mimi's world * HOPE and DESIRE

_______ BE-lie-VE * be-LIE ve * believe...the SHAMs for heart healing * mimi's world-7 _______

Myth. BLUE BELL - Act.10 - First 

.


Myth. BLUE BELL – Act 10 -


Mimi's Image Music * IN A TIME LAPSE by Ludovico Einaudi  
時間の経過 瞬間の堕落 消滅の瞬き より



Myth. BLUE BELL - Act 9 - ™ From far away beyond beautiful sea.






Mimi’s Image Music * Walk / Experience
歩み / 経験 





蒼と

蒼紫色の空に

煌く星が輝きだす前に



吹いたら消えてしまいそうな、弱々しい青い炎の様な




鮮やかな古の瞬を刻み続ける深く紅色をその身に纏い・・・

暗く蒼く輝く月の光に共鳴して輝く影をその身に纏い・・・




透明で

赤く染められて

青く染められて




空の色が変わり続けるその時を・・・



澄んだ空気のこの土地に気付いた空

低い空に風の中を白い雲が流れた

風の無い高い空に動かない青い雲も





その時が流れて変わりゆく


赤い黄昏


紫の世界


白銀の月


深い影の蒼




鈴鳴リ岬に来た時点から、湧き上がる

懐かしいと

感じる胸の内


この方角に窓が無かった事は、自分の感情が知っているとは・・・

・・・なんだろう_________. . .




走馬灯の様に、何か描かれクルクル回っていた

彩鮮やかな灯りの影に



自分の頭の中に思い浮かんだ

この場所で

心が震えだした彩ばかり・・・



鮮やかな古の瞬を刻み続ける深く紅色をその身に纏い・・・


揺れる黒髪に飾られた紅色のリボンも 懐に挟む古袱紗も
それと同じ古織の着物を着ていた



暗く蒼く輝く月の光に共鳴して輝く影をその身に纏い・・・


影を輝かせた闇の中に浮かばせた銀の家紋 濃紺の藍
月の裏が輝く時 月の表は輝く事無く浮いているだけで



蒼と紅の

2つの色が・・・



人として儚く消えそうな青い炎の心と

人として燃え盛る情熱の赤い炎の心と





________ あぁ・・・

    そうかもしれない・・・・・





人の心の中の色とは

感情によって色が違う物なのか

それとも色が感情を教えてくれるのだろうか

いや・・・

色から与えられ


“ 影響 ” 

・・・影の響きが起こすものなのだろうか


この心の裏側も、月食の月と同じ様に

胸の内に裏側で輝いているのだろう・・・



胸の内に灯された小さな灯りが、どんなものなのかとは・・・

知らなくてもいいのかもしれないと思いながら

追い求めたい情熱が心の中で赤々と燃え盛る事も

潜めたい想いが静かに青い炎として揺らめく事も




どうしていいのか分からない事が・・・


また胸を焦がす _____________





その焦がす彩に・・・・





________ あぁ・・・



空の色が変わり続ける刻々と動くこの時を

見てしまったのかもしれない・・・






「 ・・・スズネ

 一体・・・ 
   ・・・ドウイウコト ___________・・・」






「 れい は・・・

・・・くすっ・・・直ぐ後ろ 」





窓の無い壁際に目を向ける事は、許されるのだろうか


瞬きも出来なくなった自分のこの心の中を感じて・・・


彼女から視線を外す事を・・・




. . . . . . . . . . . チリ ...





___________ チリ チリ チリ チリ ・・・・・・・・・・





この鈴の音と・・・


老いも若きも混じった様な

たくさんの人・・・


銀の家紋を背負い鳴海の一瞬を刻み続けて

歴史の中に生きてきた人達がここにたくさん・・・

居るかの・・様な・・・




鈴音の笑い声が聞こえて


白猫を膝に乗せた彼女から、視線を外して ____________







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Myth. BLUE BELL
― 鈴鳴り岬の向こう ―

Act. 10

『 蒼血 』
  

Back Stage for Act 9





mimi’s Image Music * Time Lapse
時の経過









____________ プップ・・・



たくさんの人が行きかうターミナルを抜け、レンガ造りの歴史のある駅の外に出た。


「 ふぅ・・・」


大きく息を吸い込んだ鈴鳴り岬の澄んだ空気の様にはいかず、こちらでは大きく息を吐いた。


・・・東京 ________


東京に帰ってきたのは一時的にだった。
何日ぶりかの このどんよりとした空気に、行きかうたくさんの人 人 人・・・

今までここの場所が自分の生まれ育った居場所であったはずだけど、久しぶりに帰ってきたわりに懐かしさを感じる事は無かった。


_____ お帰りなさいませ。


少し離れた所に停まっていた見覚えのある車は、やはり自分の部下が迎えに来てくれていて、そちらに向かって早足で歩いて行った。


「 どう?変わりない? 」


自分が居なかった数日の間に、何か変わりは無かったか聞いていた。
業務事態にたいした変化があるわけではなく、変化を創りに自分が訪れていた土地なのだから、何か変化があるとしたら、自分が帰った時の方が多いとは・・・


