mimi's world * HOPE and DESIRE

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A New Day - TWENTY TWO * 舞泳会より 

From far away beyond beautiful sea. . .



たくさんの王子も姫君も、自分達に視線を送っているのを感じていても
もう、彼女を離すなんてしたくなかった


踊りの輪の中でも、ただ立ち止まって

彼女を自分の胸に抱き寄せたまま、その手で頭を撫でて・・・



そう・・・

こうして・・・


自分達が子供の頃から毎朝、君の頭を撫でて・・・おはよう・・・って・・・

何度言ってきた事だろう


_____ 今日という日が、幸せであります様に・・・


そう・・・この心に何度、言ってきた事だろう

国王に、乳母に、抱かれて育っていった君の姿は、今こうして・・・

凛と美しく、育って

その姿をいつか・・・二人できっと訪れる地上では・・・

其処に甘い香りを風に乗せて・・・

大輪の花が咲く様な、凛と美しいクイーン

自分だけのクイーンに、これから成って欲しいと心から思う



この胸の内を、この胸の中に抱き寄せている間に・・・

感じてくれたら嬉しいと、心から思う



乳母が教えてくれた事・・・


今朝の彼女は、心が忙しなく たくさんの感情が混ざっている様だったと

自分もそれは、感じていた

だからこそ思う・・・



ベッドサイドに閉じた姿絵が、ふわっと広がって自然に開いたのならば

そのページが誰であったのかは問題ではない


自分にとって、一番大切な事は・・・


その姿絵の中に、君が載っていない事

君はきっと・・・自分が育って来たこの王室の子では無いと心に引っ掛かって
その姿絵を見続けていたのだろう

どうしてなのだろうと、きっと・・・思っていたと思う



だから、今から・・・

  ・・・成ればいい・・・




自分の妻に成って・・・



正室として、堂々と・・・自分がクイーンだと・・・

君の、その心の咎を消し去ってあげたいから


この心に痞えている心配はもう・・・ 

永遠に・・・無くなって・・・



こうして毎朝同じ様に、髪を撫でて・・・

今日の一日を、どうか幸せに過ごして欲しいと・・・

自分からの口付けに、その瞳を閉じて. . .



