mimi's world * HOPE and DESIRE

_______ BE-lie-VE * be-LIE ve * believe...the SHAMs for heart healing * mimi's world-7 _______

the DREAM * 恋の予感 

.


BY mimi's world - 2 * WHITE NIGHT

BY the DOOR * mimi's SALOON from far away beyond beautiful sea


.

*彼の表の顔 お茶の間に流れる芸能人として*

mimi’s world * 2 White Night
白夜のように眠る事の無いテレビで放送され続ける、煌びやかな彼らを・・・夢を追い続ける彼らの活躍を・・・

HAPPY PRESENTs * 恋の予感

― 恋の予感の贈り物


それでは、どうぞ _____________



.
__________ 6:35pm



「 おはようございます。よろしくお願いします・・・敦賀蓮です。 」




「 おはようございます、敦賀さん。 」

声を揃えて言ってくれた、今日の特別番組の司会3人。

同じ事務所のブリッジロック、全員 石橋さん・・・だったと思うけど・・・。

その石橋さん達の楽屋に挨拶に行った時、打ち合わせに来ていたディレクター達。
失礼に当らぬよう、お名前をお聞きすると、ピコさん、セイさん、フウゲツさん。

女性スタッフが多い今回の番組のゲスト・・・



“ 抱かれたい男No.1の・・・めろきゅん ☆ HAPPY PRESENTS ”



( なるほどね~・・・)

タイトル通り、女性の為の女性による特別番組。こう云った女性に囲まれて仕事をするのは、もちろん・・・

男だったら、誰でも悪い気はしないよな。

(むしろ、楽しい。)


「 こんにちは。ピコさん、セイさん、フウゲツさん。敦賀蓮です、どうぞ宜しく。 」


あっ、敦賀さ~ん、ちょうどよかった~。と言われて一緒に石橋さん達の楽屋で打ち合わせを始めた。隣に座ったこの女性スタッフから、ふわっと漂う甘い香りに、ちらっと振り返る。

振り返った角度からドアを見ると、社さんは廊下で、石橋さん達の違う収録が終った・・・
ニワトリ君を捕まえて暇つぶしをしていた。


「 蓮、ごめん、ドア閉めとく。」


そう言って閉められたドア。
ドアが閉まりかけた時、ちらっと覗いたような気がしたニワトリ君に、横目でウインクした。首を少し傾けて・・・誰にも見えないように人差し指を口元に当て、音を立てないようにキスをニワトリ君に向けた。

