mimi's world * HOPE and DESIRE

_______ BE-lie-VE * be-LIE ve * believe...the SHAMs for heart healing * mimi's world-7 _______

Myth. BLUE BELL - Act.13 - Second 




Myth.BLUE BELL - Act 13 First Half


Myth. BLUE BELL - Act 13 * Second Half

mimi's Image Music * Two Trees / Waterway









「 じゃぁ、時間になったら電話して。 」


________ ピーポー・ピーポー・・・・・ .


救急車のサイレンが聞こえてきたので、急いで車を移動してと伝え

病院の中に入って行った。                .




個室の並ぶ病室の廊下には、ベンチに座りたくさんのスーツを着た人達が座っている。

いつもの光景。 ・・・だった。      .


年配の会社重役や、会長、社長などが入院しているその特別階。
それぞれの個室の前にベンチがあり、見舞いに来た他会社の社長や重役が引き連れてくる
運転手や秘書に部下達が待つ為である。

山延の個室前のベンチには、誰も座っていなかった。

病室に行く間に、知り合いのオヤジな社長の重役の・・・
こちら秘書も、お年を召していらっしゃいます。な・・・人が立ち上がり、挨拶をされていた。

めんどくさ~・・・ とも思うけれど、自分は秘書を連れて来なかった。

救急車が来なければ、秘書も一緒に来るはずだった。
秘書が居れば、秘書がきちんと挨拶を返してくれるし、秘書は秘書同士
色んな情報交換を、時に聞きだしてくれていた、自分のやり手秘書。

自分がこの場で長話をするわけにも、もちろん
・・・いくわけない。          .


んだから、さっさと病室に向かった。        .





_____ はいどうぞ。            .


「 俺。                 .
・・・怜。 」            .









個室の並ぶ病室の廊下には、ベンチに座りたくさんのスーツを着た人達が座っている。

いつもの光景。 ・・・だった。



お年を召した会社重役や、会長、社長などが入院しているその特別階では、それぞれの個室の前にベンチがあり、見舞いに来た他会社の社長や重役が引き連れてくる、運転手や秘書に部下達が待つ為である。

山延の個室前のベンチには、誰も座っていなかった。


  よかった・・・ 誰も居ない


そう思いながら、途中立ち上がって会釈される他会社の秘書に、会釈を返して歩いていた。
病室の前に来ると、閉っているドアにノックしようと手を向けた時、中から話し声が聞こえていた。


  ・・・ん~~、自分が知らない人だとな。


一瞬だけそう考えたものの、わははは~!と笑い声が聞こえてきて・・・
その声に・・


 ・・・ 怜の声


  なんだ、怜も来てたのか・・・



ふっと蘇ったのは、先ほどの丁寧な運転の女性だった。


 あぁ、あの人・・・ 

  ・・・怜の秘書だったか。


ノックしようと手をドアに向けていた __________






________ コンコン


ドアをノックすると、山延の声が直ぐに聞こえた。


_____ はいどうぞ。            .



「 俺。 ・・・怜。 」            .


よかった~、誰も居なかった。そう思いながら、ガラッとドアを開けた。


「 うぃ~す。どう? 調子。 」        .


_____ あぁ、何だか分からないけれど、別に元気だよ。


「 そうだな、そう見える。 」         .



今日は、剣との電話で出社が少しだけ遅れた。でもそれ・・・

俺の事をとてもよく分かってくれる秘書が、俺についた言い訳。



“ 本日は、Deep Seaのご気分でしたら       .
   その深い場所まで・・・・・          .

   それでは、少し遅くなりましたので・・・    .
   本日会議後の執務を取りやめ、会合の前に    .
・・・その間の時間を空けておきます。 ”   . 



夕方の執務を削って、時間を空けてくれた ちょ~過密スケジュール。

明日また、鈴鳴り岬に次期選挙準備に帰らないと、とも考えてくれる。
・・・元、代議士事務所の受付嬢。        .

深い話がしたいとの、ご気分までしっかりと・・・・

俺が山延の所に寄りたかろう・・・なんて、気持ちまで読み取って
よ~く出来てる、頭脳に仕事振りに、俺の扱い。それに・・・

スタイルも顔も、んで身体まで、よ~く出来ている。     



ま、山延が話している事も、めちゃめちゃ、よく分かる・・・・・   .


_____ いや~、廊下に出るとさ・・・            .
    オバサンかオヤジばっかの秘書軍団に、大変で・・・。 .

    み~んな、怜の秘書みたいな子を連れていると     .