_____ 社長が帰ってきませんと・・・


「 ふふっ。だったね・・・」


運転手がドアを閉めてくれた車の中で、わざわざ一緒に迎えに来てくれた自分の秘書と並んで、会社にそのまま向かっていた。


「 あぁ、会長はいる? 」


_____ いえ。取締り相談役は、本日はご自宅かと・・・


「 そう・・・」


自分の父の事だけれど、部下に言う時は会長と呼んでいた。
父に直接尋ねたい事があったのは、もちろん・・・

鈴鳴り岬で見ていた書類。

父が自分に託した書類の中に、理解できない事があったからだった。

それと・・・



なぜ・・・

自分の父は、何の所縁も無いあの鈴鳴り岬の土地を見つけ、目を付けたのだろう




そんな疑問が湧いた頭の中と関係なく

自分の心に勝手に湧き、勝手に感じ、勝手に溢れ出して来たこの感情は・・・


一体・・・

・・・どういう事 ____________ ・・・




横に座った秘書から伝えられる、自分が居なかった時の報告を、窓の外を見ながら聞いていた。


「 うん。それで・・・ 」


秘書の方も特に変わったことが無い旨を事務的に伝えていただけだったから、ただ相槌を打つだけだった。

赤信号で止まり続け慌しく人が行きかう自分の故郷は、時間の過ぎるのが早すぎて、時間を惜しみ急ぐ人が道路を渡っていた。

シートベルトを外し ジャケットを脱いだ自分は、外を見ながら溜息をいつの間にか付いていた様だった。
秘書が続ける報告が、別に退屈という事ではなかったけれど


_____ 社長・・・?


「 いいよ。続けて。 」


歩行者の信号が点滅し始めるまでにはシートベルトを掛け直し、脱いだジャケットを腕にかけ膝の上に置いた。


_____ 暑いですか?


「 いや、特に・・・」


ただ人が忙しなく行きかう光景に、澄んでいない空気を見て、窓から空を見上げると、風に動く低い雲の灰色が、空を多い尽くしている様で

蒼く澄んだ空に浮かぶ白い雲が、光を浴びて銀色に輝きながら流れていた、今朝まで居たあの場所の空と違うと・・・
ただこの、色を失った空に佇んだままの灰色の雲を見ていた。


脱いだジャケットのポケットから、自分の名刺入れを取り出して見た。



・・・
  銀、か・・・



自分のシルバーの名刺入れを見詰めながら、パチッと蓋を開けた。




自分の名刺入れの中にいれた、一輪のりんどう。

ケースを開けても香りが漂う事はない。

蒼いその色を失う事無く、香りだけが無くなっていた。



・・・森の中のりんどうの世界


空を覆い尽くされ光を失っても、蒼い世界の中に佇み歴史の中に生まれた

鈴音・・・


りんどうの まだ色を失っていない蒼い色に・・・

彼女の屋敷で夕べ嗅いだ、海と森の風が運んできた、りんどうの芳香を思い出していた。




Act 7 by Moka © Fly Away

Mimi’s Image Music * Burning / Return with Honor
燃焼 / 胸の中に勲章を掲げて



_____ あそこは 『 いわれ 』 がある土地だから・・・


父が外を眺めながら、そう言っていた。


・・・いわれ って・・・
          何が?・・・


疑問を抱えた自分に父が言ったのは、切ってはいけない巨木や、入ってはいけない池を例えに出して、その土地を幾百年と見守り続けてきた自然を、土地の神体として崇める事。

崇め続け守り抜く人々は、その土地の歴史の中で通過しているだけの命であって・・・

と考えているのかもしれない。

自分の人生がどうのと思う事よりも、自分の生き方は土地に守られているからこそであり、だから土地を守ろうとしているのではなかろうかと、自分が鈴鳴り岬に居て考えた事だった。


_____ 強いて言うなら・・人かな・・・

    ・・・違う様にも思えるな、人の心だから



気持ちの依り代なんだよな・・・

父の言葉に思い返す、気持ちを何かに憑依するほど崇められる、御神体があの土地そのものだと

御神木や御神池の様な、ただ一部のものではなくて

あの・・・ “ 土地全体 ”

鈴鳴り岬の地域全体を、そこに住まう人々が護っている様に感じてきた。



「 答えか・・・」


土地自体が護り続けられている物だとしたら、土地開発を企てる我々は・・・

あの土地の自然をそのまま残したとしても、他所者が踏み入るリゾート開発自体が、あの土地を汚す者だと思われているに違いないと・・・


_____ 怜君は分かっているのかも知れない
 
    彼はあの土地を、継ぐ者だから・・・



でも・・・・

怜がもしも・・・・



_____ 分かっていないなら・・・
           ・・・この計画は頓挫する



書類を託しながら話してくれた父は、昔あの土地で何を感じていたのだろう。
怜とは違い、代議士はその昔、父を冷たくあしらったのだろうか・・・

今の鳴海家とうち鳴良家のつながりを考えると、代議士と会った時の父を思い返す。

代議士と父は、因縁の様な関係ではない。

婿養子だと聞かされて、代議士と父の関係がさらっとしたものだった事に、納得が行っていた。
どちらかというと、鳴海家の一人娘である夫人が、力で押さえ付けている様だと感じて来た、鳴海家で過させて貰った数日。

初めて夫人に挨拶をした時、お辞儀の顔を上げられなかった自分。


“ 鳴良です ”


そう自分の名を言う事と、その昔 鳴海の土地が欲しかった父の面影を自分の顔に感じて欲しくないと、咄嗟に自分が思った時の事。

あの直感は・・・

鳴海の一人娘で 嫁 ではなかった鳴海夫人に、瞬時に働いたものだったのか・・・

瞬時に行動に移し、一代で企業コーポレーションを立ち上げた父からの血が、自分をそうさせて来てくれた事にも、父は子供にただ単に財産を我が物にしようとしているだけの世代交代という事だけではなく、会社の為に必要な行動力への勘を買ってくれたのだろうという事も、自分への自信に繋がっている。