もちろんそれは・・・社さんに、ニワトリ君との秘密の話が漏れぬようとの、口封じ。

あ~んな、テンテコ舞いだったり、恋をした事が無い・・・なんて、敦賀蓮に合っては成らない汚点を知る、この世でただ一羽の・・・いや、一人の人だよな。中身はね。


打ち合わせは簡単に、さらっと終ってくれた。

バレンタインの思い出を語ってほしいとの事。貰って嬉しいプレゼント、あげて喜ばれるプレゼント。その様なお話を・・・との事だった。


「 ふふっ、まかせてください。 」


女性の心をくすぐる事は、お手の物だけど・・・とは、自負できる程、自分の事をよく分かっている。

でも、本当は・・・

あのニワトリ君しか知らない、( いや、社さんもだな )俺が恋愛オンチだという事。

その恋愛オンチの俺の、思い出のバレンタイン。



「 本番が始まったら、どうぞ、ご自由に話を進めてくださいね。」


司会の3人、ただ今収録が終ったばかりの番組中にある、ネタマゴなるもの。

なんですか、それ?と出たこと無い俺には分からない、ネタマゴ?って何との疑問。

新しい日本語なのか… なんなのか… ニワトリ君に聞いてもいいものだろうか、考えた。

なぜなら、見れば体験すれば、分かるものの、そんなものは無いから・・・
自分で進めてください。と言われたら、ハイソウデスカ… としか、言いようが無い。

なにがしかのカタカナにも、頭の中は・・・テンテコ舞い。ってやつだった。




__________  7:59pm


「 どうぞ宜しく。 」

挨拶を交わしながらも、はいじゃぁ敦賀さんは、呼ばれたら出てください。と幕間に残され
ブリッジ、板付き~。とセンターに出て行った。

石橋さん達が出て行くと、きゃぁあ~と観客の声も聞える。


「 本番、はいりま~す、10秒前・・・・ 5、4、3、・ ・」



__________  8:00pm




「 こんばんは~、司会のブリッジロックです。」

「 今日は特別企画、めろきゅん ☆ ハッピープレゼンツ 」

「ゲストと共に、楽しんでくださいね~。」


はい、敦賀さん。次、出ま~す。と横のADに小声で言われ、よしと気合を入れる為に必ず
すること。

上を向き目を瞑り、息を大きく吸い込んで、手で腕時計を包む・・・

リックがいつも空で俺を見ていてくれる事を、思い返す一瞬。


______「ゲストは、抱かれたい男No.1 の・・この方・・・」


ふっと一気に息を吐いて、目を開けて歩き出す・・・

・・・ この瞬間も大好きな、煌びやかな照明の当てられた、輝く世界へ向かう自分。


きゃぁぁぁぁ~~~!と言われる歓声も、れ~ぇ~ん~!と名前を呼ばれる事も、

その全ては、また自分の自信に繋がる __________



黙って手を振って微笑むと、どこを見ている訳でもないんだけど、みんなこちらに手を振っていて・・・ 嬉しくなる。


「 こんばんは。」


「 敦賀さん、ようこそ。こちらへどうぞ~」


二人がけのソファにすわり、石橋さんたちは向かいあわせにセットされた3人がけのソファに座った。

たわいも無い最近の話をしながら進む番組。

へぇ~、そうなんや~・・・なんて返しに、そうですよ。と受け答えをしているうちに、誘導されたように本題に入っていた。さすが司会を数多くこなす・・・社長の見初めた同じ事務所の人気タレント… と思いつつも、聞かれたことにはきちんとお話したいと思う。


「 それじゃぁ、今までに何か気に成った贈り物ってあるんですか?」


ふっと思い出されるあの光景・・・

忘れもしない、自分の感情の入り乱れたあの瞬間。

止まって石橋さんたちを見てしまった時、目の前に・・・


_____ カチャ ・・・


ガラスのテーブルの上に置かれた、アイスコーヒー。手に取ってストローを自分のほうに向けた。観客席とカメラの位置を確認して、一度微笑み・・・


「 ありがとう・・・」


振り返って斜め後ろ横に立っている女性アシスタントに、お礼を言ったら・・・
また止まってしまった。

そこに居たのは・・・

深々とお辞儀をして顔は見えないけれど、お辞儀の顔を上げたのがやっぱり・・・

・・・最上さんだった。




「 さぁいよいよ、いい所ですが・・・」

「 いったん、CMで~す。」



・・・・・CM 中の事だった・・・


「 最上さん・・・」


「 敦賀さん、こんばんは。お疲れ様です。 」


ADさんが、石橋さん達の方に向かって行ったのを見計らって、席を立って彼女のところに行った。

CM中だから、マイクが切れているのは分かっているけれど念の為・・・
胸のピンマイクに手を被せて、小声で話しかけた。


「 あのさ・・・ 話すけど・・・いい? 」


はい大丈夫です。と、笑顔で指でOKマークを作ってくれた彼女に、ふっと表情が緩んだ。

席に戻ろうと振り返ったら、背中で聞えた彼女の声。


「 あの・・・バラに蕾の意味も、分かってますよ。 」


下を向いて、微笑んだ・・・

やっぱり彼女は解っていたんだと思い、客席から見えない様に背中に手を回して、Good Job よく出来ました。の意味を込めて、親指をたてて合図した。


息を吐きながら、腕時計を握って思い返していた・・・

・・・あの時、アイツ不破がでっかい花束を持ってきた意味に、先を越された感が募った事。

自分の母国アメリカでは、バレンタインには、男から女の子にプレゼントをあげて告白する日だと・・・アイツの事を見てから、なんで思い出さなかったのかと、自分にも腹が立った。

不破はその事を、知ってて・・・わざわざ、バレンタインに来たのかとさえ、思っていた。


( リックだったら絶対に・・・ティナの事を忘れないよな。)