・・・目の保養になるんだけどね。          .


「 だよな。 」                      .


分かるわ~・・・と言いつつ             .
今日は外で待ってる、ごめんな~と話していた。    .







________ ノックしようともう一度手をドアに向けたが・・・


聞こえてきた話は蝶子の事。

妹との結婚の事を尋ねている、らしい・・・

それには、自分が関与する話ではないし、よく分からないから
頃合を見計らってノックしようと、壁に背をついて立っていた。


事務所に電話を掛けた お昼過ぎを思い出すと、今日はマセラッティで出社したはず。

秘書が今運転していたのは、マセラッティではなかった。
社用車だと考えると仕事の合間を縫って、お見舞いに来たのだと・・・

今日、帰京したその足で、妹の婚約者であり、将来の義理の兄弟であり
怜の奥さんが、学部の違った2人を結んだ縁での親友であり・・・

自分と比べると、怜と山延の間には、長い親友関係の時間があった。


怜が結婚してから大学に入学してなければ・・・
この2人は、出会う事なかったのかも知れないと考えていた。



それに、もしも

怜の許婚が緑さんではなかったら・・・



  “ 子供の頃から決まっていた許婚 ”



_____ ゴクッ・・・・


それを考えたら・・・ とある仮説に辿り着きそうだった。


長い髪を下ろした、怜の秘書の見慣れた顔にも・・・  

・・ ふっ ・・・と、脳裏を掠め


ガラス張りの喫茶店の横を、背中から吹くビル風の中歩いていた横顔に、横断歩道で止まって髪を肩にまとめて掛けていた首筋と横顔に、はっと思い出して顔を上げた。





その瞬間、背中越しに2人の会話を、聞いてしまった・・・





「 なぁ、ちょっと聞きたい事があるんだけど・・・ 」


ん? なに? 改まって

なんだよ、怜らしくじゃんか・・・・





2人の会話を聞きながら、自分が思い出した事・・・

怜は妹・・・



蝶子の話を聞いていて、蝶子の嘘を吐けない性格にも、純朴な少女だと夫人を褒めたくなった。
二卵性双生児の似ていない2人は、やはり性格は似ていると思いながら

・・・蝶子と鈴音の事を思い出していた。




Myth.BLUE BELL -Act 2




蝶子には・・・


『 あの岬には・・・近寄るなと、お父様に言われています。 』


闇の中の森を抜ける動いていた灯りが、彼女のものか確かめただけだったけれど、返された答えは、違うものだった。

親友が恋心を抱いていると知っているにも関わらず、朝食時、俺の手の上に手を重ねてきた彼女。
男性と付き合いをした事がないと言っていたわりに、興味の湧いた男には積極的だという事も・・・

親に知られるのが嫌で俺に嘘をついているのかと、心を開かせるように顔を寄せ合って態と、“ 逢引 ”隠れてデートだよね?と聞いてみたけれど、それは嘘ではなかった。

全く嘘ではない、彼女の驚愕とした表情に・・・

謎をかけるように言葉を選んだその答え、そう朝食の場でしっかり言われた事。


それに・・・・



『 鈴の音・・・ 』

『 ・・・が、 聞こえるとか_______ 』




なんだかな・・という薄茶の味に返答できなくて、その前の日ずっと気になっていた事を聞いた自分。
朝食の場にも、お点前中にも、彼女は震えて何も出来ない様に、思い出さずには居られなかった2つの時。


・・・鈴の音は、本当で


あの場所の鍵を持った人物は、アイツ・・・


  『 鐸杜です。 』


耳の中を頭の中を心の中までも、廻り犯し鳴り響く鈴の音に・・・


  『 鐸杜・・・ 待たせたな ・・・』


そう言った鈴鐸の誰かに、繋がった

自分から名を言ってくれたアイツ・・・


一期一会の出遭いを自分に感じてくれた、鈴鳴り岬に鈴の音を創った


  “ 鐸杜 領 ”



茶の湯に興味の無い男が・・・・・

自分の名刺を差し出す時、茶器と同じ扱いで二引きをし清め、茶通箱や茶箱と同じ様に二回持ち替えながら、正面を受付に向けて差し出したと、部下が言ってくれた。

 “ 茶道具だと、思いました ”

年配の受付部長が思うほど、丁寧に差し出したのだろう ________. . .



