mimi's world * HOPE and DESIRE

_______ BE-lie-VE * be-LIE ve * believe...the SHAMs for heart healing * mimi's world-7 _______

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BY mimi's world - 7 * HOPE and DESIRE

FROM mimi's world - 1 * DEEP SEA
FROM the DOOR * mimi's SALOON from far away beyond beautiful sea


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_______ キンコーン・・・

いろいろな事があった・・・と思い出していながら・・・
駐車場のある階に着いて、ドアが開くと・・・真っ先に目に入った・・・・


・・・ドピンク色。


「 敦賀さん、お疲れ様でした。」


お辞儀の顔を上げた彼女は、いつもの最上さん。ニコニコとして真っ直ぐこちらを見ていた。


「 あぁ、蓮・・・悪いけど・・・」

俺な、今日・・・用事があるから、ここまでだから。後は、代マネに引き継いだからな。んで・・社さんの話しは終わらないけれど右から左で聞いてないまま、最上さんを見ていた。


「 それじゃ、蓮。 」

社さんはそう言って、俺の肩をぱしっと叩き、最上さんには、じゃぁ蓮の事よろしく~。と言ってそそくさと、ロビー前のタクシー乗り場に行ってしまった。


・・・・。


「 えっと・・・じゃぁ、最上さん?・・・次の現場、どこ?」


社さんがエレベーターの中で教えてくれたスケジュール。生放送の・・・深夜番組らしいけど?

話しながら、車に向かっていた。




バタン・・・

_________ ブルン・・ブルル・・ル・・・



( なんか、変だよな・・・)

車に乗ってエンジンを掛けた。ちらっと車の時計を見れば、9:40pm。

( 深夜番組で、生ってあるのか?)

そんな事を考えながら、後部座席に花を置き・・・最上さんはと言うと、社さんが居ないので助手席にエスコートしたら、恐れ多い。と始めは言っていたけれど、結局、素直に横に座った。


「 じゃぁ、いい? シートベルトして。」


にこっと微笑みながら彼女がシートベルトしたのを確認し、現場は? と聞いた。


「 えっ、現場って・・・」


( ん?)

「 あぁ~! そうですね・・・この後のお仕事はですね・・・」


なにがしか、現場と云う言葉に驚いていたけれど、その後しっかり“ 仕事 ”と言ったからには、仕事なんだな・・・と、思っていた。

あのですね・・・と話し始めた彼女。でも、仕事の内容は社さんから聞いて知っている。

深夜番組にありがちの・・・


タレントが作った料理の試食。・・・だった。



「 あの、敦賀さん。 」


「 ん?なに、どうした?」


ゲートを出て、せめて右か左か知りたかった。どっち?と聞こうかと思ったら、最上さんの方から話しかけてきた。まぁ、方向は中心、繁華街の明るい方だと言う。

帰りはマンションに近いので助かるな、海辺の方のテレビ局だったら帰りが面倒だな、とは思っていたこと。

にこ~っと微笑む彼女の笑みも、なにがしかウソ臭い。Ms Woodsや、社長が企んでいるような顔だな・・・と、思いつつ車を走らせていた。



車の中に置かれたバラの花。


その香りの中にいることで、思い返す・・・ 本当の意味。


“ 香りをプレゼントする・・・”


仕事の後に疲れて帰ってきても、バラの香りに包まれてくれたらいいと思ってあげた物。

俳優だけではなく色々な仕事をこなしている最上さんだから、きっと・・・

コーンの石を光にかざして、涙を吸い取る魔法を掛けてもらいたい時も多々あるだろうと思ってした事。


コーンの思い出と、自分・・・ 


香りの中でコーンの石をかざし、二人共を同時に思い出して・・・

・・・いつか、コーンと敦賀蓮が重なってくれるといいな・・・と思ってした事。



「 敦賀さん・・・この石、覚えていますか? 」


その言葉には・・・

何も答えられない。


暗い車中で上にかざしても、色は変わらないんだよ・・・最上さん・・・
だから、魔法は・・・

・・・まだ、掛け続けていてあげるよ____________



「 あぁ、敦賀さん、そこ曲がって・・・地下の駐車場に入ってください。」

(・・・ん?えっ!)