鳴海夫人は、自分が居候していた時に、どう自分の事も父の事も、そして自分の企業の事も感じていたのだろう。

それに、夫人の一人息子である自分の親友・・・

・・・怜・・・

怜が自分と企て始めた、父と同じあの土地への構想。



________ シュッ。


鳴海家を継いでゆく 怜 すらが考えている事を、夫人はどう感じているのだろうと考えながら、社長室に戻った自分は応接ソファに置いたアタッシュケースから、父から手渡された封筒を取り出した。

自分の仕事はそれだけでは無いけれど、どうしても何か引っ掛かっていて他の仕事に着手できない程だった。
料亭で怜も同じ事に引っ掛かっていた事・・・

山延の原因不明の病。

このプロジェクトに先導を切って動いてくれていた山延も、この土地を訪れて謎の病にかかった事。
彼がこの土地に魅せられて取り憑かれたと言っても、過言では無いのかもしれない。

同じ様にあの土地に行ってから、心が囚われていると自分でも感じて今に至っている。


父と自分しか知らない結び方の紐を解きながら、ソファに座った。
その他、自分の部下からの書類もソファの上に置いた時に、年季は入っているが本革のいい味が出たその場所を手の平で触った。

父の時代からあったこの応接ソファ。

この場所に幾人もの人が座ってきて色を徐々に変えながら、この企業の歴史を刻んできた。
普段は自分が座らない、客が座る場所に座っていて今は自分のオフィスと成った社長室を見渡した。

怜の父、鳴海代議士もこの場所に座った事があるだろう。

今までどんな人がこの場所に座ってきて、あの頃は未来だった今を造って来たのだろうと考えた。
いつも見慣れているはずの自分のオフィスなのだけれど、見た事の無い角度から眺めていて何かに引っ掛かった。



________ コン コン


「 はい、どうぞ。 」


ノックされた音に返事をしながら、空の封筒を取り上げ書類の上に被せる様に置いた。


_____ 社長宛に届いていますが・・・

「 ・・ん? ありがとう。 」


秘書から渡された包みは、自分の名が宛先としてきちんと記載されている物だった。
受け取った時の重さはとても軽く、取り扱い注意のシールが貼られ、封筒に上下と裏表の記載もされている。差出人の記名されて無い包みは、バイク便だった様で消印も入っていなかった。

その茶色の包みを開けると、中にエアパッキンに包まれた箱が入っていた。

真っ白な箱が、透明のエアパッキンを通して透けて見えていた。

お菓子の入っていそうな薄く平たい箱なのだけれど、そのエアパッキンを解く事無く、両手の上に乗せて見ていた。


「 あぁ・・・」


エアパッキンの粒々が、箱に記載されている文字にモザイクを掛けている様で・・・

エアパッキンの粒々は、それでも粒の中の空気に、その文字を強調する様に浮かばせているかの様で、
他会社から頂く高級菓子店の様な箱に、甘い想いが心の中に蘇っていた。


その包みを手に乗せたまま、ふと気付いた窓辺へ・・・


薄く雲が掛かり、それでも雲の隙間から光が差し込んでいる光の集まるその場所に足を向けて、
今まで自分が座っても何も感じなかったオフィスからの景色を、両手の上にパッキンが掛けられた箱を乗せたまま見詰めていた。


自分のデスクからはビルの影になり、見る事が出来なかった。

いつも座る場所からは何も感じなかった景色の中に、新しく工事が始まるのだろう、自分が居ない間になのか・・・それすらも分からない程、このオフィスにいても外をじっくり眺める時間など一刻もなかった今まで。
いつの間にかクレーンが組まれ始めている、古い埠頭が目に入っていた。

江戸後期から、魚河岸として使われていたはずの埠頭。
鎖国の解かれた幕末にも慶応明治と時が過ぎても、その埠頭に外国の貨物船が入る事はなかったはず。
大きな貨物船が入る様な場所でも無い埠頭・・・

その名


   “ 鳴海埠頭 ”
 

鳴海家のものであるとは父が言っていたのと、怜からも仕事のパートナーとして始まってから聞いていた。もちろん、それは・・・

・・・山延からも。


鳴海埠頭に新しく組まれているクレーンに大きく見える、工事会社の文字も・・・


 鳴海建設 __________ . . .


その向こうに薄汚れた空気が渦巻く、灰色の波の無い海。
東京のこの海から、世界中に輸出入される場がまた1つ、国の繁栄の為に造られている。それに携わるのは、鳴海家の名を持つ・・・

国の輸出入国管理をも動かす代議士の力と、夫人の莫大な財産なのだろう・・・



その家を・・・いや、その両家共を引き継ぐ怜は、自分の意志とは関係なく、生まれながらに許婚が決められて 令 という名を背負わされて生涯を鳴海の為だけに捧げる様に命を与えられた。

きっと怜自身も、気付いたらいつの間にか結婚していたのだろう・・・

子供の頃からそう教育されて、何も考える余地を与えられず、恋をする機会も与えられずに鈴鳴り岬の屋敷で育てられて、国が定めた歳になったその日 怜の誕生日に結婚した。

国を動かし、世界を動かす。

その財産と血族の由縁を、後世に継ぎ続ける為にと ________



「 世界に向けてか・・・」


自分が継ぎ担われた、父からの、父が始めて築いた会社。

今は会長の椅子に座って、自分や、他セクション自社の社長の相談役をしている父。
自分にも尊敬するほど、野望を燃やしてそれでも慎重にがむしゃらに ここまで来たのだろうと思える父は、合併吸収を繰り返し一代で築いてきたコーポレーション企業会長として、息子という立場と部下という立場を弁えて時に優しく時に厳しく、自分と社を大切にしている。