千利休は、物は無くても心を込めて訪れた人に もてなす という事から創めた。

一口の甘味に、数口のお茶。 
たったそれだけしかなくとも、1泊を求める旅人や墓参りに訪れる檀家の方に、心を込めて癒しを与えたいと思った事から。

乗り物の無い時代。ずっと徒歩で砂利道の街道を遥か遠方から遥か遠方へ向かう、金を使い果たした疲れた旅人に・・・
愛しき人を亡くし、仏としてこの世から見送る最後の念仏を唱える時も、故人を想い墓参りに訪れる人へも・・・全ての心に癒しを与えたいと、人を想う事から創った。

その点前とは、その方に触れる・・・目に触れる、手に触れる、味覚に触れる。

それら全ての触れる物を、心を込めて大切に扱う事で真心を、その物に・・・


鐸杜の様に


心や命を入れる。 この表現がとても合っていると思う。


今の時代でとても高価な趣味だと思われるけれど、真髄はもっと単純で心を込める事だけ。
将軍や武将達が利休寺に訪れた際に・・・

徳川、豊臣 

葵紋の青と 朱印の赤

血縁の歴史を持つ徳川に、農民から天下を取った豊臣のニ家の統治者に、見初められて表千家と裏千家と流派を分けてから・・・
茶道具の価値を、土地と同じものに跳ね上げさせた将軍達。

ただ、愛するという意味だけでは・・・

自国愛を領地に持つ立場に、自身の心を癒す 人としての愛には・・・

人として、同じ愛だったからかと・・・
人を愛するという事と、仕事を愛するという事が重なって同じ価値であるということだと思う。



. . .________ 鈴音に習ったのか・・・


それとも、灯台の鍵を持ったアイツは、茶道を習った事があって、鈴音も付き合いを頼んでいたのではないかと・・・

茶箱の扱いに思い・・・

あの後の鈴音との、月茶箱の花月を思い出していた ___________. . .





mimi’s Image Music * Newton’s cradle / Life
落下先のゆりかご / 生涯






あい 

愛が必要なのかと言われたら

それには答える事が出来ないから




まだ・・・


自分には・・・


分からない


心の中にある感情・・・


それが幾重にも幾彩にも積み重なる



青と蒼と藍と深まる彩に重なり合う光景の様に

時を経る空の情景には・・・

朝焼けの光と共に星の煌きを覆い尽くし

見えなかった暗闇に・・・

蒼く澄んだ天の果てに 冷たい風の道を見せて

          空間の奥の果てしなさを映し・・・

寒風に晒されて 細かな水の結晶を空に浮かべ

          白い雲に時の流れを感じさせ・・・

深彩な あお に重なり合うのは

          果て無き空が闇に続くと・・・

1つの闇が透明な水の粒子と照らす光で 

          


重なり合う あお で、綺麗に闇を輝く様に魅せた

純粋な 吾汚い 陰




心を燻すその色が

胸の内を埋め尽くし創めて・・・




心の中の感情が、あいなのかが分からないから . . .





廻り続く走馬灯の影画の様に、蘇る過去の時が


様々なあお彩の、蒼に、藍に、青に、青紫に・・・


仄かに行く先だけを照らしていた石灯篭は、通り過ぎた風にすら消える青い炎

様々な、扇ぎに 呷ぎに 煽ぎに、揺らめて・・・

微かな命の灯火は


心やいかがあらむと厭かず思ひけれど のままに・・・


燃える糧が尽きるまで





________ かすみがかる 時のままで・・・・・・

・・・・にしにつきがかえる 時のままで ________






鈴音・・・


「 ・・なにを 」


それは・・・


「 紅だけでなく、蒼の方は 」




いかが・・・

・・・いかが



いかが・・・  いかが
いかが  いかが いかが・・・
・・・いかが いかが
いかが いかが  ・・・いかが
いかが  いかが・・・
・・・いかが いかが  いかが
いかが ・・・いかが
いかが・・・ いかが いかが