そう思ったのも、もちろんの事。だって、そこを曲がったら・・・

俺のマンションだから。



「 タレントの作った料理番組って・・・?」


「んふふっ。私、タレントですよ。敦賀さん。」


・・・ですが、車を停めたらさらに深い地下スーパーに先に行きましょうね~。と言われて、仕事は?と聞くと・・・
ラブミー部への依頼として、社さんから頼まれました。
・・・仕事。と言えば、しっかり、食べないわけにいかないだろう。と言う事で~。タレントの作った料理の試食の仕事です。敦賀さん、さぁさぁ・・・と、車を降りて背中を押された。


試食じゃなくてもガッツリ食べれる、彼女の料理。

へ~んなタレントの作った、へ~んな料理の試食じゃなくて良かったと、胸を撫で下ろしながら、スーパーへのエレベーターで降りて行った。


「 なんだ、じゃぁ、仕事上がり?今日。 」


「 んふっ。いいえ、お仕事ですよ。お食事は・・・だから、しっかり食べて下さいね。 」


そう言った彼女の表情は晴れ晴れとしていて、さっきの夢の中の話をした時とは、別人のように成っていた。

バラ全体のざっくりとした意味のまま、君を見ているよ。との事に先輩に対しての仕事熱心な後輩のままなのだろうか・・・と考えていた。

スーパーの入り口にある花屋の前に、バラが売っていた。それを横目に見て中に入った。

あれこれ材料をカートに入れている最上さん。それを見て・・・ふ~ん。と思った事。
自分は思い立って、ワインを買おうと一人でワインを見に行った。気に入った年数の物があったので、それを持って今まで居た場所に戻ると居ない。

きょろきょろ探したら、レジに居て会計が終っていた。


ふと・・・
・・・手に持っているワインを見て、思いついた一つの事。


試してみたくなったので、違うレジでさっさと会計を済ませて、入り口の花屋に向かい・・・

・・・白いバラだけを買った。


「 最上さん、お待たせ。 」

さっ行こう。と袋をもって車に戻り、バラだけを彼女に持たせて部屋に行った。


・・・食事の仕度をしている間、横でワインのボトルを開けて香りを確かめて、バーガンディの葡萄を使ったボルドー産のピノ・ノワール。上澄みだけをデキャンタージュした。

(さぁ、どうなるかな・・・?)

ボトルの底に残したワインを、光にかざしてじーっと見てみる。もう一つあるデカンタに半分のワインと共に、沈殿物の混じったボトルに水を入れてそのデカンタに足した。
花瓶のような、平たいフラスコのようなデカンタの中で、沈殿物がくるくる回っているのを光にかざしながら見ていた。


「 さぁ、じゃぁオーブンに入れて・・・って、あれ?敦賀さん、実験ですか?」


(まぁな・・・確かに実験って言ったら実験かもな・・・)

そう思いつつも、持っている物の形だろうと判断して、あぁ、フラスコみたいだよね。と言って笑っていた。


「 ご飯は、何?」

話題と視線を外したくて、シンクに浸けていたバラを水切り吸い上げをしていた最上さんに話しかけた。

さっき買い物のカートの中に、サフランを入れていたのを見ていたので、パエリアだろな~。今までもピラフ系のご飯ものが多いので、そうであろうと思っていた事。


「 敦賀さん家って、花瓶あります?」


あぁ、そうだね、ちょっと待ってて・・・と言い残し、花瓶を取りに行った。大きい花瓶もあれど・・・実験途中なので小さめの花瓶を2つ取った。


多分二つに分けないと入らないと思って・・・と、いい訳をしながら、自分で二つの花瓶にバラを分けて入れた。

オーブンもピピっとタイミング良く・・・


「 じゃぁリビングで食べようか。それと・・・ 」


その一つのバラの花瓶を持って、最上さんは料理を持っていった。

・・・ふと、ワインを忘れてきたので取ってくると言い残しキッチンに戻った。


キッチンで何がしかの実験を試みて・・・ワインを片手に戻った。正座して待っててくれていたので、ごめんごめん、アイムソーリー・・・と言いながら、テレビを点けた。

テレビを点けたら・・・

(ん?何時・・・7:00じゃないだろ。)