その思いも手伝って、CMが開けるまで、そのまま目を瞑っていた。



________ 8:20pm


「 は~い。お待たせしました~。 」

光さんが話し始めると、拍手も鳴り止み、全員の視線がこちらに集まっている。


「 それでは、先ほどのお話の続き・・・ お願いできますか? 」


なんやったけ~ぇ・・・そうそう、贈ったものだよな~。との石橋さん達の会話を断ち切るように言った。


「 はい、もちろんです。 ・・・あれは、バレンタインの事なんですけど・・・」


ここまで言ったとたんに、静まり返っていた客席から、ぎゃぁ~!っと雄叫びが上がったので、おっ!と、己の人気に喜びを感じる。

しからば、もう少し・・・そう思って、客席を見回して、し~っと人差し指を口元に持って行き、ウインクしながら首を傾けた。



「 そう、忘れられない あげた物がありまして、それは・・・まぁ、いわゆる・・・

・・・お礼、ですね。 」


_______ 8:40pm



「 そう、忘れられない あげた物がありまして、それは・・・まぁ、いわゆる・・・
お礼、ですね。 ・・・ 
・・・仕事仲間への。・・・ですよ。 」



ちらっと最上さんの方を見ると、肩をすくめて、うふふっ。と微笑んでいた。



「 あの時、お礼として渡したプレゼントですけど・・・ バラの花です。

  オレンジのバラと、オニソガラムと云う白い花のアレンジメントです。 」



________ あの花束に込めた意味は・・・たくさんあった。

その前の会話の中に、意味を含めていたその事。
・・・ハグして、頬キス。その事に関しての、弁解と、実は本心。でも・・・先輩として、
後輩を見ていたいと云う意味も含めた事だった。


「 そうですね、サプライズで、あげました。
  ふふっ、撮影現場のセットの中に、置いておきました。 」


________ 不破に負けない・・・

花束を贈ろうと思い立ったのは、最上さんがお箸を落として取替えに席を立った時。

その後にくれた・・・ワインゼリーの、お返し。と称して、最上さんが楽屋を出た後に注文した物。


「 オレンジのバラは、信頼。と云う花言葉です。これからも、どうぞ宜しく。との意味であげました。 ・・・そう・・・ 」


口元に手を当てて振り返り、もう一度 最上さんを見て、いい?と、隠した口元で口パクで伝えた。
うふふっ。と微笑んだからには、いいのだろう・・・。

口元に置いた手を最上さんに向けて、彼女を指した。


「 ・・・そこにいる・・・女優の京子さんにです。
でも、深い意味はありません。同じ仕事仲間として、撮影時に渡したものですから。 」



________ あの時、はっきり彼女には言った事。

なぜなら、その前に彼女に言われた事が引っかかっていたから・・・
あの時最上さんは・・・

日本人は往々にして、そういう感情表現には慣れていない。人を見てリアクションして欲しいと・・・

だから、日本人相手なら、誰にだってする訳じゃない。って事。

・・・仕事仲間だけだって、言ったんだけど・・・

でもね・・・最上さん

その前の君が言った言葉には、嘘は付いていなかったよ。___________

“ 外国人相手なら・・・“

この君が言った言葉には、俺にとって深い意味があった。


君は、俺にとって・・・ 外国人の日本人なんだよね・・・

でも誰にでもする訳じゃない。に、仕事仲間だけ。と付け加えておいた、そう仕事仲間。

よき先輩として、これからも君に・・・


オレンジのバラ・・・ 信頼を持って欲しい事。

白いオニソガラム・・・ 潔白、その花言葉のままの、意味の無いキスだと言うこと。_____



「 共演してましたからね、あの時は。 」


「 やっぱ、花っていいものなのかなぁ・・・女性には 」


司会の石橋さんたちが促すので、花言葉を含めて贈られたらどうですか?とアドバイスをした。
それに・・・香りをプレゼントすると思えばいいんですよ。と、付け足す。


________ 花が生けてある部屋に仕事の後に帰った時・・・


甘いバラの香りで包んであげて、自分の事を思い出して、また・・・

電話してくれる事が、自分への何よりのプレゼントだから。



「 それでは、お時間がきたようです。敦賀さんありがとうございました~。」

「さようなら~~~」

カメラに向かって手を振りながら、ハイ、カット。の声を待っていた。




カットがかかって直ぐにマイクを外して、スタジオを出た。最上さんが、お疲れ様でした。と声をかける為にわざわざ走って追いかけて来てくれたけど、今は先輩としての愛情を・・・