・・・いかが
いかが・・・・


「 なりよしさま・・・ 」



きゃはは


くすくす・・・・ 

・・・・うふふふ




「 蒼の 鈴情の昔はいかがでしたか・・・」

________ チリ チリ チリ チリ・・・




鈴の音が鳴り響く館の中で



シャラ シャラ シャラ・・・

・・・チリ チリ チリン  . . . _________



後と前

下と上

左と右



全ての方向から・・・

全ての方向から、彼女の声が混ざって聞こえる。


・・・鈴音



「 あら・・・ 」

・・・くすくす


_____ なりよしさま・・・ 

・・・・ウフフフ





鈴音に囲われる両腕に、着物の袂で周りの視界を閉ざされて

鈴音に握られている両手は、ぎゅっと手を握り締めていて・・・



握られている両手は誰の手・・・


そう思い瞼を閉じた鈴音を見詰めていた。

何か分からない感覚に埋め尽くされている瞬間に・・・



足元を通り過ぎた ふわふわの感覚


________ にゃぉん


猫の鳴き声・・・・ 


________ チリン

          チリン

               チリン
 
                   チリン

                        チリン
  
                             チリン

                                   ・・・



白猫の鈴の音が、階段の上から転がり落ちる音が聞こえていた。


鈴の音が止まると・・・



________ シャラ シャラ・・・ シャラ・・・



違う鈴の音が聞こえて・・・


頭の中がパニックに成りそうで、目を瞑った。




目を瞑ると、階段の突き当たりに並んだ、肖像画が頭の中に思い浮かぶ。

こちらを向いて笑いかける、並んだ肖像画の中の 令 のついた人物達・・・

肖像画の周りを飾る銀のフレームは、窓の無い屋敷の中心で、月明かりに共鳴する様に蒼白く輝きながら、こちらを見下ろしている様だった。



華族の血の流れに誇りを持った人物たちが・・・

父を蔑む様に鼻で笑って追い返した様に

自分にも同じ様に蔑み嘲哂っている様に、感じて・・・

瞼をぎゅっと閉じていた。




頭の回りを包み込んだ由緒ある着物の古地の匂いに、炉の炭の燻された香りが混じっていて
炉辺に燃える月食の中の鈴音を思い返される。



「 なりよしさま・・・」


目の前から聞こえる鈴音の声に、着物の袂で視界を塞がれていても
令 の付いた華族である鈴音が・・・

肖像画たちと同じ様に、人形の様に笑う・・・



・・・蝶子にも感じた、感情の無い笑い

怜も時々見せる、冷たい笑い・・・・



その顔を見るのが怖くなって、目を開けることが出来ないでいた。



「 どうされましたか・・・? 」 



背後からその声が聞こえて、冷たい指先が頬を撫でていた。

着物の袂で顔を隠す様に包む・・・
首の周りにも頭にも抱きついている感覚があるのに

頬を撫でる感覚も彼女の手で



「 もう一服・・・」


唇に囁きかけられる言葉に・・・・



いかがですか ________ 



きゃははは・・・


・・・クスクス

うふふふ・・・・・・




聞こえる笑い声が、八方から、右の耳にも左の耳にも響き渡っていて

胸の奥まで大きく息を吸い込んで、思い切って瞼を開けた。

着物の袂で囲われた中で、見えるのは彼女だけ・・・

開けた目の前には鈴音が居るけれど、彼女の瞬きにそのまつ毛が鼻に触れるほどの至近距離では彼女なのかも分からないほどで・・・

瞳と瞳を合わせて見詰められた目は、笑い声に想像できない優しい眼差しで・・・


その時・・・

乾いた俺の唇を、紅を引いた彼女の唇が、右から左にそっと撫でた。



「 それでは・・・」


声を出せば、言葉と共に唇が触れて・・・


「 お付き合いねがえるのですか? 」



_____ ねぇ・・・ なりよし さま―――・・・・



背後からも聞こえる声に、頭の周りを囲う両腕に、前からも聞こえる声に、握られている両手に



________ シャラ シャラ シャラ シャラ・・・・・・


転がり落ちた鈴の音と違う 鈴の音が屋敷に響く。



「 ・・・どちらで? 」


「 何、どういう事・・・? 」


鈴音のどちらかを選べという意味のわからない質問に、抑えられた頭を引き寄せられて

質問の意味の分からない言葉を塞ぐ更なる質問に、口を閉ざす様に唇を重ねられた。

重ねられた唇に瞼を閉じた鈴音を、驚いたまま見続けていた。




______ 申しわけありません・・・




背後から、唇を重ねているはずの鈴音の声が聞こえていた。


「 なりよしさま・・・
  マナーは、いかがされましたか・・・」


目の前の鈴音が目を開いて、キスをしたままそっと唇に囁きかける。


「 ・・・そう
  キスに目を瞑れって言う事? 」




「 左様で・・・・・ 」




_____ 右様って、

どうして言わないのかしらね ―――・・・






心の中の感情が、愛なのかが分からないから. . .