・・・当たり前。だって番組が終ったのが9時なんだから。じーっと画面を見詰めていたら、リモコンを取ろうとした彼女の手を掴んで、視線をテレビから離さずにいた。


ニワトリ君が出てる。

・・・先ほどエレベーターのポスターで見た、再放送の、やっぱ気まぐれロック。食いしん坊バンザイらしい。



テレビを点けて、じーっと画面を見てしまった再放送の、やっぱ気まぐれロック。


_____ 『 今日のゲストの嫌いなもの・・・ 』


どうも、嫌いな物をニワトリ君が調理して、解らなくすると云うコーナーだった。
思い出した事があった。さっき、エレベーターで・・・
社さんが電話で話していた仕事の相手は、最上さんだったんだと気が付いた。


_____  『 磯の香りのするもの~・・・』


テレビを見続けて・・・ 手を離したらチャンネルを変えられそうだと判断して、手を握ったままでいた。

番組の中に出てきている、料理・・・ クラムチャウダー、サラダ、パエリア。

・・・テーブルの上を見れば、同じ献立に見える。


じーっとそのまま見詰めていたのと、リモコンをなんとか奪おうとする彼女の手をぎゅっと握って、画面とテーブルの上を、交互に見ていた。


_____   カチャ・・・ 『 今日は、雲行き・・・』


CMが・・・自分のCMになったので、目の前に飾った白いバラを避けて手を握ったままテレビを消してしまった。


あの~。と言う彼女の手を握りっぱなしで、モグモグと食べ始めた。それに目の前のパエリアには、ムール貝もアサリの殻もそのままだし・・・と、ただの偶然と片付けたくて、ムシャムシャしていた。

なにせ、もしも、最上さんが・・・

・・・ニワトリ君だったら


今まで、自分が相談してしまった、“てんてこ舞い”やら“恋をした事が無い”という事に恥ずかしいじゃないか!と心の中に収めて、無視する事にした。


「 あぁ、何? もしかして、片手じゃ殻が外せないの?」


ニワトリに関しては もう触れたくないので、パエリアの中のチキンの事も触れないでいた。


「 じゃぁさ・・・」


はい、殻持ってて。と、空いている右手で殻を抑えさせ、自分の左手に持っているフォークで中身を取ってあげた。


「 あ~ん、して・・・」


はいぃ?という怪訝な顔をしているので、だって、カインの時は・・・
ずっと手も繋いでいたし、ハグもしたし、・・・いいんじゃない?と、言ってみる。
それでダメなら、キューンとワンコのマネをすれば・・・と、彼女の萌ツボも知っている。

じゃぁ、英語にする? そこまで言ったらメンドクサイ・・・と思ってくれると期待したら、やっぱり面倒くさ~っと思ってくれた様で、仕方なさそうに覚悟を決めて、あ~んと口を開けてくれた。

・・・そう、時々自分でも思うけど、男ってメンドクサイ生き物だなとは、承知している。


「 美味しい? 」


彼女が作ったものでそんな事を聞くのは可笑しい話だが、何故だか自慢したくなる彼女の手料理の美味しさ。テレビの中の物よりも、うちの方が美味しいですよ。とナニガシカの競争心が湧いていた。

競争心も手伝って、握っていた手を離すもんか、離した方が負け。と訳のわからない気持ちも湧いてきて、指を絡めて握り直した。


「 はい、あ~ん。今度こっちも・・・」


どうでもいいお茶の間には流せないような事をしながら、ホント、男ってメンドクサイよな。と、自分の気持ちの中にも面倒くささを感じていた。
・・・モグモグしながら、


ふと見ると・・・


目の前に置いてあった白いバラは・・・


・・・ほんのり黄色に色付いていた。



(おっ、実験成功!)

キッチンで、こっそり花瓶に一つまみ入れたサフランから色が出て、色付いてきていた。


(それじゃぁ、そろそろ あっちはどうなったか・・・?)

