越えて。とありますが、その想いを・・・
人が居なくなっても心を受継ぐという意味で、道具が時代を超えて継がれ行く一碗のもてなしの一期一会を、幾千の時から何度と繰り返し続け、後世に心を継いでもらいなさいと云う事で・・・

鳴海の家の心も、同じ様に由緒あるものとして、後世に継がれよ。という意味を、このドラマの中に入れたかったのでは?と、なんとなく分かるような気がして、ウンウンと頷いていた。

由緒というか歴史ある、中次茶入れ。和巾。
これらの先代からの引き継ぎ物に、この幾千代という茶杓の名は、一期一会の機会を幾度と継がれて来たのだと想いを馳せて、古の人々の心までを頂戴しました。 また、この幾千代の機会に自分が遭遇出来た事を喜びとして、その歴史の中に入れてくれて ありがとうとの感謝をするものだと・・・


ふんふん・・フムフム・・・

じゃ、剣は鈴音に・・・

鳴海家の歴史に、無意識下の内に刻み込まれたということだ。


台本を頭の中で考え直してみると、確かに鈴音の台詞には

“ この幾年にただ一回の、一期一会の時の趣・・・
  なぜ、私が和巾点前を選んだのかは・・・
  この蒼く暗い星空の下に、心と心を向け合う時を ”

剣が来ると分かっているから、そうしました。と、鳴海の中に関わりを持たせたのだなと理解した。

けれど・・・

急にそう思うと・・・・




ん~~~、なんだか恐ろしい気がしてきた。




________ ぶるっ・・・


ブルッとしたけど、海風の為。
最上さんに風が当たらないように、海側に座っていた俺。

ベンチに座ったまま太ももに肘を付いて少し身を屈めたら、最上さんが俺の向こう側、海の方に背を伸ばして見ている。


ぴゅ~~~・・・・


・・・と風が吹いて、ブルッとした最上さんも同じ様に膝に両肘を付いた。


「 これこれ。この体制。 」


何が?と思っていると、茶碗や茶道具を拝見といって、手に取ってじっくり見る時の体勢らしい。


「 正座している膝の上に肘を乗せて、お道具を両手で取り
 畳から高くない位置で、落としても割れない壊れない位置で・・・」


こうやってこうやって、お客一人の時は掛け軸のある上座にお道具の底を見せない様に・・・と何も持っていない手で、エア茶道具を見ている風の最上さんを見ていた。


「 並べ方は、私が並べた順に同じ様に並べ直せば大丈夫ですので、
 それは一度見たら忘れない敦賀さんなら、大丈夫かと・・・」


それから、上手(かみて)舞台やセットに向かって右側が、順位の高い者や主要人物の立ち位置なのと同じで、茶道具も順位の高い物が上手に来るらしく、上手側から始めに拝見し始めると聞いて、それはテレビのトーク番組とか舞台挨拶と同じだな。と分かり易かった。

背中が疲れたので、膝に手を当てて少し背中を伸ばし、ふふっ。と微笑むと、うふふ。と微笑まれ、寒かった?と聞けば、今まで敦賀さんが寒かったんですね。と返されて、そうでもないよ。と答えたら、全然では無いって事ですよね?と言われたので、ん~まぁね。と答えた。ら・・・


「 敦賀さん。今のでOKです。 」


そう返されて・・・


( はいぃ? )

頭の中がなんだそりゃ?で・・・
それに、クオン君の時のように、親指を立てて微笑まれましても・・・

やっぱり、なんだろ?だった。


「 お道具の受け答えは、テンポが大事です。 」


みょ~に、敦賀さんだったら、間を取って。とかって台詞に感情を込めそうだから・・・と言われると、自分の台詞を考えてみた。先生級だから見ただけで判る物と判別できない物があるんだな~・・・とは理解しても、ムダに溜めて間を取るのは・・・

確かに、俺の癖かもしれない。


台詞にもそんな事を大体想像してから、リハーサルしたりするけれど、終わったらサッサと茶室を出ましょうね。で、心残りをその場に残す。というのが、茶道のしきたりの様なもの。

もう一度訪れたいと思う気持ちを心に残させるのも、手土産の1つとして

心と心の触れ合いを楽しんだ時を、思い返して欲しいと云う事は、日本文化のいいところ。でも・・・
ヤヤとか、ホボとか、サッサと・・・とか、何だか分からないけれど完璧主義の様な日本人には、その具合では悪かろうに。と思っちゃったりする事も、もう一度チャンスを~・・・と、

心残りを残す為のワザと

ぼけ~っと、ややこんな感じ?と適当に、お茶を飲むだけではないお客だった。
お客に成るのも、めんどくさいな。と自分でも思うのは、はいはい鐸杜くんも興味無し。めんどくせ~と思っちゃうのと同じね。と村雨の役も理解した。


「 あぁ~、見てください。敦賀さん。 」


ポンポンと肩を叩かれて、すっと立ち上がった最上さん。だったけど・・・


ぴゅ~~~・・・


・・と風に、俺から外れた為に吹かれていて、最上さんは目を瞑った。

前髪が目に入ったらしく目を閉じていて、両手で前髪を分けている。・・・んだけど、髪は入ってなさそうなのは自分には見えていた。


「 目に何か入った? 」


ポケットからハンカチを出そうと思い手を入れたけど、衣装だったので何も入っていなかった。

・・・だったな。と、鈴と名刺とりんどうの花しか入れていなかったのを思い出した。


「 見せて? 目、開けられる? 」


立ち上がって顔を覗き込み、指で瞼に触れようとしたけれど、メイクしたまま。
まつげもエクステンションが綺麗にカールされていて、最上さんも自分で目を擦っていいのか躊躇っているらしい。