もう一度重ねられた唇に瞼を閉じると・・・


右に感じる温かな鈴音の手に

左に感じる冷たい鈴音の手に


・・・それぞれ左右の瞼を抑えられていて


右に感じる冷たい鈴音の手が

左に感じる温かい鈴音の手が


・・・それぞれ左右の手を握り締めて





心の中の感情が、愛なのかが分からないから

あいがひつようなのかすら. . . .






“ 子供の方が厄介だろ・・・”


そう言った この子の兄、怜の声が・・・




デジャブの様に繰り返される。




元に戻る走馬灯の影画の様に、もう一度同じ事を繰り返されて・・・

それでも、心の中にはさっきと違う、青い炎が揺らめいている様で






________ いきはよいよい・・・

・・・ かえりは怖い ________




背後に聞こえる、鈴音の声に・・・

唇を重ねている目の前を確かめたくて、瞼を開けると

髪を結い上げた鈴音が瞼を閉じていた。



その瞬間、目を開けた鈴音と目が合って・・・



唇を重ねたまま、ニッと笑うのを唇に感じた。



    「 それでは・・

_____ 窓の無い茶室で・・

      もう一服
にじり 口から・・・

      どうぞ。 」

この頭を下げて ――― 




どうぞ・・・ いかが・・・

      ・・・いかが 

・・・どうぞ

いかが 
どうぞ いかが・・・

            ・・・クスクス
うふふ・・・

いかが・・・


  ・・・ どうぞ いかが 
・・・くすっ .






 どうぞ・・・・・―――






・・・・――― きゃははは _________ . . . .





心の中の感情が、愛なのかが分からないから

あいがひつようなのかすら・・・

・・・・ 分からなくて ______________




  ________ にゃぁ・・・・
                  ・・・・にゃぉん

             チリ チリン・・
シャラ・・ チリ 
・・シャラン・・ シャラ・・


                      チリ・・・


白猫の泣き声に、鈴の音が混じって・・・



鳴良さま

・・・ うふふっ .
          わはは・・・ 
 チリ      チリ   チリン                   チリ 
ここから

                       シャラ・・・     クスッ ・・・ 
   きゃははっ・・・                                 にゃおぉぉ・・・
      くすくす
シャラン・・     シャラ・・・

わたしを
・・・くすくすっ .
                  ふふふっ・・・              ・・・キャッ、きゃはは・・・
シャラ・・ シャラ・・              シャラ ・・・・
                          にゃぁ・・・
だして
チリ・・チリ・・・ .

                             ________ シャラ・・・




初めてこの森の中に連れてこられた時に

森の中に聞こえた たくさんの風鈴の音に・・・



彼女の心からの悲愴曲の様に聞こえていた、無機質な鈴の音 _______ . . .




「 鳴良さま 」



鈴音に呼ばれた声に、返す言葉が出てこなくて

唯、心の中に何かが吹いた気がした _________ . . .