彼女のこれからの未来の夢に・・・ Good Luck

俺に向けてくれる、信頼が今は一番、大事だよね。_________



でも、君がわかってくれた一つの事・・・


「 あの・・・バラに蕾の意味も、分かってますよ。 」

二つのバラの花に対して、一つの蕾の割合で生けてもらったアレンジメントの意味は・・・


“ 当分、秘密にしておこうね。”


あのキスは、当分、二人の秘密。

でも・・・ その当分。 

その当分って・・・ 意外にすぐ、二人の秘密にしなくてもいいような関係になれたらいいとの意味も含めて、もう一つ入っていた花の意味を・・・

心にほんの少し残ればいいのにと、心の隅で願った俺は、やっぱり・・・

悪い男なのかな ___________ . . .



もう一つの花、ブッドレア・・・ “ 恋の予感 ”



・ ・・・・



_________  当分秘密に・・・しておこうね・・・



当分秘密・・・
その本当の秘密の意味は、自分の隠した気持ちだった。


・・・恋の予感


( 自分の気持ちを、伝えてしまうだけなんだよな・・・)

たぶん、自分の中で不破に対しても、モヤモヤしているこの気持ちをスッキリさせる為には・・・



「 はぁ~~~・・・」



_______ コン、コン・・・


「 蓮、お疲れ・・って、どうした? なんか沈んでるけど・・・?」


楽屋で一人ため息をついていたら、ノックがしてドアが開いた。もちろん社さんの為に、ドアの隙間から見えるように開けておいたのだから、何も問題はなかった・・・

でも・・・


「 えっ、いえ・・・何でもないです。次の仕事は、何処ですか? 」


あぁ、次ね・・・。と、言ってパラパラ、スケジュール帳を見ている社さん。

遠い場所なら直ぐに出ねば、遅刻して先方を待たせるのは論外。
タレントとして真意を込めた仕事振りを見せないと、直ぐに消えてしまうこの業界。

そんな事は、百も承知。

荷物は纏まっているので、鞄を肩にかけて挨拶回りをしながら楽屋を出ようとしていた。


_______ コン、コン・・・


「 あぁ、今 開けます。 」

社さんがドアを閉めてくれていたのと、もう出るところで立っていたので直ぐにドアに向かって歩を進めた。


「 お疲れさまでした。敦賀さん・・・」

ドアを少し開けたら、もうすでに聞えた・・・女性の声 _______


「 あっ、セイさん、ピコさん、フウゲツさん。お疲れ様でした。 」


ディレクターの方々だった。失礼なので社さんに鞄を渡して、足をきちんと揃えて深々とお辞儀をした。


「 またの機会に、何かありましたら・・・どうぞよろしくお願いします。 」


こ~んな話で、めろきゅんしてくれたのかどうか、心配だった。色恋沙汰に遠のいている自分の現実。密かに心にしまい込んでいる想いなんて・・・

・・・敦賀蓮らしくないよな・・・と、思っていた。

敦賀さん、いい香り~。と言われながらも三名様と握手をして、いえいえ女性の甘い香りには、負けますよ・・・と返していた。

話しながら廊下に出て、もう一度・・・

「 いろいろと、ありがとうございました。 これからもどうぞ宜しく。」

挨拶をしてお辞儀で見送りながら、下を向いて見える自分の足元に、社さんの足も見えた。


「 じゃぁ、社さん・・・」


頭を上げて、次の仕事へ・・・と、社さんの方に振り向いたら、目に入ったオレンジのバラ。

ADさんが社さんの横に立っていて、お話に出ていたのでどうぞ。という事だった。急遽用意してくれたものらしい。

それでは・・・

と、ありがたく受け取ったものの・・・男一人の部屋に持って帰っても、それに、
“ 信頼 ”だしな・・・と、思いつつ、そのスタッフに笑顔を向けた。

(ん? 信頼・・・)