大切に大切に育てられた自分も、そしてこの社もこれからまだまだ・・・

あの・・・

“ 鳴海 ”

国を動かし世界を動かす鳴海家との繋がりをも、自分が触れている事の重大さを
歴史に重鎮さを感じるソファに座って、父のここで過ごした時瞬と赤々と燃える炎の様な心の野望を、背負わされた事に、事の重大さを重々しく感じていた。


手に乗せたままだった、パッキンの掛けられた箱に目を移した。


“ 世界に向けてか・・・”


自分が今ぼそっと言った一言を、たった一人で成し遂げ今も尚、その名を広げ続けている功績と実績を
自らの夢と共に・・・ 
創っている人からの包みは・・・


その名を、モザイクが掛けられた様に

その名を、空気の中から浮かばせて


こんな包みにまで緻密に計算し手が込んだ物を、創作できる頭脳の持ち主。

送られて来た封筒に、差出人の名は無く・・・

でも開けた瞬間に、様々な事を自分の脳裏にふっとたった一瞬で蘇らせた、それは・・・
風が吹いた瞬間に目の前の色を変えた森の情景の様にも、情熱の炎を灯すマッチを擦って火を点ける様でもあって・・・・


窓辺に立ったまま、上下を返す事無く開けられる様に包まれた


“ 鈴鐸 RINDOH ”


白銀の小さく控えめに刻印された文字を浮かばせる、真っ白い箱。

包まれているパッキンをそっと開けた。



・・・ 鐸杜の社長室


自分でギャラリーと言っていた、あの部屋を思い返していた。


白銀の光の靄が天井に向かうほど、光り濃く輝いていて・・・

蒼いその色を透き通る影として、地上に降らせて・・・

りんどうの名の通り、りんどうの花を浮き上がらせたガラスの切子のデスクも、真っ白い革の椅子も、あの部屋に入った瞬間の色を、自分の眼の中に幻の様に浮かばせていた。


自分の頭の中に、鈴鳴り岬で遭った事が浮かんでいたけれど・・・


エアパッキンを外すと白い箱が露になり、その箱の上蓋には森の中の工房に掲げた錫で出来た看板と同じ、白銀に輝くモダンな文字でRINDOHと印刷されていた。


きっと商品を入れる箱なのだろうと思いながら、その蓋を開けて・・・


真っ先に眼に飛び込んで来た物が


脳裏に様々な事が蘇っていた自分を・・・


今度は


一瞬にして、自分の意識を鈴鳴り岬に連れて行った ___________


 
Myth. BLUE BELL - Act 11 - ™ From far away beyond beautiful sea.

mimi’s Image Music * Run / Discovery at night
続走 / 発見の夜


・・・鐸杜から送られてきた箱の中身を見て _______________




そっと蓋を閉じると同時に、自分の瞼も閉じていた。


閉じた瞼に力が入っていたのか、自分で考えても分からない事が眉間に皺を寄せさせていた。

鐸杜から感じる雰囲気に、ずっと何か引っ掛かっていたのだろう。



雲の切れ目から太陽が覗いた眩しい窓辺に、太陽の光をこちらに反射させて一層眩しさを自分の目に入れていた、鳴海建設のクレーン。

反射する光に目を逸らし斜め下に俯くと、デスクの下に一枚の紙が落ちている事に気付いた。

鐸杜から送られてきた中身に気を取られていて、ドアが開けられた時に書類が飛んだページがあった事に気付かなかった。

ドアがノックされた時に、自分の秘書にも見られない様に急いで纏めたはずだった、父が自分に鈴鳴り岬に出向く前に寄こした書類。
その時に掴みそこねたのか、床に飛んで落ちていた一枚の書類をデスクの下に見つけ拾った。



確か・・・


自分が鳴海家の部屋で目を通した時には、二日酔いの頭で居た事も、目の前に飾った一輪のりんどうに気をとられていたのか・・・

全てに目を通したと思っていたけれど、気付かなかった。


もしかしたら・・・

この部屋にずっと忘れっぱなしだったのかも知れない。


そうも思える程、全く覚えが無い、初めて目にした書類だった。



父が自分に託したのは、父があの土地へのプロジェクトを進めていた時の古いものであった。
父の抱いていた野望をも受け継がせてもらえたと、嬉しさがこみ上げた。

その一方で、自分が尊敬する父でさえも出来なかった事を、自分が担われた事に重荷を感じても居た。

父が自分に知っていて欲しいと託したのは・・・
あの土地で当時父が経験し、どうにも出来なかった点に、どうにかできそうだと云う点の2点。
整理されていて、最終的に答えを出せる様二つにまで絞り分けてあった事柄の、2つの点と点を結ぶ線を見つけるだけだと思っていたけれど、簡単に答えが出せるかといったら、ここまでしていた父でさえ分からなかった線上は、数日の滞在で分かる筈は無かった。


見た事のなかった書類には、鳴海家の事柄が記載されていた。

現在の鳴海一族の名が綴られていて、鳴海一族のそれぞれの土地所有者の名が記載されているものだった。


鳴海茶農園は、鈴音の点てていた“ 鈴情の昔 ” 濃い茶の抹茶の出所を拝聞した時に教えてもらって知っていた。

プロジェクトが途中で止まった山側の森。その辺り一体は、段々畑の様な茶農園であった事も自分が自ら足を運んで見て来ていた。

橋が必要な山肌には、時期を終えた背の低い茶の木が並び、今年の新茶としてこの時期に抹茶が出回っているだろうと思いながら歩いていた。宇治の様に名産地ではなくとも茶農園を潰し、見晴らしの良いこの場所にホテルを建てる事は、茶の湯を嗜む者にとって心苦しい想いを覚えていた。