それを思い出して・・・





『 あの岬には・・・ 近寄るなと、お父様に言われています 』


蝶子の言葉も・・・




『 あ、でもな・・・ 夜の森と灯台に近づくのは、やめてくれよ 』


怜の言葉も・・・



岬ではなく森に連れて行った蝶子

森と灯台と言っただけで岬と言わなかった怜




自分が踏み入った事に、後悔はしていなかった ________




妹は、姉妹の存在が、隠されている事を、心に咎め・・・

兄は、岬の土地を誤魔化している事を、心に咎め・・・・


この兄妹は、とても似ていると思った時。


裏を少し考えたら、自分にこの兄妹がそれぞれ・・ 
お互いの言葉にヒントを出し合っていた事と知らないだけ


  『 え~、いいよ。・・・いや、来ないで。 』


兄にも父にも愛を懇願していた妹と、話し合えていたら・・・


・・・よかったのかもな。 怜


妹からのSOSの様な愛への想いを、血の繋がった兄妹として受け入れてさえいられたら
家族を想う 愛 ・・・ 怜には、とても薄いと感じていた。



病室の廊下で山延と怜の話を背中越しに聞きながら、思いださせられた1人の人が居た。

髪を結い上げた鈴音に蝶子・・・

髪を下ろした鈴音と蝶子も・・・

ビル風に長い髪を纏めて肩に掛けた横顔が、着物の袂で隠した様に・・・

横断歩道で会釈をした怜の秘書は、喫茶店の中に居た事と・・・

怜の秘書は昔、代議士事務所の受付嬢をしていた事も・・




そう思い出しかけて、何かが繋がる様な気がしていた。





. . . ________ 踏み入ってもいいのだろうか・・・



自分を確かに呼んだ鈴音の声は、白猫の鳴声と鈴の音の中に、悲痛な叫びが混じっていたと思ったけれど


白猫に足元を掠められて、行く先を遮られた このりんどうの森の奥に

遠回りをして連れてこられた この蒼い世界の奥に

蒼い世界に自分で足を入れてもいいのだろうかと躊躇った自分・・・


蒼いその花が一輪ずつ様々な容に生けられて、壁に並んでいた森の奥の屋敷

蒼いその花が銀食器と一緒に生けられたアレンジメントは、復活した満月に共鳴する様に光を放っている様だった




りんどうの香りを運ぶ風が、鬱蒼と生い茂る深い森の樹々を煽って・・・

朝露が頬を濡らして、木漏れ日から覗く、蒼く彩付き始めた空を仰ぐと


なぜか・・・


・・懐かしい・・・


その想いが湧いた瞬とき __________



糧の尽きるまで燃やされて、糧が炭と化すと、黒ずんだ跡を残す


 銀には人の生きる痕跡を、指紋として
 金には人の命を絶つ企みを、毒として



銀 しろかね・・・



そう思った時、明るみに出していいものと、隠さなければならないものが、この世の中・・・
この社会に存在する事は・・

古の武将たちの時代にも行われていた事

現在において隠し通し、闇に葬り

その時に生きる人が墓場まで持っていき、全ての人が消えて

時代の記憶に忘れ去られるまで、隠し通し続けなければならないものがある人もいるのだと________





心の中の感情が、愛なのかが分からないから

あいがひつようなのかすら・・・

・・・・ 分からなくて ______________






AN-OTHER MORN' 2

mimi’s Image Music * TWO TREES / BURNING by Ludovico Enaudi







________ バシッ・・・


_____ なんだよ、怜らしくないじゃんか。


山延の大きな声が壁を通して背中に聞こえていた。
バシッと叩いた音までデカデカと、山延が怜を叩いたものと思われた。


_____ それで? 話したいのは、蝶子さんの事か?  


蝶子の話をしだして・・・


   そうなんだけど、その前に・・・        


怜の言葉も聞こえていた。


この2人は同じ大学のOBだから、学生時代からの付き合いで、会社を通して知り合った自分よりも長く知り合っている親友同士だった。

この2人には・・・

自分が知らない、共に過ごした学生同士の思い出がある事を考えると、時々この2人の時間を壊してはいけないと思う時もあった。
 

   まぁ・・・     
   ん~・・・ あのさ・・・      


怜が話し出したのは、蝶子の事より・・・ 母親の夫人の事からだった。





だけど・・・

それは、自分が思い出していた人物に関わる話に変わっていた。





「 なぁ・・・ 山延お前さ・・・」        .


緑と一緒に料亭に行ったか? ・・・ と、まず確かめた。
  

_____ いや? 行かなかったけど?        .
    なんでだよ?                .


緑さんの紹介だったから、お前んちで数日過ごさせてもらって、
自宅のシェフが何人もいる怜の家で、どこにも食べに行かなくても
十分堪能した。と、言っている中・・・ 

・・・ただ1つだけ、気に成った事が話に浮上した。  .


_____ そうだな、緑さんがお点前を茶室で披露してくれた。
なんだっけ?薄茶。とかって言ってたか?      .
回し飲みしない方の、カプチーノみたいな抹茶だよ。

あぁ、剣なら、分かるか・・・          .
    アイツ、先生できるぐらいだもんな。 .


「 そう・・・ じゃぁ、剣に聞いてみるか。 」    .


_____ そうそう、東京の自宅にはって、怜の自宅だけど .
   茶室がないからって張り切って、蝶子さんとお客を


山延は蝶子と並んで座り、なんだか三々九度のような雰囲気に
一人高揚して盛り上がったと言っている。        .