もう時間稼ぎも大丈夫かと思いなおし、さっさと食事を終らせようとしたけれど・・・
握ったままの手を離すつもりは無い。

「 ご馳走様。 」

握っていた手をぎゅっと力を込めて握り直し、食器を持って立ち上がった。


窓の外をふと見れば、たくさんの星の瞬きをさえぎる様に雲がかかり、真っ暗の空。

思わず自分のCMを思い返す


・・・雲行き怪しい・・・かもな・・・


でも、今繋いでいる手を離さないでいる事は、幸せだった。




_____ コーンの石を光にかざして、涙を吸い取る魔法を掛けてもらいたい時 



・・・恋をするという事は、切なくて苦しい事で


心が引きちぎられそうに成る時もあって・・・


その心の痛みをも、解り合える様に成れたらいい



そんな切ない気持ちにも・・・愛しさを感じるもので・・・

涙が溢れそうに成る程に、心が震えて止まなくて・・・


・・・その涙が溢れたら・・・


コーンの石を光にかざして、その涙も吸い取って・・・


・・・二人で愛に変えて行きたいと願う ___________



コーンの思い出と、自分・・・ 


バラの香りの中でコーンの石をかざし、二人共を同時に思い出して・・・


いつか君の心の中で自然と、コーンと敦賀蓮が重なってくれたらいい・・・




その日から時が過ぎて・・・




また家にご飯を作りに来てくれた時に、気付いてくれた事。

リビングに置いてあったバラの花瓶・・・黄色に色付いたバラに・・・


. . . 君は、気付いているよね。



まっさらな心と言うものは、実は・・・

・・・一番複雑な気持ちなのかもしれない


何かの切欠で、恋にも愛にも変化するけれどそれは・・・

・・・簡単に生み出す・・・嫉妬もあると言う事を. . . ____________




甘いふわふわの幸せを感じていてもね、いつも気持ちの中に燻る棘。

刺さったまま抜けない、何処かに引っかかったまま・・・素直に君を愛せない自分の遣る瀬無い程切なく感じるのは、きっと・・・


・・・君の事が、好き過ぎているからかもしれない。


自分の気持ちが解らないから、もっとずっと一緒に居たいけれど・・・




・・・ナニセ、君は未成年。

しっかり送り届ける事が、今の自分の役目かもな。とも思えて、複雑な自分の心に可笑しくて微笑んでいた。その男心を知って欲しくて、白だったバラ・・・

まっさらな心とは・・・

黄色の嫉妬に、ピンクの恋に、赤の愛に・・・いつでも変わる

その全ての俺を受け止めて欲しくて、掛けた魔法 ・ ・ ・


この甘い香りと共に、いつも君を包んでいたい俺の気持ちを解って欲しくて、綺麗に開いた満開のバラ達を持って車に向かった。



君を送る帰り道。

大事な女の子を乗せている事を肝に銘じ、安全運転。

その安全運転しようと云う心構えでさえも、自分には幸せだった。


でも・・・


不破の花束は、あれからどうしたのかは、気になった。

切り花だったから、胡蝶蘭の命は短い・・・


胡蝶蘭より切り花的には、しっかりお水を替えてくれれば、バラの方が長持ちするだろうと踏んでいた事。

もちろん最上さんからあの日は、同じ撮影スケジュールだったから帰宅後直ぐにお礼の電話がかかって来た。でも、不破の花の事には触れていなかった。

不破の花と俺の花。

意味はそれぞれ・・・


・・・君は、どういう風にとったのだろうか・ ・ ・ ・



赤信号で止まったので、ふと横の最上さんを見ていた。彼女は目を瞑って深呼吸をしていた。


「 どうした?大丈夫? ・・・車酔い? 」


大事な女の子を乗せているので、なるべくユルユル運転だったつもりだったけれど・・・と思って聞いた。


「 いえ・・・あの、違います。 」


ハキハキと明確に答えられると言う事は、嘘をついて我慢しているわけでないと判断。目を開けて、ぱっと俺を見た瞳・・・いつもの変わらぬ元気な最上さんに、安心した。


「 あのですね・・・思い出していたんです・・・」

そう言って、話し始めた。自分が気に成っていた、あの時の花の行方の事だった。


青になったので話を聞きながら運転しはじめた。
よそ見運転でもして事故ったら、人生も事故ってしまうので彼女の方を見て話を聞きたかったけれど、真っ直ぐ前だけを見て聞いていた。

二人きりの狭い空間・・・

・・・バラの甘い香りの中にいる事も手伝って、思い出さずにはいられなかったのだろう


あの日・・・
帰ったら、だるま屋の女将さんに、うわ~っ!綺麗~~!豪華ね~!!!と言われ、確かに自分の部屋のみに置いておくのは勿体ない。と思い、お店の入り口に飾ったと言う。


( な~んだ、そうか・・・)