「 ねぇ、キョーコ・・・」

自分の呼びかけに ゆっくり頭を動かして、見詰めてくれたその瞳は・・・

真剣な眼差しで、その瞳の中に残る涙に見える・・・君の不安な心

だから・・・



「 どうか・・・」

瞳をずっと見詰めて握ったままの手を離さずに跪き、微笑む事が出来ないほど
自分の心が苦しかった

大きく息を吸って自分を落ち着かせようとしても、今までの様に・・・

君に微笑みを向ける事が、出来なかった


「 自分と共に、これからも・・・」


声が震えるほどで・・・

握っていた手を強く握り締めて、こんなにも心から愛している事を
どう伝えたらいいのか分からずにただ、その瞳をずっと見詰めていた


跪いた目の前の君の姿は、耀いて凛と美しいままで・・・


「 自分は・・・ここに・・・

   ・・・后を探しに来た・・・」


だから・・・どうか・・・



でも・・・と、小さく返事が聞こえたような気がして

握っていた手の上にもう片方の手を被せると、不安そうな瞳にまだ蟠りが見えたから


「 心配は何も無い、これから・・・」


被せていた手を毎朝と同じ様に彼女の唇に指を当てて、真剣な顔で首を横にゆっくり振った


今まで出来ていたのに、本当に心を開いて本音を伝えようとすると、自分の心臓が驚くほど早く波打つ様に忙しなく動いているのを感じていた


君が姿絵に載せられていない事を・・・


気付きそれを噂する者たち

自分との噂をばら撒く様な者たち



そうじゃない・・・


自分にとって一番大切な真実は、今ここに・・・

自分の心の中にだけ、存在する



もう一度大きく息を吸って、目を閉じた・・・

自分の心をそのまま、感じて欲しいと思って


「 ねぇ、キョーコ・・・」

一言だけ言い始めてからは、頭の中に浮かぶ子供の頃からの想いを
そして、この心に浮かぶままに伝えたいと自分の意識を研ぎ澄ませていた



_____ 今ね・・・

   たくさんの姫君の中に、見つけた・・・

   自分の将来のお后様で、自分の国の次期、皇后妃殿下



目を開けて、その瞳を見詰めると自分に向けられていた眼差しは・・・

君が一(いつ)だったかの日に、国王に両手を伸ばして見詰めていたままの

だから・・・


_____ キョーコ・・・

   君が、成ってくれますか・・・

   これからも、自分と共に朝を幸せに、迎えてくださいますか・・・

   
もし・・・
   自分の心を感じ取ってくれて居るのならば

   もう、君は立派な・・・王族の一員だよ. . . ________



そう、もう人魚の姿のままの君ではない

自分が見えた君だけが、霞の中に姿を隠す事が出来なかった
王族ではない人魚だけ・・・

自分には、その様に写っていたから

今、自分の目の前には君の姿が靄の中に霞んでいて・・・

でも、それは・・・この瞳の中に溢れつつある涙のせいなのか・・・


心の中から溢れ出した君への想いと、波打ち続ける心臓の早鐘と、
懐かしさの中にずっと燻ぶっていた自分に向けて欲しかったその真剣な眼差しを求めていた

その全ての自分を・・・

  ・・・どうか、受け入れて下さい



その想いが溢れさせた涙の中に、君の姿は今・・・

王族の一員と同じ様に霞んで見えなくなっていた



「 大丈夫、これから・・・

  その・・・これからには、何も心配は必要ない 」


だから、これからの毎日の新しい朝に、今までと同じ様に・・・
自分にも幸せを、そして・・・君にも幸せを、二人で分かち合って行きたいと願っている




・・・自分が握っていた手の上に、君が もう片方の手を乗せて包んでくれて


「 はい・・・」


その一言と、真剣に見詰めてくれたまま

瞬き一つしないで、溢れた涙・・・


その涙がぽたっと、二人の手の上に落ちて


自分の瞳からも同じ様に瞬き一つしないで、頬を伝う感覚はそのまま自分の胸の中心を伝った

でも・・・
目が霞んで、君の姿が人魚ではない様に見えたのは

自分の目に溜まった、涙のせいだけではなかったと・・・



自分の手の上に重ねてくれたその手に、目を閉じて

君の肌にそっと唇を付けた


二人で重ねあった手の中で、握り合った手をお互いに指を絡めて握り合った


_____ 何も、心配しないで・・・ただ・・・

   自分を信じて傍に居て欲しい、今までとなんら ・・・変わりなく



   王室の者として・・・



自分の胸に握っていた手を引き寄せて目を開けると、もう・・・

君の姿は靄の中に・・・自分と同じ様に霞んで・・・


その霞の中に

朝見たと同じ様に耀きを煌かせて佇む姿が見えた. . . __________




そして・・・・・




その姿を瞼の後ろに残したまま、瞬きをしたら・・・





そこは、波の影響も、海流の影響も無く

浅くも無く、深くも無く・・・

光が届くかと言ったら、届かない

でもいつも・・・舞い落ちるプランクトンが輝いて降り積もる

仄かな明かりに包まれて、色とりどりの魚達が泳いでいる

珊瑚礁に揺れる海草も小さな気泡を出し続け、その泡を天に向かう様に揺らめかせている



目の前に、自分のお付の社と、彼女の乳母が立っていた


自分の国・・・

自分の離宮の前に居た



「 蓮さま・・・」

社と乳母は頭を下げて


_____ お帰りなさいませ   ・・・と言ってくれた


「 キョーコさま・・・」

乳母は、頭を下げたまま


_____ ようこそ、いらっしゃいました・・・妃殿下



「 キョーコさま、貴方様は・・・今まで・・・」

そう言う乳母の言葉に、キョーコの頭を抱きしめて彼女の耳を塞いだ


「 その必要は無い・・自分から伝える 」


出過ぎた真似を、年寄りの戯言と思ってくださいまし・・・と、返す乳母に

いつもと同じ様に微笑みを向けた



指を絡めていた手を繋いだまま、二人並んで目と鼻の先の離宮に向った

横に並んで・・・楚々と泳いでくれる彼女
その後ろに社が付いて、今までと違う並びの中、心に思う・・・

・・・この時を待っていたと

今まで何も言ってくれなかったキョーコ
振り返って乳母に尋ねた事、それは自分も感じていた違和感だった


「 あの・・・カナエは?・・・」

乳母は、ふふっと笑いながら社と顔を見合わせていた


「 カナエさまは先ほどお先に、お現われに成られ・・・
  王子様と手を取り合って、もうそちらのお国に行かれました 」

  キョーコさま、蓮さま・・・

  お二人と同じ様に・・・

「 カナエさまは私ども御付をその後ろに、乳母様もそちらに行かれました 」



「 さぁ、どうぞ・・・」

社が先にすっと泳ぎ、門番と共に離宮の門を開いて


離宮の門が開いた先に

自分達の今までと同じ家臣たちがずらっと並んでいて、皆その頭を下げていた


_____ お帰りなさいませ、蓮さま・・・

   そして・・・

   ようこそいらっしゃいました・・・・キョーコ后妃殿下



「 我が国の姫君、これからは妃殿下として、どうかこの国を・・・」

覗き込んで見詰めた君の瞳の中に、この我が離宮が写っていて
自分が出かける前に見た・・・

君の瞳の中に写った自分、離宮を後ろに自分の国をその瞳に映してくれていた

同じ・・・

その今、君の瞳に写っている自分を見て、いつもと同じ様に微笑んでいた

握っていたままの君の手に、口付けをして・・・



_____  これからの、二人の新しい日々が

  ・・・どうか幸せであります様に



その手を唇からそっと離すと、いつもの朝と変らない優しい笑みを返してくれた

だから、一歩も動かない君を胸に抱き寄せて

一振り・・・すっと門を入ると・・・


手を繋いだまま二人で一緒に、離宮の庭を抜け回廊を抜けて

一緒に横に並んで、離宮の城の中に入って行った



TWENTY-THREE
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mimi's world from Ren Tsuruga and Chuehonn Hizuri
Love Letter from RT and CH

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