「それじゃぁ、本当に次の仕事に行かないと。」

廊下を歩きながら会った石橋さんたちにも、お疲れさま。と声をかけていた・・・でも、なにか物足りない気がする・・・

そう思ったのは、一番に挨拶に追いかけて来てくれた、最上さんがもうすでに居ない事だった。

信頼を持って彼女に接してきたつもりでいたけど・・・そうも思えど、彼女だって仕事があったらいつまでも自分の傍に居られない事ぐらい百も承知である。自分だって何はともあれ、仕事には、手を抜かず・・・誠意を持った姿勢を見せる為に、遅刻厳禁。

その姿を見せているから、俺の仕事振りにも信頼を持って学んでくれている。

と・・・自分の心を慰めようと思った。


( 淋しいけどな・・・)

駐車場に向かう途中、社さんは電話をしていたので、何も話しかけずに歩いていた。

じゃっ、よろしく~。と社さんが電話を切ったので、何処に向かえばいいんですか?と横を向いて話し始めた。何処とも言わず、仕事の内容を言い出した社さん。二人でエレベーターに乗って下に下りていった。


エレベーターの中で、社さんの後ろに張ってあるポスターに気が付いた。

“ やっぱ気まぐれロック。7:00pm放送 ”

石橋さん達、3人と・・・あの、ニワトリ君が写っていた。


(食いしん坊バンザイ。・・・? あの、ニワトリが作るのか?)

そんな疑問もあってか、テレビが見たくなる。時間があったら見て見たい。そう思っていたが、なにせ7:00pmだと言うので、仕方ない事。



_______ キンコーン・・・

番組中にいろいろな事があった・・・と思い出していながら、バラの花を反対の手に抱え直した。駐車場のある階に着いて、ドアが開くと・・・真っ先に目に入った・・・・


・・・ドピンク色。


「 敦賀さん、お疲れ様でした。」


お辞儀の顔を上げた彼女は、いつもの最上さん。ニコニコとして真っ直ぐこちらを見ていた。


「 あぁ、蓮・・・悪いけど・・・」

俺な、今日・・・用事があるから、ここまでだから。後は、代マネに引き継いだからな。んで・・社さんの話しは終わらないけれど右から左で聞いてないまま、最上さんを見ていた。


「 えっと・・・じゃぁ、最上さん・・・? 」


腕に抱えていたオレンジのバラ・・・彼女が両手を差し伸べて、待っている。

それを見て微笑んでしまった。

(ふふっ・・・じゃぁ、マネージャーに信頼をもってお任せします。)

差し伸べられた両手の中にバラの花束を渡したら、さっさと、行きますよ。と言いながら両腕で胸に抱きかかえて大きく香りをかいでいるその姿に・・・

・・・胸の中が締め付けられたけれど、温かかった。

(あれ!?)

テレビを点けたら・・・・先ほどエレベーターのポスターで見た、再放送の、やっぱ気まぐれロック。食いしん坊バンザイらしい。

じーっと画面を見てしまったその再放送・・・


_____ 『 今日のゲストの嫌いなもの・・・ 』


どうも、嫌いな物をニワトリ君が調理して、解らなくすると云うコーナーだった。
思い出した事があった。さっき、エレベーターで・・・
社さんが電話で話していた仕事の相手は、最上さんだったんだと気が付いた。

横にいる彼女を見詰め、リモコンを取ろうとする・・・その手を、ぎゅっと握っていた。

_____ 「 磯の香りのするもの~・・・」


目の前に並んだ3つのお皿。そのどれかはゲストの嫌いな磯の香り・・・貝類を使っている。


「 磯の香り、嫌いなの?」

「 はい、それと・・・貝類のジャリって云うのが偶にあるのが好きじゃなくて~」


目の前の1番のお皿。どうも見た目、ホワイトクリームの・・・クラムチャウダー。恐る恐るスプーン片手に、ぱくっと一口頬張ればジャガイモすらも蕩けて口の中で無くなった様子。