農園の土地所有者は、鳴海夫人の名である事にも、夫人が茶道を重んじていると思えた。

屋敷のある土地に、鈴音の住む森の土地も、灯台のある岬の土地も、夫人の名で記されていた。
その下に・・・

後の後継者の名も綴られていて、鳴海怜 と第一後継者の名が記されていて
夫人に不幸があった時に全てを受け継ぐのは、怜であり・・・
鳴海一族企業コーポレーション、土地だけではなく所有する会社の全ても怜の名が記されていた。

でも、第二後継者、第三後継者・・・

そうやって怜に何かがあった場合、次期継承者の名も、継承する土地毎に綴られていて
その中に・・・・

鈴音の名も記載されていた。




でも・・・




このたった一枚の書類に、違和感があった。


「 何・・? どう云う事? 」


書類を見詰めながら、ポケットから携帯を取り出し椅子に座った。
デスクの上に携帯と書類を置いて、引き出しのファイルキャビネットを開ける。

鈴鳴り岬のリゾート計画についてのファイルが山とある中から、山延の会社から受け取っていた土地所有者リストを取り出し、続いて怜の方は企画会社からと建設会社からの土地所有者リストを取り出してみた。


自分が感じた違和感が思い違いでなければ・・・

プロジェクトを始めた時に山延から受け取っていた書類には、この後継者の名に代議士が入っていたはずだった。

それに、山延が仲介して鳴海のただ今は総支持者である怜に出会ったわけだから、怜と知り合う前に鳴海コーポレーションの方から受け取っていたプロジェクトを始めた頃の書類にも、代議士の名が記載されていたと記憶している。


双方のリストにその時、違和感を感じる事は全く無い同じもので、今見ているこれは・・・

誰も隠れ見る事が出来ない

自分しか知らない封筒の結び方を父がするほど、密かに伝えたかった書類の中のもの。


代議士の名が記載されていない事は・・・
公家の出の婿養子だから、そちらの血族に全てが流れて行かない様にだと、今なら考える事はできるものの・・・

第一継承者である怜が、どうしてそんなに土地の事に真剣に成る必要があるのだろう・・・

怜は、何か表に出せない、鳴海一族の秘密を知っているからこそなのか。
笑顔で与える威圧で、Yesとどんな人にも言わせる術を持って、時に慎重だと感じるほど綻びなくプロジェクトを急いで進めている。

国内最大級のコーポレーション企業の社長としてでなく、国の政治を動かす議員に成りたいと向かう怜は、血統だけではどうにもならない何かを知っているのだろう。

鳴海代議士が土地所有者であると、公にされた書類が何枚も出てくる中で、たった1枚だけ違うこの書類がもしも父からの物でなければ、間違いと云う判断で、信用おけぬその社との繋がりを絶っている事だろう。


きっと、父が一番手こずり プロジェクト達成ならなかった重要点だと考えた。


何枚も出てくる他社からの同じ書類に・・・


全ての会社が鳴海家に騙されているのか、それとも全ての会社に自分が騙されているのか

どうしても確認したくなっていた。



鳴海家の晩餐で・・・

蝶子が父親に甘えている姿を思い出していた。


父にも兄にも愛を懇願していた子。
今まで見てきた重鎮寡黙な代議士の仕事での顔と、娘へ向けた優しい笑顔の違いは、自分の父が自分に向けていた様に仕事での会長としての振る舞いの裏に、心優しき実直な姿が隠れている事と同じだと思えた。

それに、早朝・・・

正面玄関から酔って帰って来た代議士の声も聞いていた。

鳴海家には婿養子である代議士は、居場所が無いのか・・・
国会議員という肩書きだけを、鳴海家に利用されている様な言い方にも、代議士は鳴海家への婿入りを望んでしたのではないのかとも考えられる様だった。

Mimi’s Image Music * Brother / Orbits
兄弟 / 軌道・勢力圏 

代議士に、自分一人で直接話が出来るようにアポイントを取ろうと携帯を手に取った。


________ R・R・R・・・R・R・R・・・R


でもこれには、先に東京に帰って来ている代議士に、先日まで代議士の息子の親友として泊めて頂いた礼と鈴鳴り岬で礼を述べ損なった侘びと、この土地が欲しい社の社長として、公にされている方・・・

父からのものを除いたその他の書類に記載されている・・・

土地所有者である代議士に、所有者と社長としての立場でのアポイントだった。


_____ はい。鳴海事務所です。


電話の向こう側から聞こえたのは、受け付けの女性の声だった。


「 鳴良と申しますが・・・」


代議士とは今日電話のアポイントも取っていない旨を伝え、これからアポイントを取りたいと伝えると、秘書室に繋げてくれると言う事だった。


_____ 少々お待ちくださいませ・・・


「 ありがとう 」



その声の後、回線を回している間、音楽が鳴っていた。

同じフレーズを繰り返す、歩行者信号の様な音。
でも、“ 紫竹調 ”の曲に、鈴音の森を思い出さずには、居られなかった。

フレーズが丁度終わる時に、もしもし・・と男の声が聞こえてきた。 


_____ 大変、お待たせいたしました・・・


「 もし・・も・・・」


鳴海事務所の秘書の男の声は、自分が言葉を返答し切る間もなく続いた。


_____ 鳴良社長様ですと・・・

   ふっふ。 剣? 剣だろ?