部屋の中に、こんな風に香りが充満してくれる事を考えてだったのにな・・・と、少しがっかりした。


「 それで、ですね・・・」


その言葉に横目でちらっと確認したら、俯いてモジモジしている彼女に気が付いた。

なにやら言いにくそうにしていたので話を促す為に、前を向いたまま右手で頭をポンポンと撫でて、うん。それで・・・?と聞き返した。


「 実は・・・敦賀さんに貰った花の・・・」

なんだろな? 意味に気付いた?と思って、微笑んだら・・・

・・・実は、アイツの花も一緒に生けた。と、言う。


まぁ確かに、お店に飾るのならば胡蝶蘭は似合ってるよな。と思っていたけれどでも、その後の言葉に、ずっと聞き込んでいた。


大きな花瓶にもともと一杯だったゆえ、それに胡蝶蘭の本数よりもバラの方が多かったから、見栄えを重視して・・・

ピンクの胡蝶蘭の中に、蒼い桔梗が合わなかったので桔梗をまず外し、それと・・・
日当たりの無い店内だから、バラの蕾を外したと言う。


「それでですね・・・」

自分の部屋の日当たりの良い窓辺に、バラの蕾3本に対して、入りきらなかった咲いたバラを1本の割合で窓辺に置いていたと言う。


「 それに・・・実は、敦賀さんに頂いたバラ・・・まだ、あります。 」


こちらを向いて、にこっと微笑んだその笑顔。
その笑顔と共に、言ってくれた言葉に・・・バラにして良かった・・・と思った。


蕾が開き始めて間もなく・・・

・・・ドライフラワーにして今も部屋に飾ってあると、言った事・・・

そして、そのドライフラワーに・・・・



毎日・・・

朝、起きると、おはようございます。と

仕事の前に、行ってきます。と

帰宅したら、ただいま帰りました。と

寝る前に、お休みなさい。と・・・ 必ず挨拶してくれると言う事。


君の毎日すべての時間に、自分を思い出してくれるという事が・・・嬉しかった。



「 それでですね・・・」

そう言って鞄をゴソゴソしだした彼女。何かを取り出したけれど、運転中なので見せるのを躊躇っている。黄色だったけれど、そこまで急がない仕事だとも言っていることだし、と思って止まった。後ろの車には申し訳ないけれど、彼女の方が優先なので・・・と、思いながらバックミラーを覗いて、微笑んだ。

両手で包み、目の前で開いて見せてくれた・・・コーンの蒼い石。

なんだ、それだけ?と思っていたけれど、彼女の話す事に・・・


・ ・ ・やっぱり君は、頭も勘もいいコだね。


そう思いながら聞いていた、彼女の話・・・


敦賀さんに前にお貸しした事のあるこの石の色とですね・・・その時にアレンジメントから外した、桔梗の色が同じなんですね・・・


・・・そう、コーンからのメッセージだった、“ 変わらぬ、愛を・・・”


本当に君は、勘のいい子だとつくづく思い、もう一度頭をポンポンと撫でた。・・・その手をピタッと止めて頭の上に置いたまま、続ける。


「 でもね、最上さん・・・もしかしてその・・・
毎日のバラへの挨拶に、土下座してないよね・・・?」


「 えっ! 土下座・・・」


ビクッとしたところをみると、しているのか?と思ったけれど、・・・すみません・・・しないと、ダメですか?と言う返答に、思わずおかしくなった。


「 うんん。してないなら、いいんだよ。」


土下座されてなくて、よかった・・・

その思いが湧いたのは、もちろん“ ただの先輩 ”として見られて居なかったと思ったからだった。


「 それでですね・・・」

4回目の同じその話し始めの言葉に、なんで土下座感が薄れたのかが・・・分かった気がした。




_______ 敦賀さん・・・


・・・私、夢を見たんです。



あの日帰宅して、敦賀さんへの電話の後の事でした。

花を分けて飾った後に、自分の部屋で敦賀さんに頂いたバラを見ながら、お話をして・・・

敦賀さんのバラに・・・込めてくれたメッセージが分かったようで・・・



・・・私を、見ていてくれるという事ですよね ___________



その言葉に、返答はしないで、ただ前を見て運転したまま、微笑んだ。

でも、あっ!そこ曲がってください。と言われたからには、曲がらねばならぬ・・・
はいはい、と相槌を打って車線変更の為に、助手席の窓とミラーを確認する為に彼女の方をちらっと見ると、暗い車内でよく見えないけれど外のネオンが窓から入っていて、薄っすらと彼女の横顔が見えた。

その彼女の横顔は・・・

微笑んでいて、手にコーンの石を持ったまま、無意識にコーンの石を唇に軽くつけて上を向いて何かを思い出していた。


( コーンの石を貸してくれた時に、石に思わずキスをした事を、覚えているのだろうか・・・?)