ん~~・・・じゃぁ、どうしよう・・・


「 じゃぁさ、泣いてみて?
 ・・・できるよね?役者だし。 」


ん~、そうですね。じゃぁ、悲しい事、悲しい事・・・と思い出そうとしている最上さんだったけど、なんか、ビシッと冷たいことを言ったらいいのか?と思うも、本気に取られてへこむのは自分だと、後々を考えて止めておく。

と、途端にポロっと涙を流した最上さん。

顔を覗き込んでいたままだったので、おぉっと驚いた。泣くまで5秒。
意外と早いな。だけど、わずか1年足らずの後輩のgoodな出来にも、まだまだ、1年ごとに1秒ずつ減らしなさい。と、5年も経てば1秒で涙が出るぐらい今の自分のbestがそうだった。


「 どぉ?取れた? 」


ん~、よくわかんないけど・・・とぱちぱち目を瞬いている彼女を間近に見ていた。
思わず両手で肩を持っていたけれど、誰かがここに着たら、こんなお立ち台みたいな場所で、あ~泣かしてる~と言われそう・・・と思い、キョロキョロした。


「 敦賀さん? 」


別にやましい事をしようとしてキョロキョロしていたと思われたら、その勘違いにもへこみそうなので、本当になんでもないし。と思いつつ、なんでもないよ。と言おうと思った・・・

その途端にウルウルしたままの彼女に頭を胸に付けられて、胸の中で ぐすっぐすっと彼女の静かに泣く声が聞こえていた。


「 どうした? そうか・・・
 悲しい事を思い出した? 」


両腕で抱き寄せて頭を撫でてあげると、コクンと頷き、ぐすっぐすっとその涙は止まらなそうで・・・

よしよし・・と背中をそっと撫でていた。

お母さんの事かな?と思いながら、京都の森で泣き場所を求めて彷徨ってきた彼女を思い出していた。
でも、彼女が思い出したのは違う事みたい・・・


・・・コーン・・・

     ・・・って・・・


小さく俺を呼んでくれた声が、泣いている中に混じって聞こえた様で、彼女の頭に頬を付けて目を瞑った。

夕日の中に思い出してくれていたんだと、自分との別れが淋しかったんだと嬉しくなって・・・
ぎゅっと抱きしめたら・・・

グイッと両手で胸を押されて、力を入れて抱きしめたら、力を入れて押し返されていた。



淋しい・・・


自分なんだけど、久遠と蓮では何が違うと自分に腹立たしくジェラシーする。


「 敦賀さん。衣装・・・」


そうでした。ファンデーションが付かない様に、少し離して最上さんも頭だけを付けてました。と思い出し、白いシャツに肌色の顔型が付いたら それこそ どうした?と皆に聞かれるに違いなかった。


「 どう? まだ何か入ってる感じ? 」


目を覗き込んでみると、パチパチしながら頬を伝っている涙。


「 ちょっと、瞼を閉じてて・・・」


目元を指でそっと拭い、頬から顎に向かって流れた涙を指で追って、顎の下まで拭ったら
顎を持ち上げたまま、マスカラとか、大丈夫か?とジッと顔を見詰めた。


何がなしに・・・


( ・・・どうしよう )

目を瞑っているし、顎まで持ち上げて、しかも自分も間近に見詰めているこの状況・・・


このまま、唇を重ねたら・・・


いや・・・

あの時と全く同じ様に唇を重ねたら・・・


・・・また、思い出してくれるだろうか



( 2回キスしなければ、プライベートはチャラなんだよな・・・)

自分で言った言葉を思い出していた。

久遠とは2回・・・なのか? 自分には分からなかったけれど、彼女的に2回したと思っている。
ファーストキスの相手が久遠だと、ファーストキスの相手と結婚したいと思っているのだし・・・


自分だから、いいんじゃない?

・・・という悪魔の囁きと


いや、こんな中途半端でキスするのも嫌だ。

・・・という神様の的確なジャッジと




ん~~~・・・・



・・・と瞬時に大変悩んで、自分も考えて・考えて・・考えて・・・

無意識にぎゅっと目を瞑ってしまった。



( いや、止めとこう。 )

フルフルと頭を横に振って目を開けたら、海の方が目に入った。


太陽が紅色で水平線にもう直ぐ消えるのだろう

少し背伸びをしたら、俺だとギリギリ、ちょ~ギリッギリ、水平線が見えた。

顎から手を離し、彼女を咄嗟に抱き上げて、ちょっと失礼。と思いベンチの上に上った。



「 目を開けられる? 」

「 うわ~~~っ・・・」


自分の声と同時に、彼女が声を上げていたから、目を開けて水平線を見ていると思う。


高いところから見える夕日の色は、グアムで見た時と同じ様に、空気が澄んでいてはっきりと水平線に溶け込む様に、最後は光のラインに成って水平線を見せていた。

空を見上げると、森の方にはもう・・・

どの星が一番星だか分からないぐらい、きらきらと星が瞬き始めていて、夕日の色の様に赤い輝きに、細かく瞬いている。


「 ありがとう・・・」


えっと・・なんでですか? と最上さんが言うには、見せてくれているのだから、私がありがとうです。
の言葉には・・・


「 違うよ。いろいろ教えてくれたお礼。 」


こんなもので申し訳ないけど・・・と彼女には付け足して・・・

そうだな、本当にお礼はどうしよう・・・と考え始めていた。








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Story by mimi*美海 ™ 美しい海の彼・方より mimi’s world From far away beyond beautiful sea.

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