「 あぁ・・あれ、怜? 」


_____ 当たり前だろ。俺一応、第一秘書の中の一人だぜ。


「 そうだよな。代議士へのアポイントだったら、その部屋に行くよな。 
  そっか・・・ やっぱり、怜も昨日か今朝、帰って来ていたのか・・・」


怜に繋げられたのでは、代議士に聞く事を何故?と問われそうだと思っていた。


ふぅ・・・

電話に入らない様、小さく溜息を漏らし目を閉じた。


ここにも鳴海家の者に止められる様にされている・・・

よくよく考えたら、国会議員に怜が成りたい理由も分からないままであった。


ただ社長だけをしていても、時が来ればプロジェクトは完結するものである。

直接代議士に会って何かをされない様になのか、代議士の周り全ては囲われて、鳴海家の都合良い方向に必ず持って行かせられる流れにされていると、なんとなく感じてしまった。





『 じゃぁ、もしかしたら・・・ 』


料亭に行った次の日、朝から怜と2人だった日。
鳴海家の他の誰にも会う事無く、一日部屋で二日酔いの思い頭を抱えながら、書類とPCとの目の往復で費やした日。

PCの横で・・・

一輪のりんどうの花が

その香りを振りまいて

自分の思考を蒼い世界に連れて行った時間・・・・・



デスクの上に置いていた、自分の名刺入れを開け、中からそのりんどうの花を取り出して眺めながら怜と話し出した。


_____ あぁ、そう言わなかったっけ? 




あの日・・・

代議士の地元活動を昼間一日、重たい頭を抱えながらこなして真っ直ぐ帰っていた怜と、夕日の暮れたばかりの早い時間に夕食を終えて、早々に2人で立ち上がった時の事。

あの後、鈴音の屋敷に行くよとは、隠された存在の妹を知っていても、知っていると怜に言うわけにいかなくて・・・


『 そうだな 』


代議士も夫人も蝶子もいなかった怜と二人だけの食事の方に、気の置けない友との食事は気が楽だと感じていた。

でも気の置けない友と感じていても、その気の置けない友の隠している妹に会う事が、言えない事が心に引っ掛かったまま・・・

東京にもしかしたら帰ると、それとなくお互い話していた怜との会話を思い出していた。





「 あぁ。言ってたね。そうそう・・・
今朝経つ時、会わなかったから。 」


_____ そうだな、剣も帰って来てたんだ。 
    ま、俺が出たのは、早朝だったし。 


自分が、鈴音の屋敷から帰ってきたのは、誰に言うわけにもいかない・・・・


_____ メイドに聞いたら、散歩では?って言われてさ。 
    毎朝夜明けと共に、散歩に行くって・・どうよ?
    年寄りの早起きみたいだって、密かに思ってたぞ。 


     ・・・で? 
         お前・・ どこ行ってた? ・・・・・・   




散歩に出かけたのではなく、早朝玄関が開く時間を見計らって、通用門から帰ってきていた俺だった。

なんとなく、散歩に出かけたと言ってもいいけれど、森にも岬にも灯台にも近づくな。と怜に言われていた事に・・・
屋敷の周りを散策しないで欲しいと言われた様で・・・


子供のお遊び・・・

そう表現したけれど、怜が言っていた その、うろついている悪い輩のボス・・・

鐸杜

彼から送られてきた箱の上で、ただ手にしている一輪のりんどうの花を眺めていた。




スゥ ―・・・



息を静かに吸い込んで、まだ仄かに残るりんどうの香りを胸に・・・


「 怜。 夕べは・・・
  どこに行ってた?・・・ 」


鈴音の屋敷に自分が行くよりも、先に屋敷から消えて行った怜は _________



社長同士の仕事のパートナーでもなく

代議士秘書と依頼者の立場でもなく

土地所有者と買収企業の立場でもなく


親友としてでもなく・・・

ただ・・・・・






その昔々・・・


昔々からの想いが込み上げる様な、懐かしさ・・・



  “ あなたさまのここが・・・
     ・・・お知りに成られていますよ ”


優しく子をあやす様に、心の在る場所を叩かれて、乳母が言っていた言葉。



この心の中には・・・
赤い炎と、青い炎が、燃えていた様な 2つの感情


なぜ・・・
2つの感情が混ざっているのだろう


勘 という鋭い第六感が教えてくれる事は、父から譲り受けたとだけ・・・

その、1つだけは、はっきりと分かる。





社長同士の仕事のパートナーでもなく

代議士秘書と依頼者の立場でもなく

土地所有者と買収企業の立場でもなく



親友としてでもなく・・・


ただ心に想いを抱えた人と、それを知る一人の人として・・・・・





Myth. BLUE BELL Back Stage for Act 10 * AN -OTHER Morn  ™ From far away beyond beautiful sea.



mimi’s Image Music * Life / Newton’s Cradle / Under wood / Waterways
生涯 / 重力の揺り籠 /  森の中で  / 水の流れる先 



満月の夜  .

昨夜の起り ・・・   .  


その・・・ 夕べ・・・・ ____________







「 ・・・鈴音

 一体・・・ どう云う事・・・」



煌々と照らす満月をその背に背負い、満月の裏で輝く陰の様に、その表情を影に・・・隠し・・・



「 れい は・・・

  ・・・くすっ・・・直ぐ後ろ 」





“ それはですね・・・ あぁ、いえ・・・
  ・・・お知りになりたいですか? ・・・鳴良さま? ”