そうも思ったけれど、花と石と何の関係があるのか・・・とても気になる。


「 それで・・・?」


彼女の話の先を促しながら、その質問に返答はしなかった。何を話したいのか・・・
・・・気に成っていたから。


角を曲がると、ネオンの輝く街の中から・・・


・・・星の煌めきが少しは見える、暗い住宅地の道に入った。 ______________



「 ありがとうございました。 」



そう言って降り様とする 君のシートベルトを外そうとした手を握りしめた。


「 ねぇ、あの話し・・・本当の気持ち、かな・・・? 」


俯いて片手を膝の上で握る姿。その手を口元に当てて目を瞑り頷いた時・・・

溢れる感情を止められなかった。



きっと君は・・・

俺が隠した全ての花の意味を知っていて、自分の部屋に飾ってくれた・・・


蒼い桔梗の花・・・


・・・変わらぬ愛


蕾が3つに開いたバラが1つ・・・


・・・しばらく秘密にしたい愛の想い



だから・・・


君に触れる事が許される、その瞬間に・・・ドロドロとした汚い感情でいたくない

_____ 何より、自分のそんなエゴイズムで君を混乱させるのは、あまりに可哀そうで・・・



でも・・・


今だったら・・・もう・・・


この複雑な自分の心を受け止めてくれていると・・・思えるから・・・



両手を握り胸に抱き寄せて・・・


・・・この腕の中に

この甘い香りの中に・・・

・・・君を包んで・・・いつか・・・



・ ・ ・ ずっと、居よう・・・一緒に. . . __________










________ 今夜は・・・









あれから・・・









「 お疲れさま。 」


スタジオを後にして外に出ると・・・

・・・冷たい風が吹いた。この季節の冷たい空気は とても澄んでいて、上を見上げると降って来そうなほどの、たくさんの瞬く星が綺麗だといつも思う。


______ ピッ


車のドアを開けて、エンジンを掛け少し経ったらヒーターをつけようと思っていた。
両手をこすり合わせて、両手を口元に・・・

・・・はーぁ、っと、両手に息を吹きかけて、目を瞑ると思い出す。

目を開けて窓の外を見上げると、新月に近い今日の夜空に浮ぶ・・・たくさんの星の煌めき。
星の光に棘を思わせる・・・

・・・自分の心に存在していた、いろいろな想いが蘇る。



今日は・・・

特別なのかもしれない。



エンジンの温度が上がったのを確認すると、ヒーターをつけた。シートウォーマーのスイッチに手を伸ばし・・・ 思わず微笑んでしまう。

(ふふ。・・・助手席側も、つけとこう。)

右手を伸ばし、シートが温かく成ってゆくのを感じて、その手を握り締めた。

自分の夢の中に感じた・・・バラの棘

自分の右手に浮ぶ血は、苦しくなるほど切なかった心の中に負った傷の現われだったとは、自分でも思う。

白いバラは、何色にも変えられるけれど・・・

・・・色づいたバラは・・・

元に戻せない。 __________________




スタジオのある建物のドアから、光が漏れて・・・

その光の中から出てきた人を・・・今日は・・・待っていた。


少し離れたここから遠目で見ても、はぁーっと両手に息を吹きかけたのが見える。
寒く冷え込んだ空気の中に見えた・・・

・・・白い・・・君の吐息。


両手を胸の前で握り合わせて、きょろきょろ探していたけれど、直ぐに気付いて駆け寄ってきた。

ドアを開けて外に出て、手を振りながら近づいて・・・

その右手を伸ばせば、左手を自然に差し出してぎゅっと握ってくれる。
右手を温めていたのは、君の為に。冷たい君の手を包み込んで、握り返したら感じる。


お互いが感じた傷を負った手。だから・・・

・・・お互いの心の中まで癒し合える様な、この瞬間を待っていた。


自然に自分の両手に吹きかけた、白い息。
白い何色にも変わるバラの・・・恋の吐息は、“ 私は貴方に相応しい” と、・・・“ 約束を守る。”