「 あれ? 何も無くなった。」

「 はいはい、じゃあ、2番どうぞ~。」


ニワトリ坊が、2番のお皿を持ってきて、目の前に置いたのは・・・ただのサラダ。一体どこに貝類が?と思わせる、何の変哲も無い、グリーンサラダ。
フォークでレタスとキュウリを食べるも、やっぱりレタスの中に入っているわけでもなし。
ドレッシングに粒マスタードが入っているけれど、貝か?と言われたら匂わない様子。


「 粒粒って、マスタードですよね? 」

「 へ~。そうなんや~。 」

「 ってか、俺達はこれから食べるもんな。 」


3番目のお皿には、ご飯もの。黄色いサフランライスとトマトが目に鮮やかな、絶対貝類が入っているであろう・・・パエリア。でも、お決まりのような、ムール貝やらアサリやらの殻は見えない。

目を瞑って食べてみれば・・・ライムの酸味と鳥の出汁と言っている。


「 あれ? 鳥ガラ・・・? チキンの味がする。」


横でニワトリ君が、ナニガシカ・・・ほくそえんでいる様に見えるのは、ただの想像のしすぎだろう・・・

・・・だって、着ぐるみ・・・



_____ 「 それじゃぁ、CMを挟んだ後で~! 」




__________ カチャ ・・・ 

「 今日は、雲行き・・・ 」

「 そうだな、怪しく・・・」



いきなりの自分のCMにビックリした。
テレビの中の自分を見てると、なんだか急に恥ずかしくなって視線を逸らしたら、思わず握っていた手に気が付いた。


君がずっと・・・
その手の中に持っていてくれた蒼い・・・変わらぬ愛と共に・・・

両手を握って掛けたピンクの・・・恋の誓いを・・・


・・・ずっとこれからも、その魔法を信じたい

そう・・・信頼・・・

君が信じ続けてくれる様に・・・その魔法に信頼を持って 


君に自分が込めた意味の、2つの咲いたバラに1つの蕾の・・・


・・・当分、秘密にしたい事はね・・・



蒼い魔法を掛けた妖精と、ピンクの魔法を掛けた自分が・・・同じ人だと云う答えに

いつか君は、自分で辿りつくと思えるから・・・今はまだ、秘密にしたい。




何も言わなくても・・・

気の合う同僚、・・・いや、後輩

兼、友達・・・いや、ガールフレンドには・・・


いつも心を見透かされて・・・  


いるか いないかは・・・


_________ 解らないな. . .



暗い夜空を眺めながら、星が降ってきそうな程のこの夜なのに・・・



それに関しての、雲行きは・・・


・・・怪しいかも


雲なんて無かった、自信はあったつもりだったのにな・・・



・・・君の後姿に、微笑みながらバイバイする・・・



ふと、自分のCMを思い出す・・・

( ふふっ。今度は・・・部下編、いや、後輩編だな。)


『 お疲れ。・・・食事行く前に、一息入れようか・・・?』



次の誘い文句も思い浮かんだ事だしね ・ ・ ・ ________


「 お疲れさま。 」


スタジオを後にして外に出ると・・・

・・・冷たい風が吹いた。この季節の冷たい空気は とても澄んでいて、上を見上げると降って来そうなほどの、たくさんの瞬く星が綺麗だといつも思う。


______ ピッ


車のドアを開けて、エンジンを掛け少し経ったらヒーターをつけようと思っていた。
両手をこすり合わせて、両手を口元に・・・

・・・はーぁ、っと、両手に息を吹きかけて、目を瞑ると思い出す。

目を開けて窓の外を見上げると、新月に近い今日の夜空に浮ぶ・・・たくさんの星の煌めき。
星の光に棘を思わせる・・・

・・・自分の心に存在していた、いろいろな想いが蘇る。



今日は・・・

特別なのかもしれない。



エンジンの温度が上がったのを確認すると、ヒーターをつけた。シートウォーマーのスイッチに手を伸ばし・・・ 思わず微笑んでしまう。

(ふふ。・・・助手席側も、つけとこう。)