言いかけて、止めた・・・

自分で答えを見つける術を、心の中に持っていると言わんばかりに



その窓の無い壁際に、目を向ける事は・・・



今、目の前に座る

濃紺の藍に月の光を共鳴させる様に受け継いだ家紋を輝かせて、蒼い影に佇む様に

膝に抱いた白猫の長い毛に、月の光と家紋の銀を反射させていて



________ チリ チリ チリ チリ・・・・・


首輪に付けた 錫の鈴・・・




怜と乾杯をした時に、その金属音を響かせる事無く

“ 沈黙 ”という表現が似合っていた。

その作者の人生の様に、何も言わずに輝いていて・・・




どうして、鈴の音が・・・

          ・・・鳴る・・・・・


響くように・・・

         心の底から叫ぶ様に・・・



瞬きも出来なくなった自分のこの心の中を感じて・・・





___________ チリ チリ チリ チリ ・・・・・・・・・・





この鈴の音と・・・


老いも若きも混じった様な

たくさんの人・・・


銀の家紋を背負い鳴海の一瞬を刻み続けて

歴史の中に生きてきた人達がここにたくさん・・・

居るかの・・様な・・・







クスクス・・・キャハハ・・・

    キャァ・・グワッ、うふ・ハハ・・・
  フ・・くすっ・・・・
         キャッキャ・・フフ・・キャ・ギャハー
うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・

                 ・・うふふふ・ふ・・・・





うっそうと茂った背の高い樹々が覆い尽くす、暗闇の森の中で・・・

樹々に隠されて見えないはずの満月は、遮る物無く全姿を窓に、その輝きを背にして、自らの表情を影に隠した少女。



________ シャラ・・・シャラ・・シャ・ラ・・・・



窓の無い壁際に目を向けようとした時、天女の様な彼女が現れた時と同じ鈴の音が聞こえていて


________ シュルッ・・・


布ずれの音が背後で聞こえたと同時に、紫色の江戸更紗で目隠しされた。

この屋敷に連れて来られた時と同じ様に・・・



確か・・・
りんどうの花を野に咲く様に活け、その花鋏にこの紫色の更紗の端布を、蝶の容に結い
同じ着物生地の振袖を着て、怜の奥さんを気にしていた・・・



クスクス・・・
きゃはっ・・・
キャァァ・・・
うふふっ・・・
ガハ・フ・・・
ふふふふ・・・



自分の正面にいたはずの笑い声が、背後で聞こえていた。



チリ・チリン・・・
シャラシャラ・・・



2つの鈴の音が聞こえて、足元にふわっとした感覚までも、亦訪れて・・・



茶室で濃茶を点てていた、濃紺の藍染の着物を着て髪を結い上げた彼女と
二階の廊下から見下ろす様に通った、真紅の着物を着て長い黒髪に紅のリボンを結んで、微笑んだ顔を思い出して・・・


「 鳴良さま・・・ 」


目を隠されて見えなくても、炉の炭の香りがする彼女が傍にいる
炭火にくべられた練り香の独特の香りに・・・

頬に吐息をかけながら囁きかけられて、電話で話した様に聞こえる声。


「 なりよし・・ さま・・・
  ・・うふふ・・・・」


吐息を唇に感じて、反対の頬に声を感じて・・・


両頬をそっと触れる手が、声と共に感じた吐息の感覚を掃われる様で

左右対称に触れる指が離れると、両肩に手を置かれ、背筋に痺れが走ったら

両肩に手が触れる感覚は、両腕をそっと同時に伝い下りてきて・・・




正面を見詰めたまま動けなくなる程、困惑した自分がまた蘇り・・・

動かす事を思う思考も閉ざされて、指先までも凍り付いた様な身体に、触れられて・・・




彼女の手では、ないかもしれない





ゆっくりと肩から滑り落ちてくるような感触は・・・

              ・・・自分の腕を包みこむほど、 大きな・・手・・・



両腕に感じる・・・

腕全体を包まれて、両腕を同時に伝い下りてくる手の感覚に・・・・




紅と藍が・・・



紫色の江戸更紗で目を隠された、この屋敷での始まりを

2つの色を心に感じて

どちらが本当なのか分からぬまま・・・




________ チリ チリ チリ・・・・

________ シャラ・・ シャラ・・・





2つの鈴の音が、鳴り響いていた始まりを・・・




両腕を包みながら、徐々に伝い下りてきて

手の甲に、指だけが触れる感触を残したまま

同時に両手を握り繋がれる・・・



その手は、小さくて・・・



両腕を包みながら伝い下りてきた、大きな手が消えていて・・・・





フ・・ふふ・・・キャァ・・グワッ、キャァ・・
     うふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
    フフ・・キャ・ギャハー、うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
・・うふふふ・ふ・・・・キャァ・・グワッ、うふ・ハハ くすっ、キャッキャ・・
         フフ・・キャ・きゃきゃぁ・・うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
   うふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
         フフ・・キャ・ギャハー、キャァ・・グワッ、うふ・ハハ、あははは・・・
 フ・・くすっ、キャッキャ・・キャ・うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
     ・・うふふふ・ふ・ふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・

クス・・クス・・・
・・うふふふ・・・・




自分の周りを、彼女の笑い声が包んでいた。



手を繋ぎ、くるくると回り、方向を失わらせる歌声が


________ チリ・ シャラ・・ チリ・ シャラ・・


小さくなる鈴の音と共に聞こえていて・・・・




________ チリ チリ シャラ シャラ 

  ・・・クスクス・・・



「 かごめ 籠目 」



________ チリ チリ シャラ シャラ 
       
  ・・・うふふ・ふ・・


「 かごの中の ・・・りは 」



チリ チリ シャラ シャラ
   ・・・きゃぁ・・・・


「 幾日 いつ 出逢る 」






「 歌って・・・ 」



キャァ・・グワッ、うふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
フフ・・キャ・ギャハー、うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
キャァ・・グワッ、うふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
フフ・・キャ・ギャハー、うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
・・うふふふ・ふ・・・・
・・うふふふ・ふ・・・・





謡い声と笑い声が入り混じったまま、その場をくるくると回っていて・・・



「 ねぇ、・・鳥 では、ないの・・? 」





「 鳴り かしら・・・? 」

・・・うふふふっ


________ チリ チリ チリ・・・・



「 ものを言う・・・
  ・・・口の付いた、鳥。 」

・・・クスクスッ


________ シャラ シャラ シャラ・・・





・・・・夜明けの晩に _______________. . . .