二人の間の約束は・・・


君に触れる事が許される、その瞬間に・・・ドロドロとした汚い感情でいたくない

_____ 何より、自分のそんなエゴイズムで君を混乱させるのは、あまりに可哀そうで・・・



あの日・・・


君がカフェテリアから持ってきた・・・ワインゼリーと同じ色のスプーン。
その色は・・・


・ ・ ・ロゼカラー



スプーンを上に向けて、その左手で測ってたのは・・・なぜ・・・?


あの時は全く知る由も無かった謎の行動に、自分が選んでしまったバラの色。

きっと、君の頭の中で想像した事は、楽屋で貰ったワインゼリーのバラの花が二つと・・・

・・・その蕾をイメージしてくれていたんだよね。



“ 二つの咲いたバラの花、一つの蕾。”



この花言葉の意味に、当分秘密にしたかったのは・・・

・・・君からの・・・

君の人生の中で拒み続けてきた事へ、心を開いてくれたと思った・・・

・・・君からの・・・

赤いバラの、心からの真実の愛は、当分秘密にしたいと云う事だった・・・?



それに・・・
気付かないフリをして、赤で埋まったグラスから・・・


・・・一口 . . . _____________


「 美味しいね・・・どんどんいける・・・コレ。 」


君からの気持ちとして受け取って、“ ツルンで安直 ”に、受け取ってもいいのかなと思い始めたあの時・・・


・・・自分の心も開かされていたと、思った。


人を愛してはいけないと、心に決めて生きてきたはずだったから、自分の心に戒める様に言い聞かせて働かせた、学習能力。

でも・・・


_______ 私が美味しいと思うものは、・・・子供味だと思って・・・



その言葉に・・・


はっとした。



君が秘密にしたいと思っているならば、その気持ちも受け入れてあげたいと云う思いに、赤いバラの意味を綺麗に受け入れてあげたいと思い始めた事も・・・


赤いバラには・・・

咲いた花の・・・どうか、私を射止めて・・・

と・・・

君が加えたスプーンの蕾の・・・ 貴方に尽くします・・・


・・・その意味がある事を知っているよ。



だからね、赤いバラと白いバラが半分ずつなった様に見えた時に思った。

赤と白の二つのバラが合わさると、“ 温かい心で、和合します ”の意味に・・・

“ 希望ありだよ、貴方の幸運を祈ります ”のバラの葉にもある意味に・・・


______. . . ここで . . . もしかしたら、俺は、“ 特別 ”待遇なのかもしれない・・・
なんて、思うのは. . ._________


自分に揺るがない自信が欲しかったから、そう思ったからこそ・・・その言葉が頭をよぎった。


だから・・・君の気持ちが嬉しくて、君の気持ちを全部受け入れた時に残った・・・

透明になったクリスタルのバラ・・・


ガラスのバラなのに、何故・・・クリスタルと言ったのかに、気が付かなかったの・・・?

その意味に、たくさん込めた自分の気持ちだったんだけどな。

君が当分、秘密にしたいと思っている、想いだろうと・・・



白いバラの・・・

“ 約束を守る ” と・・・ 

“ 自分は、貴方に相応しい” に・・・

ガラスのように壊れやすく、簡単に割れてしまう様な気持ちでは無い事を、伝えたくて・・・

・・・透明になったクリスタルのバラには、クリスタルの・・・浄化・・・

自分の閉じた心を、開かされた瞬間だった。



だから、本当は・・・
口の中に残ったこの味を、一緒に味わって欲しかったんだけどな. . . ______


唇を重ねるのを躊躇ったのは、自分が言ってしまった事だから、どうしても出来なかった。
一瞬湧いた自分の欲・・・でもね、君がとても純粋なままの・・・

・・・子供の時の変わらない笑顔を俺に向けたから



ドロドロとした感情のままの俺を、君の中で、ただ一度の間違いにして欲しくなかった。


それほど、君に恋をしていたと・・・気が付かされた時だった。



_______ だって、だって、この器のこの状態っ・・・



.
to... Crystallized Pearls * 4
CM: --
TB: --
mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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