まぁ、緑は母親の弟子で、子供の頃から習いに来てたしな。と付け足して・・・

んじゃ、茶菓子は?とも聞いた。


もしも、藍とか 竜胆の花とか・・・

そんなのを使ったお茶菓子をパティシエに作らせていたらと・・・

この大学裏の老舗喫茶店に添えられる、エスプレッソに思い出す。

学生の頃から通っているから、どんな物が出てくるかは、俺も山延も知っている。






    なぁ、山延。               



怜が聞いているのは、生薬の話だとは、自分もそう思っていた。

リンドウ目リンドウ科の植物に、白に紫の花を咲かせるセンブリがある。
センブリの様に、昔から・・・良薬口に苦し的な、苦いほど自然に胃液を出して自然治癒力を促すものがある事を考えると、このリンドウ属の植物には約90属、リンドウ種は1700種類存在する。

実際、森の中に咲いていた りんどうの花は、1種類だけではなかった。

群生して咲く事の少ないりんどうの花。

廃墟が在る森の中には、白いリンドウも咲いていたし、紫のリンドウもピンクのリンドウも咲いていた。

その色とりどりに、咲くリンドウの中に・・・

たった一つ、鈴音の住む森に群生して咲いた、蒼い花が咲いていて・・・

その花を思わず摘んでしまった俺だった。



   この裏の喫茶店のエスプレッソに付いてくる・・・ 


   _____ あぁ、あの・・・確か青紫色の花で・・・



ドアから聞こえる2人の声に、料亭で俺も怜も考えていた、山延の病気の事。
怜も気にしていたと、怜の聞いている言葉に、俺は意味が分かっていた。



・・・あの後の鈴音


彼女が何かを訴えたかった事を考えていた。



“ お付き合い願えるのですか・・・? ”


あの言葉は、寝返る なのかも知れないという事と・・・
お付き合いという意味・・・


“ どちら・・・”


そのどちらと、自分に聞いた選択肢は、自分を鳴海家から連れ出して欲しいという意味に

男女関係の お付き合い という事だったのか、

もう一服 付き合えるかという事に、薄茶か濃茶か どちらがいいかと聞いた事だったのか、

それとも・・・・・



そう考え出していて、背中越しに聞こえる怜と山延の会話に、自分の鈴音との昨夜の出来事を重ねていた。





「 ん~・・・ じゃぁ、違うかな~・・・・」  .

_____ はぁ? 何が?             .


「 いや・・・別になんでもない。 」      .




___________ その直後・・・

怜がいつもの口調で、全く躊躇う事無く話し出した事に

目を大きく開けて、瞬きすら忘れるほど固まって聞き入ってしまった __________




   あのさ・・・


怜の躊躇いがちな言葉が途切れて、押しの強い社長をしている時と違う雰囲気を感じていた。


   なぁ、山延。悪いけど・・・ 


悪いなんて、怜が思う事もあるのかと、蝶子と同じ様なある種我儘なところも怜にはあり、強引に持って行こうとする事を、他の社の社長にしているのを見ている俺だった。       


   あのさ・・・                


少しトーンの違う声の怜は、何も躊躇わない口ぶりで言った その事に・・・
その後の山延の・・・


   あぁ、そう・・・・


この返答にも、感情がなくて、驚いた。

その後の怜の提案に、自分の鼓動は大きく跳ねた。 



   それじゃさ、俺には・・・
そうだな・・・別にいいよ。      .
       