右手を伸ばし、シートが温かく成ってゆくのを感じて、その手を握り締めた。

自分の夢の中に感じた・・・バラの棘

自分の右手に浮ぶ血は、苦しくなるほど切なかった心の中に負った傷の現われだったとは、自分でも思う。

白いバラは、何色にも変えられるけれど・・・

・・・色づいたバラは・・・

元に戻せない。 __________________




スタジオのある建物のドアから、光が漏れて・・・

その光の中から出てきた人を・・・今日は・・・待っていた。


少し離れたここから遠目で見ても、はぁーっと両手に息を吹きかけたのが見える。
寒く冷え込んだ空気の中に見えた・・・

・・・白い・・・君の吐息。


両手を胸の前で握り合わせて、きょろきょろ探していたけれど、直ぐに気付いて駆け寄ってきた。

ドアを開けて外に出て、手を振りながら近づいて・・・

その右手を伸ばせば、左手を自然に差し出してぎゅっと握ってくれる。
右手を温めていたのは、君の為に。冷たい君の手を包み込んで、握り返したら感じる。


お互いが感じた傷を負った手。だから・・・

・・・お互いの心の中まで癒し合える様な、この瞬間を待っていた。


自然に自分の両手に吹きかけた、白い息。
白い何色にも変わるバラの・・・恋の吐息は、“ 私は貴方に相応しい” と、・・・“ 約束を守る。”



二人の間の約束は・・・


当分、秘密の思いを兼ねて。



「 さむっ。」


そう言った君の両手に、はーっと息を吹きかけて・・・でも白い息は、少しだけで直ぐに見えなくなって消えた。

二人で見詰め合うと、心の中が温かくなってゆくのを感じる。


「 はいはい、じゃぁ早く入って。 」


ドアを開けて、温めておいた車の中に君を連れて行く。

座ったのを確認して、ドアを閉めて空を見上げたら・・・綺麗な星が、自分達を見ていてくれる。

今夜は、心に刺さる様な苦しい感情ではなくて・・・

仄かに温かい、ふわふわの浮き立つような夜になるといいな・・・と、見上げた星に願う。



_______ バタン ・・・


コポコポ・・・


「 今日のご飯、何? 」


ドアを閉めて、シートベルトを伸ばし下を向いたまま話しかけたら、その助手席の方から漂う、リンゴのような爽やかな香り・・・


「 はい、どうぞ。敦賀さん。 」


目の前に差し出されたのは、湯気の立つ水筒のフタ・・・
・・・中を覗くと、薄いオレンジ色のお茶が入っている。


「 お疲れさまです。
・・・お食事の前に、一息・・・入れませんか? 」


(ん・・・?)

自分が言いたかった誘い文句に驚いた。まぁ、確かにCMで全国放送されているのだから、彼女が知ってても、別に可笑しくは無い事で・・・


「 温まりますよ。 」


両手でそれを受け取って、微笑みながら香りと共に一口飲んだ。
くすっ。思わず笑みがこぼれる・・・


・・・カモミール・ティ


(メルヘン好きの彼女が見る夢の中には、いつも・・・この花を降らせる妖精がいるんだよな。)



_____________ バレンタインデーから始まった、新しい思い出。


二人の新しい気持ちの始まりに、思う。

二人のこれからが、どうか・・・何色にも染まりながら始まったけれど、凛と美しく咲き誇る様なものに成ってくれるとの想いを寄せて微笑んだ。


二人の恋が始まった、この日。二人の恋の誕生日の・・・


バレンタインデー xxxx

2月14日の、誕生花・・・ カミツレ

薄いオレンジ色の、カモミール・ティ。この花の仄かな爽やかな香りにも、想いを寄せて微笑む。

この花の意味にも期待を寄せて _______________


カミツレ、カモミール・・・ “ 親交を、深めたい・・・”



「 ありがとう・・・」

頬にキスでお返しすると、外の空気で冷たくなっていたと唇から感じた。だから・・・

そのまま唇にちゅっとすると・・・

・・・顔から火が出そうになるほど、熱くなる事もね、もう・・・知ってるから。


二人の関係は・・・

世間には、当分 秘密・・・


・・・二人の間の、約束だよ _______________


.

CM: --
TB: --
mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

▲Page top