キャァ・・グワッ、うふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
フフ・・キャ・ギャハー、うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
キャァ・・グワッ、うふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
フフ・・キャ・ギャハー、うふふ、くすっ・・ガハ・ふ・クスクス・・
・・うふふふ・ふ・・・・
・・うふふふ・ふ・・・・






「 うしろの 正面 ・・・
 
  ・・・だぁれ ________. . . 」






・・・・うふふふっ・・

・・クスクスッ・・・・



高らかな笑い声と混じって、叫ぶ様に大きな声で聞かれるのは・・・



「 誰? 」



耳に劈いた高く大きな声が頭の中にこだまの様に響き続いていて
山の中を抜ける無音の風が、こだまを流してしまう様な、囁きが・・・・・


「 ・・・でしょぅねぇ 」


自分の口からの言葉を促す様に・・・ 

言葉を発する唇に、風のような吐息が触れながら囁いていた ______________




くるくる回る走馬灯の中に、紅の影絵と蒼の影絵が、窓の無い屋敷の壁に映っていて・・・

緑の苔生す、小さな命の気泡が弾けた、澄んだ水の流れを、溜めた上に浮かばせて・・・

風が運んだ りんどうの香り・・・・



・・・この部屋にも、同じ りんどうの香華を漂わせて



「 ・・・れい って、言ったよね? 」


「 中り。 」



急に両手を引っ張って、走り出そうといわんばかりの両手の引きに、がくっと頭を後ろに引かれた。




_____ お走りになられたら、危のうございますよ。
    鳴海の者として、急ぐ必要は・・・

    ・・・生涯、どこにもありません




両手を引っ張られ翔け出した歩みが、突如止められて

ゆっくりと両手を引っ張られて・・・

両手を繋いでいるにもかかわらず、腰に触れ背中を上に伝う両手の感覚があって

背中をその両手が、首の方にゆっくりと登ってきて・・・



首から顎にかけて両手で触れ・・・

繋いでいる両手は、ぎゅっと握られていて・・・



右も左も同じ感触に・・



「 ・・・ すず・・ね・・・? 」


「 はい。 なり・・よし・・さま・・・?」



うふふふ・・・
クスクス・・・
きゃはっ・・・
キャァァ・・・
うふふっ・・・
ガハ・フ・・・
くすっ・・・・

 

彼女の老いも若きも混じる笑い声に、屋敷の中を歩かされていた。


________ チリ チリ チリ・・・

________ シャラ シャラ・・・・


鈴の音と、足に触れるフワフワの感触と


________ にゃおん


猫の声・・・・





「 鳴良さま・・・
 ・・・もう一服、いかがですか ________ 」



鈴音の声だけが・・・

頬に掛かる。




_____ 花と月と・・・


ぼそりと聞こえる彼女の声に・・・



「 そうだ、花月でもして お点前を拝見させて頂いても 」


うふふ・・・


________ チリ・・ チリ・・ チリ・・・・

シャラ シャラ・・・




_____ いいえ、満月の夜・・・


小さな彼女の声が・・・・



「 月茶箱にいたしましょうか・・・・ 」


クスクス・・・


________ シャラ・・ シャラ・・・・

チリ チリ・・・・





窓の無い壁際に目を向け、霞め見た・・・

紫色の江戸更紗の振袖の端布に、その視界を閉ざされて




屋敷の壁は、直ぐそこだった・・・

そちらの方に、手を引かれている様な気がするのは・・・

・・・なぜだろう . . . ____________




それでも屋敷の外ではない空気の香りの違いに・・・



心だけが知っている、方向に何があるのかは分からないまま

心だけが知っていると教えられた、その方向に連れ行くよう、自ら歩かされ・・・


後ろから聞こえる乳母の声も

前から聞こえる乳母の声も・・・・



両手を繋いで歩いているのに、背中を押している冷たい手は・・・・




誰・・・







れい・・・・・・・・・






・・・・は・・ 
    ス・グ・・  ウ・・ 
              シ・・ 
          ロ・・・






             きゃはははは・・・・
       キャァ・・グワッうふ・ハハ、フ・・くすっ、キャッキャ・・
     フフ・・キャ・ギャハー・・・
                  きゃはは・・・          
                         ・・・くすくすくすっ・・・

          うふふ、くすっ・・
      ガハ・・ふ・あははは・・キャァ・・うふ・ハハ・・・
            フ・・くすっ、キャッキャ・・
                くすっ・・クスクス・・

                         ・・・うふふふ・ふ・・・・







 チリン・・   チリ チリ・・・・

シャラ シャラ・・ 
   
シャラ・・・・





Act 10










『 子供のお遊びに・・・


・・・・・見えたけど 』





_____ でも、子供の方が・・・


・・・・・厄介だろ . . . ______











Act 10 後編の前に・・・

Myth.BLUE BELL - CM - ™ FROM FAR AWAY BEYOND BEAUTIFUL SEA.

  Myth. BLUE BELL - CM -





                        
 ☆ こちらの作品は、2015/02/15 にUPしましたが、作品を一箇所に纏める為に日付をずらしました ☆


                                     .
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mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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