この2人は・・・・





「 だよな。・・だけだろ? 」


_____ あぁ・・・ そうだよ。








 パチッ ・・・








頭の中が、真っ白に成っていた __________







初めて鈴音の屋敷に、蝶子に連れて行かれた時・・・

一筋の光だけが伸びていた廊下の先

白猫の鈴が、迷う事無く向かって行った


その先から・・・ 
聞こえていた音・・・









自然の野に咲く様に、全ての方向を表とする生け方をしていた・・・



何処からも、見て下さいと・・・

どの角度から見ても、美しい生け方に



彼女の心が表れていたと・・・



何処から見ても、全てが美しい


・・・自然の中に見えないもの


世界を揺らし動かす・・・


何処から見ても、何も見えないほど

美しいほどに、透き通った  ・・・風


世界を明るく写しだす・・・


何処から見ても、何も見えないほど

綺麗なままに、透き通った ・・・光




全ての角度から見ても、美しさの果ては・・・

窮める程に純粋に透明で


何処から見ても、全てが綺麗なままに純粋な

彼女の心が美し過ぎて

透き通って、見えなかった 



でも心は・・・・


世界を揺らし動かし明るみに浮かばせる


光が必ずつくる影までも



光が必ずつくる影に

透明な彩を透き通って映し

影までも美しく

彩のついた影を、心に残した



何処からでも私を見てください

何も隠す事は、彼女には無くて

彼女は心までも、透き通らせて

美しいほどに透き通り過ぎて

何も見えなかった


光・・・ で・・・

風・・・ で・・・


世界を明るく映し出す光の様に
            ・・・ 明るみの世情に

世界を揺らし動かす風の様に
            ・・・ 揺れ動く世情に

深閑の森の影に包まれて・・・・・






パチッ






その音に・・・

何かを断ち切る様だったと ___________







CAST



鶴可憐
Ren Tsuruga REN TSURUGA

雉麻痺弟
Hidehito Kijima HIDETO KIJIMA

紫得体螺
Taira Murasame TAIRA MURASAME

俟無流利己
Ruriko Matsumai RURIKO MATSUNAI

炬杜波叶
Kanae Kotonami KANAE KOTONAMI

頬涸
Kyoko KYOKO





Myth.BLUE BELL - Act 14 ™ From far away beyond beautiful sea.








光の当たらない階段の突き当たりには・・・
Back Stage AN-OTHER MORN'2




_____ ナ り 良 サ ま・・・ 





唇を重ねたままの彼女の声が聞こえる

着物の袂で顔を多い尽くす様に両腕で抱きしめられている

冷たい手と暖かい手の両方が両手を握っている





どういうことか分からない・・・


この感覚に、力を込めて握られている両手を彼女の背に回したら


両手をぎゅっと、強く握り締めたまま


背中から頭の後ろに引っ張っても


・・・ぎゅっと握り締められたまま _______ . . .





人形の様に腕が ぐにゃっと曲がっている    .



頭の中にそう浮かぶと・・・






腕に力を込めて彼女を抱き寄せた。




目を瞑り、唇を重ねたまま

後ろで聞こえる、鈴音の声に、耳を澄ましていた ________ . . .








_____ りょう って、お呼びになられました

りょう は・・・・


「 りょう は・・・」





りょうは りょうりょう りょうは・・・
・・・りょうは りょう零 りょうはりょう
りょうは玲 ・・・ りょうは りょうは
・・りょうは ・・りょうは 聆 りょうは
令 りょうは りょうは りょう りょう
りょう・・・りょうりょう羚 りょうりょう
りょう怜りょう領りょうりょう りょう
りょう りょうりょう・・・苓りょうりょう 
りょうりょう 嶺りょうりょう りょう
りょう りょう りょう りょう りょう







両手を握ったまま、背中に回し抱きしめている彼女の腕が、どう曲がっているのか

確かめられなくて、瞼を閉じたまま・・・





一筋の光の先に飾られた肖像画は、初代の 令 りょう 


鳴海 令 
なるみ りょう

鳴海 零 
なるみ りょう

鳴海 玲 
なるみ りょう

鳴海 苓 
なるみ りょう

鳴海 嶺 
なるみ りょう

鳴海 聆 
なるみ りょう

鳴海 羚
なるみ りょう



零   玲   苓   嶺   聆   羚   怜
りょう りょう りょう りょう りょう りょう りょう




なるみ りょう

鳴海 怜 





「 全員 りょう・・・ 」



    「 中り ・・・」 



「 正解 」


うふふふ・・・・・

         ・・・ クスクス




窓のない廊下は、月の光に共鳴しない様になのだろうか・・・

そこに並ぶ 鳴海りょう 達の肖像画の向かう先の 令 りょう

光が漏れて誘われる様に、そこに踏み入った自分







_____ じゃぁ、レイ は・・・・・





蒼い花が全部こちらを向いて

廊下に並ぶ肖像画が全部こちらを向いて

鳴海の続く     全員の      “   鳴海 りょう   ”      全員が     並んで   
            
                         見下ろし向いて






「 だぁれ だ  」



頭の中にそう思い浮かんでも・・・






クスクス・・・


_____ 階段の手すりに座って・・





   「 見下ろしておりますよ・・・
 
      ・・・ なりよし さまを ・・・」





唇を離されても、袂で隠された視界は覆われていて

この子が、嘘をつく必要なく育って来たと

透明なその心を・・・


    この心で、感じていた。






_____ シャラ・・―― ン・・・・





誰も居なかった廊下の向こうから、鈴の音が聞こえていた。







Back Stage * Act 13 AN-OTHER afternoon


CAST




敦賀蓮
なりよし けん

京子
なるみ すずね

村雨泰来
たくと りょう

貴島秀人
なるみ りょう









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Myth. BLUE BELL - Act 14 by ™ From far away beyond beautiful sea.


.......... TO. Act 14







☆ こちらの作品は、2015/03/02 にUPしましたが、作品を一箇所に纏める為に日付をずらしました ☆






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mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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